論文 - 千葉櫻 拓
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Cell cycle-dependent regulation of the RNA polymerase II basal transcription activity. (RNAポリメラーゼⅡ基本転写活性の細胞周期依存的制御) 査読あり
Yonaha, M., Chibazakura, T., Kitajima, S., Yasukochi, Y.
Nucleic Acids Res. 23 4050 - 4054 1995年11月
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
タンパク質コード遺伝子の転写を司るRNAポリメラーゼⅡの転写活性が細胞周期においてどのように制御されているかは不明な点が多い。本論文では、遺伝子非特異的なRNAポリメラーゼⅡの基本転写活性が細胞周期依存的に制御されていることを明らかにし、その機構として基本転写因子TFⅡDの細胞周期に依存した質的変化が主要な役割を果たすことを示唆した。
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Effects of spo0 mutations on spo0A promoter switching at the initiation of sporulation in Bacillus subtilis. (枯草菌におけるspo0Aプロモータースイッチングに対するspo0変異の影響) 査読あり
Chibazakura, T., Kawamura, F., Asai, K., Takahashi, H.
J. Bacteriol. 177 4520 - 4523 1995年08月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
枯草菌は環境中の栄養源の枯渇に伴って、栄養増殖から細胞分化に移行し、耐熱性の胞子を形成するが、その分化開始過程の制御機構については不明な点が多かった。胞子形成開始の中心制御遺伝子spo0Aの転写は、栄養増殖期特異的なプロモーターから胞子形成開始期特異的なプロモーターにスイッチングすることで制御されている。本論文では、そのスイッチングにspo0Aを含む少なくとも5つのspo0遺伝子産物が必須であることを明らかにした。
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Enhancement of bacterial transcription initiation in vitro by the 74-kDa subunit of human general transcription factor IIF (RAP74). (ヒト基本転写因子TFIIFの74-kDaサブユニット(RAP74)によるバクテリア試験管内転写開始の増強) 査読あり
Chibazakura, T., Kitajima, S., Yonaha, M., Yasukochi, Y.
Biochim. Biophys. Acta 1219 592 - 600 1994年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
真核生物のタンパク質をコードする遺伝子の転写を司るRNAポリメラーゼⅡは、種々の基本転写因子群によって、正確な転写開始点および基本転写量が制御されている。ヒト基本転写因子の一つTFⅡFはRAP30およびRAP74の2つのサブユニットからなり、それらには原核生物のRNAポリメラーゼσサブユニットとの相同領域が存在する。本論文では、ヒトRAP74がin vitroで大腸菌RNAポリメラーゼの転写開始活性を増強することを明らかにし、転写開始制御において原核、真核生物間に共通する分子機構の存在と、それを介したRAP74による転写制御機構を示唆した。
コレスポンディングオーサー -
Regulation of the human general transcription initiation factor TFIIF by phosphorylation. (リン酸化によるヒト基本転写因子TFIIFの制御) 査読あり
Kitajima, S., Chibazakura, T., Yonaha, M., Yasukochi, Y.
J. Biol. Chem. 269 29970 - 29977 1994年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ヒト基本転写因子TFⅡFは、タンパク質コード遺伝子の転写装置であるRNAポリメラーゼⅡによる基本転写の開始および伸長過程を制御する因子であるが、その活性がどのように制御されているのかは未知であった。本論文では、基本転写の開始および伸長におけるTFⅡFの活性が、in vivoのリン酸化によって正に制御されていることを示し、RNAポリメラーゼⅡによる基本転写が基本転写因子のリン酸化によって制御されうることを初めて明らかにした。
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Molecular analysis of POP2 gene, a gene required for glucose derepression of gene expression in Saccharomyces cerevisiae. (出芽酵母のグルコース脱抑制に必須なPOP2遺伝子の分子解析) 査読あり
Sakai, A., Chibazakura, T., Shimizu, Y., Hishinuma, F.
Nucleic Acids Res. 20 6227 - 6233 1992年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
出芽酵母のpop2変異は、グルコース脱抑制、胞子形成、高温での生育等、幅広い生体機能に欠陥を示すことから、POP2遺伝子はこれらの機能に必須であると示唆されていた。本論文では、出芽酵母のゲノムライブラリーを用いてPOP2遺伝子を新規にクローニングし、その構造を明らかにしたところ、POP2遺伝子産物はグルタミンストレッチ領域、プロリンおよびセリン/スレオニンに富む領域を有しており、転写制御因子である可能性が示唆された。
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Differential regulation of spo0A transcription in Bacillus subtilis: glucose represses promoter switching at the initiation of sporulation. (枯草菌spo0A遺伝子転写の分化制御:グルコースが胞子形成開始におけるプロモータースイッチングを抑制する) 査読あり
Chibazakura, T., Kawamura, F., Takahashi, H.
