講演・口頭発表等 - 田中 尚人
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Lactobacillus gasseri JCM1131T のリポテイコ酸 : 胆汁酸適応への関与
白石 宗,冨田 理,田中 尚人,吹谷 智,森田 直樹,横田 伸一,岡田 早苗,横田 篤
2012年度日本農芸化学会年次大会 2012年03月
開催年月日: 2012年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都大学
腸管内に生息するLactobacillus gasseriはプロバイオティクスとして実際に利用される乳酸菌である。我々はL. gasseri JCM1131Tの胆汁酸に対する適応現象を発見した。胆汁酸適応とは、胆汁酸の主な構成成分であるコール酸を非致死濃度 (4 mM) 含む培養液に、細胞を短時間(30分) 暴露させることで、致死濃度 (15 mM) のコール酸ストレスに対して耐性を獲得する現象である。我々は、この適応現象のメカニズムの解明を目指し、適応現象に細胞膜脂質が関与することを明らかにしている。本研究では細胞膜に結合する細胞表層多糖であるリポテイコ酸 (LTA) に着目した。LTAは、一般的にグリセロールリン酸ユニットで構成される主鎖を持ち、細胞膜の糖脂質を介して結合する。また、表層電荷の要因にもなり、LTAの構造の一部を修飾変化させることで、表層電荷を調節し、電荷を持つ抗菌物質への物理的防御として機能すると報告される。本研究ではマイナス電荷を持つコール酸への適応現象とLTAの関与を明らかにした。
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Fructobacillus 属細菌の糖代謝解析
及川 容,田中 尚人,佐藤 英一,岡田 早苗
2012年度日本農芸化学会年次大会 2012年03月
開催年月日: 2012年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都大学
Fructobacillus属の5 種の各基準株を供試菌株とした。また近縁種のLeuconostoc mesenteroidessub sp. mesenteroidesNRIC 1541Tを比較対象株として用いた。グルコースを基質とした培地(GYP培地)に過去に報告された生育因子(フルクトース、ピルビン酸、酸素)を加え、各供試菌株の代謝産物をHPLCにより測定した。その結果、Fructobacillus 属においてピルビン酸添加GYPでは乳酸:酢酸=3:1、フルクトース添加GYPでは乳酸:酢酸:マンニトール=1:1:2、GYP好気条件では乳酸:酢酸=1:1となった。このことは、GYP嫌気条件下で本属細菌はNADHからNAD+への再生が不十分なために生育しないと考えられているが、各因子の添加により余剰となったNADHを酸化しているためこのような結果が得られたと予想された。したがって、菌体内の糖代謝は菌体外の因子の還元反応と関連性があると推察された。そこで、菌体外の因子の還元反応に関与すると考えられる酵素の活性測定を行った。その結果、この還元反応にはNADH の酸化反応が伴うことが明らかとなった。以上のことより、糖代謝の過程で行われる酸化還元反応と併せて菌体外の因子を用いた酸化還元反応も行われ、これにより菌体内の酸化還元バランスの保持が行われていることが示唆された。また、本属細菌の特徴である菌体外の因子に依存的な生育はこのような機構によるものであると考えられた。
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好フルクトース乳酸菌 Fructobacillus 属の分離
田中 尚人,及川 容,佐藤 英一,岡田 早苗
2012年度日本農芸化学会年次大会 2012年03月
開催年月日: 2012年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都大学
2010年春から2011年冬にかけて関東地方を中心とした地域から、花や果実等のサンプル計739点を採取し実験に供した。過去に報告された方法1)を参考に、採取したサンプルから好フルクトス乳酸菌の分離を試みた。フルクトスを基質とする FYP 集積培地で培養した後、培養液を FYP 固体培地に画線塗沫しクリアゾンを形成したコロニを選抜株とした。各選抜株をグルコスを基質とした GYP 液体培地およびフルクトスを基質とした FYP 液体培地に植え継ぎ、嫌気条件下で培養した。そして、GYP 液体培地での生育が FYP 液体培地に比べ弱い 18 株を好フルクトス乳酸菌として選抜した。さらに、これらを16SrRNA遺伝子系統解析により簡易同定したところ、9 株はFructobacillus 属 (F. fructosus 4株、F. pseudoficulneus 2株、F. ficulneus 2株、F. tropaeoli 1株)、7 株は好フルクトス乳酸菌として報告のあるL. kunkeei2)と高い相同性を示した。他はL. brevis, L. sanfranciscensisであり、いずれもヘテロ発酵型乳酸菌であった。
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Stenotrophomonas maltophilia のメロペネム耐性
田中 尚人,志波 優,鈴木 智典,吉川 博文,岡田 早苗,宮崎 智,菅原 秀明
2010年度日本農芸化学会年次大会 2010年03月
