MISC - 上原 巌
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研究の視点いろいろ -精緻な林分管理モデルづくりに向けて-
上原 巌
現代林業 24 - 29 2016年09月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国林業改良普及協会
今後の日本の林分管理における、森林の変化予測(4次元スケールでの手法)、「健全な森林」の林学的意義、樹木の指標性解析、森林・林分構造のモデル解析アプローチなどについて報告、解説した。
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精緻な林分管理の指標 -天然更新の樹木を再考する-
上原 巌
現代林業 14 - 23 2016年09月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国林業改良普及協会
林分管理の一つの指標として、林内における天然更新の樹木に着目し、その指標性をはじめ、森林の持つ「自己治癒・免疫機能」としての植生変化、「開放系林分・閉鎖系林分」、4次元スケールでの林分変化予測などについて報告、解説、提案をおこなった。
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
上原 巌
森林科学 ( 77 ) 43 - 46 2016年06月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林学会
日本森林学会大会におけるテーマ別セッション「森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究」は第127回大会(2016年3月:於 日本大学)で12回目を迎え、森林科学研究の分野の中で、一般市民の関心が高い分野の1つである。
これまでの大会では、生理的および心理的なアプローチの基礎的研究をはじめ、臨床事例、研究手法、尺度開発、国内外の地域における事例研究などが発表されてきた。基礎的研究から、保健休養に供する森林環境の整備といったハードの課題、治療・保養プログラム作成等のソフトの課題、そして各臨床症例や、保養地事例などに至るまで多岐にわたった内容になっていることが特徴である。そのため、森林・林業関係者だけでなく、医療、社会福祉、心理、教育など、多領域の専門家とコラボレーションを行ってきていることも本セッションの特色であると言える。
森林環境は、一般市民の日常的な健康増進はもとより、職場における保健衛生や、医療、福祉、教育などの諸分野においても利用の可能性が大きい。
本大会のセッションでは、そのような視点から生活習慣病や心の健康づくりに供する森林、樹木の利用、活用手法などの調査研究に特に重点を置き、また森林環境の持つ保健休養機能についての研究アプローチについても検討、考究している現状について報告した。 -
東京農業大学・奥多摩演習林における造林学実習の紹介
上原 巌
森林技術 ( 889 ) 24 - 27 2016年04月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林技術協会
東京農業大学・奥多摩演習林における森林総合科学科学生の実習概要について報告し、あわせて2014、2015年に行った学生アンケートの結果も報告した。
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私有林への新たな造林支援を -多様な森づくりー
上原 巌
現代林業 2016年 ( 1月 ) 54 - 59 2016年01月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国林業改良普及協会
造林の使命、目的をはじめ、森林環境における多様性、森林の生産性、現在における造林の課題、多様な造林目的などについて記述した。
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海外における森林での保健休養の取り組み
上原 巌
現代林業 2016年 1月号 1 - 6 2016年01月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国林業改良普及協会
韓国、台湾、ドイツ、イギリスにおける森林浴、森林療法の事例を紹介した。
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身近な自然・森林で自らの健康を再考する -ヒポクラテスの姿勢に学ぶー
上原 巌
森林と林業 2015年9月号 4 - 5 2015年09月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他) 出版者・発行元:日本林業協会
古代ギリシャのヒポクラテスの思想から、現代の森林浴、森林療法に継承されているもの、また日本各地における森林療法の取り組みの萌芽状況について報告した。
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里山林の持続的利用を通じた再生手法に関する調査
上原 巌、大場龍夫、奥 敬一、高橋生志雄、田中 浩、土屋俊幸、箕輪光博、山本信次
