講演・口頭発表等 - 下井 岳
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高脂肪食誘導性肥満がICRマウス卵母細胞のミトコンドリアに及ぼす影響
亀山 祐一,佐々木 美賀子,石橋 雄,下井 岳,和田 健太
第118回 日本繁殖生物学会
開催年月日: 2025年09月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京農業大学世田谷キャンパス(東京都世田谷区)
肥満と雌の生殖に関するマウスの実験はC57BL/6で行われることが多く,肥満雌の卵子ではミトコンドリア
(mt)の数や内膜電位の低下,活性酸素量の増加が報告されている。本研究では汎用閉鎖集団で報告が少ないICRに
高脂肪食飼料を給与し,肥満の進行,卵母細胞におけるmtの機能を評価した。 -
MII期卵母細胞の体外加齢が受精後の栄養外胚葉分化因子の発現に及ぼす影響
下井 岳, 小林泉水, 亀山祐一
第118回 日本繁殖生物学会
開催年月日: 2025年09月
会議種別:ポスター発表
開催地:東京農業大学世田谷キャンパス(東京都世田谷区)
本研究は体外加齢卵子(PAOs)由来胚におけるTEAD4とTEAD4のコアクチベーターであるYAPの発現を解析し、Cdx2低下との関連性について検証した。PAOs由来胚ではTEAD4およびYAP発現の異常がCdx2の低下を招き、TE分化に影響していることが示唆された。
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体外加齢したマウスMII期卵母細胞におけるAurora BおよびHEC1の発現
下井 岳, 村尾深月, 亀山祐一
第66回 日本卵子学会
開催年月日: 2025年06月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:広島コンベンションホール(広島県広島市)
減数分裂期の姉妹染色分体は、コヒーシンサブユニットのREC8がセパレースに分解されることで解離する。SGO2によって動原体にリクルートされるPP2Aは、REC8を脱リン酸化することで適切な時期までセパレースから保護している。我々は、排卵後の体外加齢卵子においてPP2A発現の低下によりREC8のリン酸化レベルが上昇し、コヒーシンが機能的に不安化することを示した。一方、PP2Aの低下に反してそのトランスポーターであるSGO2は過剰に発現していた。PP2A同様にSGO2によって動原体にリクルートされるAurora Bは、微小管-動原体の誤接続を解消するキナーゼであることから、過剰なSGO2発現は頻発する微小管の誤接続をAurora Bに解消させるために誘導されるという仮説を立てた。そこで、本研究ではAurora Bと動原体タンパク質で微小管接続のインターフェイスとして働くHEC1の発現について検証した。
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陰嚢を温湯・超音波曝露したマウスにおける一時的な精子形成阻害
亀山祐一,鎌倉彩百,下井 岳,和田健太
第66回 日本卵子学会
開催年月日: 2025年06月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:広島コンベンションホール(広島県広島市)
本研究ではマウスの陰嚢を40℃、43℃の条件で超音波破砕機を用いて処理し、精巣における精子形成と雄性ホルモン分泌の障害、それからの回復を観察した。マウスは超音波破砕機を用い、43℃20分1日間隔で2回の処理を行えば、精子形成を一時的に阻害できることが示された。その効果は減数分裂過程の細胞で強く、精子形成に必要とされる60日でほぼ回復することが示唆された。
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プロテオグリカン経口投与がマウス卵巣の抗老化に及ぼす影響 ― 卵巣刺激後の誘起排卵反応から観た評価 ―
下井 岳, 島田知和, 工藤謙一, 亀山祐一
第67回 北海道生殖医学会
開催年月日: 2025年04月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:北海道大学医学部学友会館フラテ(北海道札幌市)
プロテオグリカン(PG)は、抗老化物質としてその効果が様々な組織で確認されている。演者らはこれまで報告のなかった卵巣において、継続的なPG摂取が組織の老化を抑制する可能性を示唆した。本研究では、卵巣刺激による誘起排卵反応から観たPG摂取の卵巣老化に対する効果を評価した。その結果、PG摂取は老化による卵子成熟(卵胞発育)や排卵など卵巣機能の低下を軽減させ、正常な卵子をより多く得られる可能性が示唆された。
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マウス体外加齢卵子由来胚のレドックス制御と抗酸化能におけるmrTRX-1の効果
下井 岳, 三善正太朗, 鎌倉彩百, 如澤竜治, 亀山祐一
第65回 日本卵子学会
開催年月日: 2024年05月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
排卵後培養環境下で12時間以上経過したマウス体外加齢卵子では、TrxRの発現低下に伴いROSの蓄積量が増加し、TRXのレドックス制御は破綻する。しかし、培地へのマウス由来組替え体TRX-1(mrTRX-1)の添加は、卵子内のTrxR発現を促進して酸化ストレスを軽減させる。本研究では、mrTRX-1処理された体外加齢卵子に由来する初期胚を対象に、TrxR発現量とROS処理能について解析し、胚のレドックス制御に対するmrTRX-1の効果を評価した。卵子の体外加齢は受精後の初期発生過程においてTRXによるレドックス活性の低下を招くが、培地へのmrTRX-1添加によって活性低下を抑制し、胚の質を維持できる効果のあることが示唆された。