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京大学
Stenotrophomonas maltophilia IAM 12672のゲノムドラフト配列はIllumina Genome analyzer IIにより決定し、MiGAPによりアノテーションを付加した。比較解析の結果、予測された亜鉛の輸送系では2株の間で排出トランスポーターに違いが認められた。また、K279aでは亜鉛との関連について報告のある親鉄蛋白質のTonB依存型トランスポーターがmbl 遺伝子上流に存在した。株間のMPM耐性の違いはこれらの違いに起因している可能性が考えられた。
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Lactobacillus plantarum による免疫調節作用に関する研究
奥野 潤一,冨田 理,増田 健幸,保井 久子,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
2010年度日本農芸化学会年次大会 2010年03月
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京大学
Lactobacillus plantarum をモデルとして、桿状保持細胞壁(ICW)を調製し、同 様に試みたところ、超音波で破砕した細胞壁破砕物は活性がなくなるが、ICW には活性 があり、PP と合わせることで相乗効果が見られた。以上の試験において、マクロファー ジ用 J774A。1 を用い IL-12 を測定する in vitro 評価系を導入したところ、マウスパイエル 板の試験系の再現性が見られた。
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対馬伝統醗酵食品せんだんごに生息する微生物の菌叢解析
熊谷 浩一,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
2010年度日本農芸化学会年次大会 2010年03月
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京大学
せんだんご発酵工程中、浸漬・発酵工程より一般細菌、酵母、カビの分離を行った結果、カビは発酵の工程のみ確認された。このことから、カビによりデンプンや食物繊維が分解され低分子量化していると考えられた。そこで、カビについて検討した結果、年度や地域によらず、主にPenicillium属やMucor属が生息しており、デンプン分解能を有することから、これらカビがサツマイモデンプンの分解に関与していると考えられた。
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Lactobacillus delbrueckii の細胞生長に及ぼすビタミンB12の影響
西前 七緒,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
2010年度日本農芸化学会年次大会 2010年03月
開催年月日: 2010年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:東京大学
Lactobacillus delbrueckii は生育に必須なビタミンB12が不足すると増殖せず数十μm に伸長し、B12添加で伸長細胞は分裂し通常細胞の長さ(5μm)に戻る。伸長細胞は構造的特徴から、分裂に関連する隔壁形成や核様体複製などをしていないと考えられたが、伸長時の細胞壁合成点は通常細胞と同じであった。また、両細胞の主要な分裂関連遺伝子の発現に差異はなかった。したがって、伸長細胞は細胞壁合成し分裂が再開可能な状態を維持しているが、分裂はB12が関与する構造体の合成系に影響されていると考えられた。
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Lactobacillus plantarum 種内における細胞壁テイコ酸の構造多様性と合成遺伝子の比較解析
冨田 理,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,降旗 一夫,額田 恭郎,岡田 早苗
日本乳酸菌学会2009年度大会 2009年07月
開催年月日: 2009年07月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:ベルクラシック甲府
細胞壁テイコ酸のRibitol鎖合成遺伝子と推測されたispD・lp_1817・tagB1・tagB2の機能を明らかにするためL. plantarum NCIMB 8826を用いてGlycerol鎖合成遺伝子のノックアウトを試みた。その結果、形質転換体から一次組換え体を得ることができたが、数回の継代培養のみでほぼ全てのコロニーが野生株へ戻ったことから、WTA合成遺伝子はL. plantarumの生存において必須な遺伝子であると推測された。次に、異なるWTA構造をもつL. plantarum 6株を供試菌株とし、Glucose修飾に関するtagE1∼ 6とgtcA1∼ 3についてPCR法・RT-PCR法・シークエンス解析を行い、遺伝子の存在確認とその発現の有無、塩基配列を解析した。その結果、tagEの一部にトランスポゾンの挿入や内部配列の欠落、フレームシフト変異による終止コドンの挿入がみられ、機能していないことが確認されたため、これらの変異がtagEの機能の発現を左右していると考えられた。すなわち、複数存在するtagEの中でも、どのtagEが変異するかによりGlucose残基の配置の違いに影響を与えていることが考えられた。また、これらのtagEとgtcAは変異が生じている部位を除けば、Glycerol型WTA株・Ribitol型WTA株に関わらず菌株間での塩基配列の保存性が非常に高かった。これらのことからL. plantarumのWTA構造は、複数保存されているtagEに塩基配列の変異が生じることにより、多様化しているのではないかと考えられた。