里山林の持続的利用を通じた再生手法に関する調査報告書 2014年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他) 出版者・発行元:日本林業協会
平成25~26年度に行われた「里山林の持続的利用を通じた再生手法に関する調査委員会」の一人として同調査に参画し、同報告書のうち、「里山林を活用した保健休養の可能性」(pp.18-24)を担当執筆した。
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床土に木炭を施用した挿し木苗の養成試験
上原 巌
森林技術 ( 870 ) 32 - 35 2014年09月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林技術協会
木炭を混合した挿し床を設定し、挿し木苗の成長への影響を調べた試験結果を報告した。
供試材料は、ポプラ、イチョウの2樹種の挿し穂(20㎝)を用い、カラマツ、ナラ、オガ粉(ナラ材のオガ粉を固めたもの)の木炭をそれぞれ鹿沼土、黒土に混合した挿し床に挿し付けた。挿し付けは2013年5月上旬、掘り取りは同年10月下旬に行い、各挿し木苗の成長を観察し、根重と枝の伸長量などを比較した。
挿し穂の活着率は、ポプラの鹿沼土の挿し床では、カラマツ炭90%、ナラ炭85%、オガ炭85%、対象区65%、黒土の挿し床では、カラマツ炭70%、ナラ炭10%、オガ炭5%、対象区30%であった。
イチョウでは、鹿沼土の挿し床でナラ炭75%、オガ炭90%、対象区100%、黒土の挿し床では、ナラ炭35%、オガ炭45%、対象区5%との結果となった。
pHは、鹿沼土、黒土ともに全体的にやや酸性に変化した。 -
本の紹介 「清和研二 著 多種共存の森」 1000年続く森と林業の恵み 招待あり
上原 巌
森林技術 861 32 - 32 2013年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(大学・研究所紀要) 出版者・発行元:日本森林技術協会
著者の清和先生とは,宮城県での視覚障害者を対象とした森林療法の仕事を一緒に担当させていただいたことがある。もちろん清和先生は森林生態学がご専門なのであるが,森づくりとその保健休養の効果についても興味をお持ちであり,そんなことからも本書のタイトルである「多種共存」の書き手としてのお人柄がうかがえる。
本書で清和先生は,天然林を一つの指標,お手本として論考とご研究を進められている。これまで林業界で云われてきた「尾根- マツ,沢- スギ,中- ヒノキ」といった単純な施業方法ではなく,個々の樹木,植物,動物,菌類の生存特性から森林が成立するメカニズムを考察し,実地に検証を行い,短絡的,近視眼的なゾーニングなどの手法ではなく,「生物多様性」が健全な森林の回復の主軸になることを導き出されている。この「生物多様性」を論拠にした森林づくりは,単相林で,間伐率,土壌養分などの要素からしか考えていなかった従来の施業方法の欠陥も明らかにし,今後の日本の森林の再生に大きな光を与えるものとなるが,その論
拠は本書に詳しく書かれている。
特に,「ジャンゼン-コンネル仮説」による,「親から離れるほど子ど
もの生存率は高まる」「親木の下では他種の子どもが生き残る」の検証などは一般の方々にとっても興味深い研究内容であり,森づくりの観点から従来の生態学の「棲み分け理論」とも結合していく流れには快哉感を覚えた。本書の中で清和先生が度々繰り返す「森が創られる仕組みは複雑にして精妙である」との言葉は,森林・林業界のすべての者があらためて胸に刻まなければならない言葉であろう。
最後に,本書を通して清和先生はご自身の生い立ちや日常生活における森林とのかかわり,そしてかつての巨木林への憧憬も語られている。はたして太古の巨木の森は還ってくるのか? 本書はその巨木の森への稚樹,後継樹を育てていく一つの道標にもなっている。 -
森林療法の最新トピックス(その3) ヒポクラテス、森林美学、そして森林療法
上原 巌
森林レクリエーション 319 4 - 7 2013年12月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国森林レクリエーション協会
古代ギリシャの「医学の祖」であるヒポクラテスの思想、19世紀のザリッシュ、20世紀の新島善直、村山醸造の「森林美学」の思想から、現在の森林療法までの流れを概観し、今後の展望について記述した。
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森林療法の最新トピックス(その2) 地域病院における森林療法の事例
上原 巌
森林レクリエーション 318 4 - 7 2013年11月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国森林レクリレーション協会
鹿児島県霧島市の霧島桜ヶ丘病院における、病院周辺のスギ、ヒノキ放置林を活用した、認知症患者対象の森林療法の事例を報告した。
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森林療法の最新トピックス(その1)-市役所職員を対象とした事例-
上原 巌
森林レクリエーション ( 317 ) 4 - 7 2013年10月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国森林レクリエーション協会