J. Bacteriol. 173 2625 - 2632 1991年04月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
枯草菌は環境中の栄養源の枯渇に伴って、栄養増殖から細胞分化に移行し、耐熱性の胞子を形成するが、その分化開始過程の制御機構については不明な点が多かった。本論文では、胞子形成開始の中心制御遺伝子spo0Aの転写制御機構を解析し、spo0Aの転写が栄養増殖期特異的なプロモーターから胞子形成開始期特異的なプロモーターにスイッチングすることで制御されることを初めて明らかにし、そのスイッチングがグルコースによって抑制されることを示した。
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Structure and molecular analysis of RGR1, a gene required for glucose repression of Saccharomyces cerevisiae. (出芽酵母のグルコース抑制に必須なRGR1遺伝子の構造と分子解析) 査読あり
Sakai, A., Shimizu, Y., Kondou, S., Chibazakura, T., Hishinuma, F.
Mol. Cell. Biol. 10 4130 - 4138 1990年08月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
出芽酵母RGR1遺伝子はグルコース抑制に必須であり、グルコースシグナルを種々のシグナル伝達経路に分配する機能を持つと考えられていた。本論文では、RGR1遺伝子をクローニングし、その構造を明らかにしたところ、分子量123kDの新規タンパク質をコードすることが示された。また、遺伝子破壊実験よりRGR1は生育に必須な因子であること、部分欠損変異株の解析よりRGR1が貯蔵糖の蓄積に必須であることが示された。
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The multicopy spo0F gene inhibits an enhancement of the spo0A transcription in Bacillus subtilis. (枯草菌において多コピーspo0F遺伝子はspo0Aの転写増強を阻害する) 査読あり
Chibazakura, T., Yamashita, S., Yoshikawa, H., Kawamura, F., Takahashi, H., Saito, H.
J. Gen. Appl. Microbiol. 34 451 - 455 1988年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
枯草菌は環境中の栄養源の枯渇に伴って、栄養増殖から細胞分化に移行し、耐熱性の胞子を形成する。胞子形成開始に関与するspo0F遺伝子は、多コピープラスミドベクター上でその発現量を増大させると胞子形成を阻害することが知られていた。本論文では、多コピーspo0F遺伝子による胞子形成阻害の機構について解析した結果、多コピーspo0Fが胞子形成開始中心制御遺伝子spo0Aの転写増強を胞子形成開始期において顕著に抑制することを明らかにした。spo0F 遺伝子の転写も胞子形成開始期に増強され、それがspo0Aに依存することから、spo0遺伝子間の相互制御機構が示唆された。
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Regulation of sporulation in Bacillus subtilis: the structure and function of spo0F. (枯草菌胞子形成の制御:spo0Fの構造と機能) 査読あり
Yoshikawa, H., Kazami, J., Seki, T., Chibazakura, T., Yamashita, S., Kawamura, F., Saito, H.
Bacillus Molecular Genetics and Biotechnology Applications (Academic Press,Inc.) 171 - 182 1986年04月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
枯草菌は環境中の栄養源の枯渇に伴って、栄養増殖から細胞分化に移行し、耐熱性の胞子を形成する。本論文では、胞子形成開始遺伝子の1つであるspo0Fの構造と機能の解析を行い、spo0F遺伝子の多コピー導入により胞子形成が阻害されることを明らかにした。また種々のspo0F部分欠失変異を導入して解析した結果、胞子形成阻害にはspo0Fの全長ORFが必要であることが示され、spo0F遺伝子産物の過剰発現が胞子形成開始過程を阻害することが示唆された。
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Revised assignment for the Bacillus subtilis spo0F gene and its homology with spo0A and two Escherichia coli genes. (枯草菌spo0F遺伝子と大腸菌の2遺伝子との相同性に関する改訂) 査読あり
Yoshikawa, H., Kazami, J., Yamashita, S., Chibazakura, T., Sone, H., Kawamura, F., Saito, H., 他
Nucleic Acids Res. 14 1063 - 1072 1986年02月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
枯草菌は環境中の栄養源の枯渇に伴って、栄養増殖から細胞分化に移行し、耐熱性の胞子を形成する。本論文では、胞子形成開始遺伝子の1つであるspo0Fの塩基配列を明らかにし、胞子形成開始の中心制御遺伝子spo0Aおよび大腸菌ompR、cheY遺伝子との相同性を示した。ompR、cheY遺伝子は原核生物の環境応答系である2成分制御系のレスポンスレギュレーターをコードしており、枯草菌の胞子形成開始過程においても、同様のシステムを介した環境シグナル伝達機構が示唆された。