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乳酸菌細胞壁の変異原物質吸着部位に関する研究
畠山 誉史,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
日本乳酸菌学会2009年度大会 2009年07月
開催年月日: 2009年07月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:ベルクラシック甲府
我々の身の回りには多くの変異原物質が存在し、常に遺伝子変異の危険性に曝されているため、現在抗変異原性の重要性が着目されている。その一つに乳酸菌が挙げられ、吸着による変異原吸収抑制を主とした様々な抗変異原性の研究がこれまでに行われてきた、しかし、現象面ではいくつかの報告例はあるものの、吸着部位を始めとする詳細はいまだ不明なことが多い。よって当研究室では乳酸菌の抗変異原性を明らかにすべく、吸着の面から様々な研究を行ってきた。今回の報告では、乳酸菌の菌体構成成分に着目し吸着部位を検証した。供試菌株五種の菌体構成成分(菌体内容物画分、粗細胞壁画分、細胞壁画分、ペプチドグリカン画分〉と四つのヘテロサイクリックアミンを用いてHPLCによって吸着活性を調べた。TrpLP−1ではペプチドグリカン画分が最も吸着活性が高く、ほかの変異原物質では細胞壁画分に吸着活性が高い結果が多く得られた。この傾向は多くの供試菌株で共通していた。さらに、ベプチドグリカン画分をリゾチム(ペプチドグリカン分解酵素)で処理し、その吸着活性を調べたところ消失したことから、Trp−P−1の吸着部位はペプチドグリカンであることが確定的になった。
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ビタミンB12バイオアッセイ用乳酸菌株のスクリーニング
田中 尚人,冨田 理,岡田 早苗
日本ビタミン学会第61会大会 2009年05月
開催年月日: 2009年05月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:京都学園大学
供試菌株には ATCC 7830に相当する NRIC 1682および独自に分離収集した L. delbrueckii 38株を用いた。供試菌株の中からビタミンB12要求性が高く、かつ生育がビタミンB12濃度に依存的である株をスクリーニングするため、分析マニュアルに記載されている操作を基本に適宜シアノコバラミン を含むビタミンB12定量用培地での生育測定 (波長 600nm)を行った。その結果、 0-150 pg/2.5ml の濃度の範囲で再現性も含め良好な TUA 4404L と TUA 4665L の 2 株を選抜した。次に、2 株の検量線を単回帰、対数用量を用いた単回帰、ロジスティック回帰モデルで作成し、各回帰線の精度や再現性を統計的に評価した。また、確度を添加回収試験により検討した。その結果、TUA 4404Lのロジスティック回帰モデルによる回帰線が 0-60 pg/2.5mlの範囲で直線性が高くかつ安定していた。以上から、ビタミンB12バイオアッセイの新規指示菌として TUA 4404L を提案する。
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有用乳酸菌株の産業利用と知財
岡田 早苗,中野 美佳,田中 尚人,西村 充,御船 昭
日本微生物資源学会第16回大会 2009年05月
開催年月日: 2009年05月
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
開催地:大阪大学
東京農業大学菌株保存室は、日本を含む東〜東南アジア各国の伝統発酵食品(ほとんどが植物原料)に関わる乳酸菌を長年に亘り(1980 年〜)収集してきた。保存乳酸菌株は現在、約 5,000 株あり、それぞれの分離源データ、表現性状データ(約 60 項目)、16S rDNA シークエンスデータと共に情報整理され保存されている。 近年、野菜ジュースや豆乳など植物素材を原料とした発酵飲料製造にも乳酸菌の利用が急速に拡がっている。植物素材を発酵原料とする場合は、乳の発酵に使われる乳酸菌では適さず、植物質が原料となった発酵食品に由来する乳酸菌(=「植物性乳酸菌」)が適している。さらに「植物性乳酸菌」は健康保持(感染予防や免疫調節など)に関わる素材としても注目され、その活用度はますます高まっている。その知的財産権について発表した。
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樹液の乳酸菌フローラの解析
入澤 友啓,金子 祐太郎,田中 尚人,岡田 早苗
2009年度日本農芸化学会年次大会 2009年03月
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福岡国際会議場