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哺乳動物卵母細胞におけるミトコンドリアの数・関連機能の種を越えた保存性に関する検討
鈴木雅子,下井 岳,和田健太,鎌倉彩百,亀山祐一
第65回 日本卵子学会
開催年月日: 2024年05月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
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プロテオグリカンの経口摂取がマウス卵巣の抗老化に及ぼす影響
下井 岳, 荒山佑紀, 如澤竜治, 鎌倉彩百, 工藤謙一, 亀山祐一
第66回 北海道生殖医学会 2024年02月
開催年月日: 2024年02月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:札幌医科大学臨床教育研究棟講堂(北海道札幌市)
抗炎症や細胞増殖作用を持つプロテオグリカン(PG)は、抗老化物質としてその効果が皮膚や軟骨組織で確認されているが、性腺組織に対する効果は演者らの知る限り報告がない。そこで、マウスにPGを長期間経口摂取させ卵巣の抗老化に対する効果を検証した。ガン制御因子p53や細胞周期阻害因子p21の発現低下から、PGの摂取が卵巣における細胞老化(老化細胞の蓄積)を抑制する可能性が示唆された。
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アルコール依存モデルマウス由来卵母細胞の単為発生
亀山祐一, 浅原隼風, 下井 岳, 鎌倉彩百, 如澤竜治
第66回 北海道生殖医学会 2024年02月
開催年月日: 2024年02月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:札幌医科大学臨床教育研究棟講堂(北海道札幌市)
アルコール(Alc)依存モデルマウスで、過排卵処理後の採卵成績、卵母細胞の単為発生を観察した。10または20%のAlcをICRに 30~40日間自由摂取させても、摂水、摂餌、増体重、発情周期、過排卵処理で得られた卵子の数・品質・単為発生に大きな影響はなかった。
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陰嚢の温湯・超音波曝露による一時的雄性不妊マウスモデルの開発
鎌倉彩百, 下井 岳, 如澤竜治, 亀山祐一
第66回 北海道生殖医学会 2024年02月
開催年月日: 2024年02月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:札幌医科大学臨床教育研究棟講堂(北海道札幌市)
陰嚢を超音波治療器で処置すると精子形成が阻害され、一定期間後に回復することがラットやサル類で知られている。演者は汎用理化機器の超音波破砕機でマウスの陰嚢を処置し、一時的な雄性不妊モデル作製を試みた。その結果、超音波処理の影響は、処理温度の上昇によって増強されることが示された。
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Exposure to IGFBP-rP1 during the oocyte maturation process inhibits IGF-1R and AKT activity in murine MII oocytes and embryos 国際会議
Jyozawa R, Kameyama Y and Shimoi G
21st World Congress on In Vitro Fertilization 2023年11月 International Society for In Vitro Fertilization
開催年月日: 2023年11月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:Osaka International Convention Center, Osaka, JAPAN
In this study, we investigated the effects of IGFBP-rP1 exposure on the maturation process of immature oocytes and the activity of IGF-1R and its downstream factors during early development.
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Effects of proteoglycans on the expression of apoptosis-related factors in murine embryos 国際会議
Shimoi G, Jyozawa R, Kudoh K and Kameyama Y
21st World Congress on In Vitro Fertilization 2023年11月 International Society for In Vitro Fertilization
開催年月日: 2023年11月
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:Osaka International Convention Center, Osaka, JAPAN
This study aimed to examine the effects of PGs on mitochondrial MP and expression of apoptosis regulators in murine embryos.