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森の効能を知る -心と体を回復する森林療法の基礎知識-
上原 巌
Tokyo Walker 22 - 23 2013年10月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア) 出版者・発行元:角川マガジンズ
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森林の保健休養効果評価の一モデル
上原 巌
山林 1552 38 - 44 2013年09月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:大日本山林会
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照葉樹林での森林療法を考える
上原 巌
照葉樹林だより 34 2 - 3 2013年07月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:てるのは森の会
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現在の森林療法に思うこと
上原 巌
森林レクリエーション 311 1 - 1 2013年04月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国森林レクリエーション協会
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森林療法 今後の可能性と課題
上原 巌
森林と林業 4 - 5 2012年12月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本林業協会
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ブックス 「エビデンスからみた森林浴のストレス低減効果と今後の展開 -心身健康科学の視点からー 招待あり
上原 巌
森林科学 66 51 - 51 2012年12月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(大学・研究所紀要) 出版者・発行元:日本森林学会
「森林浴」という言葉が造られたのは、1982年(昭和57年)のことである。「森林でみどりのシャワーを浴び、心身をリフレッシュしませんか?」というキャッチフレーズであった。その後、「〇〇療法」「〇〇セラピー」という言葉も生まれてきた。とかく「科学」がキーワードとなり、宣伝の道具立て、舞台仕掛けともなる今日、森林浴についてもまた、「科学的検証」という言い回しを目にするようになった。
本書の著者である高山範理氏は、かねてより森林散策、森林風致の心身にもたらす作用について調査研究を重ねてきた研究者である。
本書において高山氏は、まずこれまでの国内外における森林浴に関するエビデンス・ベースの研究成果を振り返り、それらの結果から「心身健康医学:人間のこころとからだの有機的な関連性を科学的に解明しようとする学問領域」の視点に立ち、特に心理的効果についての考察を深めている。研究手法を心理的効果に重点を置いた理由としては、実際の森林浴に関わるプログラムや森林の環境整備には、心理的な知見が解釈容易であり、計画に反映しやすく、現場レベルで有用であることと、個人特性を考慮した分類では、生理的な差異の測定や抽出が非常に困難であることが考慮されている。
高山氏の実験の手法は、森林環境と都市環境の二対比較において、これまでの課題であった被験者の森林に対する印象、森林に対する知識や経験、性格、価値観、自己効力感などの「個人差」の側面から森林浴のストレス低減効果を考察していることに特徴がある。その研究成果をふまえ、高山氏はさらに現代の日本において急増している気分障害、不安障害などの精神疾患の予備軍となる神経症傾向にも着目し、その傾向を持つ被験者を対象にして、森林浴が気分変化などにどのような作用をもたらすかを調べ、神経症傾向の高い人々こそ、森林浴がより心理的に効果的な場合がある可能性を示している。
これらの分析結果をふまえ、本書の最後では、個人差に配慮したプログラムのあり方、森林環境の整備方策についても言及され、「心身相関:こころとからだの有機的相関性」をキーコンセプトにした、森林浴による心理的な健康状態の維持、増進、回復を目指されている。
今後の課題としては、天候をはじめ、森林の植生、樹木密度、林内照度などとの関連性といった森林ハードの問題と、より「効果的な」プログラムのあり方といったソフト面の課題があげられている。
森林浴の与える効果を簡単な紋切り型で片付けてしまうのではなく、関連する要素を一つ一つ検証して、エビデンスを構築していく高山氏の姿勢と手法には学ぶことが多い。森林浴の可能性と魅力をさらにひろげていく好著である。 -
地域のみどりの保全活動を通して健康づくり 英国のBTCVおよびグリーンジムの活動について
上原 巌
現代林業 566 1 - 6 2012年10月
記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:全国林業改良普及協会