樹液を試料とした集積培地により31株の分離菌株を得た。分離菌株のほとんどがLeu。 mesenteroidesで、Lactobacillus属は少数であった。このLactobacillus属について表現性状試験を行った結果、運動性を有していた株が3株含まれていた。この3株について16S rRNA遺伝子塩基配列に基づく系統解析を行ったところL. salivarius 系統群に属しL. mali とL. satsumensisに近縁であった。また本菌株はG+C含量は38 mol%であり、L. mali NRIC 1692T、L. satsumensis NRIC 0604TとのDNA-DNA相同性はいずれも低い相同性を示したことからこれらを新規乳酸菌であると位置づけ、”Lactobacillus lacrimicola “と命名し、現在Int J Syst Evol Microbiolに投稿・提唱中である。
さらに、本研究で用いた集積培地に集積された乳酸菌をPCR-DGGEにて検出した。するとEnterococcus casseliflavasやLeuconostoc mesenteroides がサンプルに共通して検出された。また、サンプルによってはLactobacillus buchneriやLactobacillus hilgardiなども検出された。このように培養法と分子生物学的手法により樹液中に多様の乳酸菌が生息していることが明らかになった。 -
乳酸菌細胞壁の変異原物質吸着部位に関する研究
畠山 誉史,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
2009年度日本農芸化学会年次大会 2009年03月
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福岡国際会議場
我々の身の回りには多くの変異原物質が存在し、常に遺伝子変異の危険性に曝されているため、現在抗変異原性の重要性が着目されている。その一つに乳酸菌が挙げられ、吸着による変異原吸収抑制を主とした様々な抗変異原性の研究がこれまでに行われてきた、しかし、現象面ではいくつかの報告例はあるものの、吸着部位を始めとする詳細はいまだ不明なことが多い。よって当研究室では乳酸菌の抗変異原性を明らかにすべく、吸着の面から様々な研究を行ってきた。今回の報告では、乳酸菌の菌体構成成分に着目し吸着部位を検証した。供試菌株五種の菌体構成成分(菌体内容物画分、粗細胞壁画分、細胞壁画分、ペプチドグリカン画分〉と四つのヘテロサイクリックアミンを用いてHPLCによって吸着活性を調べた。TrpLP−1ではペプチドグリカン画分が最も吸着活性が高く、ほかの変異原物質では細胞壁画分に吸着活性が高い結果が多く得られた。この傾向は多くの供試菌株で共通していた。さらに、ベプチドグリカン画分をリゾチム(ペプチドグリカン分解酵素)で処理し、その吸着活性を調べたところ消失したことから、Trp−P−1の吸着部位はペプチドグリカンであることが確定的になった。
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サイトカイン誘導能に関わる Lactobacillus plantarum 細胞壁の役割
奥野 潤一,冨田 理,入澤 友啓,保井 久子,増田 健幸,田中 尚人,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
2009年度日本農芸化学会年次大会 2009年03月
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福岡国際会議場
Lactobacillus plantarum をモデルとして、免疫調節作用の活性の発現に必要な細胞画分を特定した。無傷の細胞(Cell)、ペプチドグリカン(PG)、テイコ酸(WTA)、細胞内容 物であるプロトプラスト(PP)の IFN-γをマウスパイエル板の試験系で測定したところ、 Cell は高いが分画すると活性は下がった。
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バニリンを産生する乳酸菌の検索
佐々木 和佳子,入澤 友啓,田中 尚人,佐藤 英一,岡田 早苗
2009年度日本農芸化学会年次大会 2009年03月
開催年月日: 2009年03月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:福岡国際会議場
焼酎、サワーブレッド、せんだんごを分離源とする供試菌株15種102株の内、せんだんご分離株であるLactococcus lactis SEN10-10およびLactococcus lactis SEN14-10において、フェルラ酸の減少とバニリンの産生が確認された。これらの結果を受け、焼酎製造への実用に向けて生育温度試験、初発pH試験、アルコール耐性試験を行った。その結果、それぞれの生育範囲はLactococcus lactis SEN10-10では、温度10~42℃、アルコール濃度0~5%、pH5.5~8.5で、Lactococcus lactis SEN14-10では、温度10~37℃、アルコール濃度0~5%、pH5.0~8.5であった。
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Studies on slower-growing Lactic Acid Bacteria (生育緩慢乳酸菌について) 国際会議
Tomohiro Irisawa, Naoto Tanaka, Sanae Okada S.