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妊娠マウスの過排卵誘起とそれで得られた卵子の初期発生
亀山祐一, 永木 渉, 下井 岳, 如澤竜治, 和田健太
第64回 日本卵子学会
開催年月日: 2023年05月
会議種別:ポスター発表
開催地:つくば国際会議場(茨城県つくば市)
哺乳動物は一部の例外を除けば、妊娠中の排卵、受精、発生は起こらない。演者らは誤って妊娠マウスを過排卵誘起したところ、排卵とその卵子がIVFで卵割することを観察した。本研究では妊娠マウスを過排卵誘起し、排卵とIVF後の初期発生を観察した。また一部の例では妊娠の継続、産仔の発育を観察した。
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Thioredoxinはマウス体外加齢卵子の抗酸化に有効か
下井 岳, 大井七彦, 如澤 竜治, 亀山 祐一
第64回 日本卵子学会
開催年月日: 2023年05月
会議種別:ポスター発表
開催地:つくば国際会議場(茨城県つくば市)
排卵後に体外で一定時間経過した卵子に対する酸化ストレスの軽減を目的に、体外加齢卵子におけるTrxのレドックス活性を評価し、マウス由来組換えタンパク質TRX1(mrTRX-1)を用いて外因性Trxが卵子の抗酸化能に及ぼす影響について検証した。
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暑熱に暴露したマウスから回収した精巣上体尾部精子の受精能
亀山祐一, 大木崚雅, 下井 岳, 和田健太
第65回 北海道生殖医学会
開催年月日: 2023年02月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:北海道大学医学部学友会館(北海道札幌市)
ICR マウスの雄を 35℃に 7 日間暴露し、精巣サイズ、精巣上体精子の正常性、受精能に関する指標を観察した。暑熱暴露で精巣は退縮すると同時に T 分泌が減少、精巣上体尾部の精子も形態正常性、生存性、運動性、受精能が低下し、得られた受精卵の発生率は低下することが示された。
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マウス体外加齢卵子由来胚の初期発生過程におけるCDX2発現動態
下井 岳, 如澤 竜治, 亀山 祐一
第65回 北海道生殖医学会
開催年月日: 2023年02月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:北海道大学医学部学友会館(北海道札幌市)
受精卵の初期分化は栄養外胚葉(TE)の出現であり転写因子CDX2の発現が必須である。マウス体外加齢卵子由来胚では胚盤胞期のTE細胞数が減少するが、これはCdx2発現量の低下に起因することを報告した。マウス胚ではCDX2発現が胚盤胞期以前から認められるが、体外加齢卵子由来胚ではその発現動態は不明であるため検証した。
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老齢マウスの卵巣内におけるCXCL5濃度の検討
如澤 竜治, 古市莉奈, 亀山 祐一, 下井 岳
第65回 北海道生殖医学会
開催年月日: 2023年02月
会議種別:口頭発表(一般)
開催地:北海道大学医学部学友会館(北海道札幌市)
我々は老齢マウス卵巣内でCXCL5が高発現することを半定量的に解析した。そこで、卵子老化に及ぼすCXCL5の影響を検証するため、in vitroで卵母細胞へ曝露する実験系を構築するにあたり、本研究ではマウス卵巣内におけるCXCL5濃度を測定したので報告した。
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マウス体外加齢卵子由来胚から樹立した栄養膜幹細胞の分化能
下井 岳, 石川 立, 亀山祐一
第67回 日本生殖医学会 2022年11月
開催年月日: 2022年11月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:パシフィコ横浜会議センター(神奈川県横浜市)
我々は、胚体外組織形成の分析ツールとして栄養膜幹(TS)細胞を体外加齢卵子(ao)由来胚から樹立し(aoTS細胞)、in vitroで胎盤前駆細胞への分化能を有することを示してきた。一方、aoTS細胞が胚内でTE分化を経て胎盤形成に寄与するかは不明である。本研究では、注入キメラ法を用いて胚内におけるaoTS細胞のTEと胎盤組織への分化能について検証した。
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卵子成熟過程におけるIGFBP-rP1はマウス卵母細胞および初期胚のIGF-1R活性を持続的に低下させる
如澤竜治, 平田 紗, 亀山祐一, 下井 岳
第67回 日本生殖医学会 2022年11月
開催年月日: 2022年11月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:パシフィコ横浜会議センター(神奈川県横浜市)
IGFBP-rP1は細胞老化関連分泌現象(SASP)因子の一つで、老化に伴い卵巣内で高発現する。我々はin vitroの実験系で成熟過程にIGFBP-rP1を曝露することで卵母細胞のIGF-1Rの活性が減弱し、受精後の胚でアポトーシス(Ap)が頻発することを明らかにした。卵子成熟過程のIGFBP-rP1曝露が受精を経て初期発生にまで影響することについて、本研究では初期胚におけるIGF-1Rの発現とIGF-1Rの下流にあるAp抑制シグナルの活性から検証した。
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DNPによるマウス卵母細胞におけるATP合成の減弱
亀山祐一, 石田笑子, 下井 岳, 和田健太
第63回 日本卵子学会 2022年05月
開催年月日: 2022年05月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:メルパルク京都(京都府京都市)
卵母細胞のmtDNAコピー数やATP含量が少ないと、受胎率の低
いことは不妊治療の臨床研究で推測されている。しかし、受精や発生に必要なそれらの閾値は、実験動物で明確に示されていない。本研究は2.4-Dinitrophenol(DNP)でマウス卵母細胞におけるATP合成の減弱を試み、受精‧初期発生に必要なATP含量の閾値について考察した。