The 9th Symposium on Lactic Acid Bacteria 2008年09月
開催年月日: 2008年09月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:オランダ
生育緩慢な乳酸菌を複合型から分離することは、寒天培地上での生育の早い微生物の生育領域占領すなわちコロニー形成により困難である。そのため、生育の早い微生物を抑制するため、活性の高い状態で効果の高い抗生物質を培地に添加することで、緩慢に生育する乳酸菌のみコロニーを形成しやすい状態にするための培地条件を検討し、緩慢に乳酸菌を分離する方法を確立した。
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Phenotypic and phylogenetic diversity of plant origin lactic acid bacteria (植物性乳酸菌の表現性状と進化的多様性について) 国際会議
Naoto Tanaka, Hideaki Sugawara, Sanae Okada
The 9th Symposium on Lactic Acid Bacteria 2008年09月
開催年月日: 2008年09月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:オランダ
東京農業大学菌株保存室では、長年にわたり発酵食品などから約 4,000 株の植物性乳酸菌株を独自に分離・保存し、さらに各株の約60項目の表現性状データにより同定してきた。これらの分離株の一部はすでに産業的に利用されているように、微生物資源として高いポテンシャルが期待される。本研究では 16S rRNA 遺伝子配列のデータを加えた解析により、乳酸菌分離株を再整理することにした。 分離株の 16S rRNA 遺伝子配列は定法により決定、blast program により相同解析した。約 2,400 株の16S rRNA 遺伝子配列解析の結果、7 割の株は表現性状に基づく同定と属レベルで一致した。配列解析をした分離株は 13属からなり、Lactobacilus 属が一番多く 5 割を占めていた。本属で最も多かった系統群は L.plantarum group であった。本発表では各属の分離株の、生育温度や pH, 炭素源の資化能などの表現性状データによる種同定と種内多様性などについても報告する。
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Structural diversity of teichoic acid isolated from the cell wall of Lactobacillus plantarum (Lactobacillus plantarum の種内細胞壁テイコ酸の多様性) 国際会議
Satoru Tomita, Naoto Tanaka, Eiichi Satoh, Tai Uchimura, Kazuo Furihata, Tomoo Nukada, Sanae Okada
The 9th Symposium on Lactic Acid Bacteria 2008年09月
開催年月日: 2008年09月
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
開催地:オランダ
細胞壁テイコ酸(WTA)はグラム陽性菌の細胞壁に含まれる糖アルコールとリン酸からなる酸性多糖であり、乳酸菌においても細胞壁の主要な成分である。WTA は多様な機能をもつほか、株レベルで構造が異なることが知られているが、その詳細な構造の研究はほとんど行われてこなかった。そこでWTA構造の種内多様性を明らかにすることを目的とし、WTAを豊富に含むLactobacillus plantarum種内のWTAの成分と構造を解析した。その結果L. plantarumのWTAは糖アルコール成分の違いによりGlycerol型とRibitol型に大別されるだけでなく、主鎖の修飾成分であるGlucose残基の配置に違いがあることが明らかになった。
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緩慢乳酸菌の選択的分離法の確立
入澤 友啓,田中 尚人,岡田 早苗
日本乳酸菌学会2008年度大会 2008年07月
開催年月日: 2008年07月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:麻布大学
生育緩慢な乳酸菌を複合型から分離することは、寒天培地上での生育の早い微生物の生育領域占領すなわちコロニー形成により困難である。そのため、生育の早い微生物を抑制するため、活性の高い状態で効果の高い抗生物質を培地に添加することで、緩慢に生育する乳酸菌のみコロニーを形成しやすい状態にするための培地条件を検討し、緩慢に乳酸菌を分離する方法を確立した。
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機能性を有する乳酸菌の細胞壁テイコ酸の構造解析
冨田 理,田中 尚人,保井 久子,額田 恭郎,佐藤 英一,内村 泰,岡田 早苗
日本乳酸菌学会2008年度大会 2008年07月
開催年月日: 2008年07月
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
開催地:麻布大学
細胞壁テイコ酸(WTA)はグラム陽性菌の細胞壁に含まれる糖アルコールとリン酸からなる酸性多糖であり、乳酸菌においても細胞壁の主要な成分である。WTA は多様な機能をもつほか、株レベルで構造が異なることが知られているが、その詳細な構造の研究はほとんど行われてこなかった。そこでWTA構造の種内多様性を明らかにすることを目的とし、WTAを豊富に含むLactobacillus plantarum種内のWTAの成分と構造を解析した。その結果L. plantarumのWTAは糖アルコール成分の違いによりGlycerol型とRibitol型に大別されるだけでなく、主鎖の修飾成分であるGlucose残基の配置に違いがあることが明らかになった。