論文 - 鈴木 聡志
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石原式色覚検査表の開発における心理学の役割
鈴木 聡志
心理学史・心理学論 2004年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
石原式色覚検査表(石原表)開発の経緯を報告するとともに、石原忍と心理学との関わりを述べた。石原は大学院時代に心理学通俗講話会のメンバーと交流をもち、メンバーの一人からドイツ製の色見本をもらい、色覚異常の研究に用いた。また石原は『視的錯覚』という題の論文に興味をもち、後に石原表を開発する際に参考にしたが、それは上野陽一の論文と推測される。
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障害者のアイデンティティ-対抗同一性再考
鈴木 聡志
臨床心理学研究 2001年10月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
対抗同一性は青年の理解のために提唱された概念だが、これを障害者のアイデンティティの理解のために応用した。二つの障害者団体の声明文の共通点と対抗同一性の成立過程が探られた後、障害者のもつ対抗同一性と青年のもつそれとの相違が検討された。また対抗同一性における社会規範・障害・主体の三者の関係についてバランス理論による解釈を試みた。
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精神病観の研究-「心の病」の言説分析より-
鈴木 聡志
松蔭女子短期大学紀要12 1996年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
普通の人々のもつ精神病観を探るため、短期大学生17名に、心の病の原因と治療法について面接調査が行われた。言説分析によると4つの原因論と2つの状態像、7つの治療法が認められた。それらの間にはかなり一貫した関係があることがわかった。
pp.173-189 -
1980年代のソ連における自律訓練法研究について
佐々木雄二、吉田倫幸、鈴木 聡志
自律訓練研究13 1992年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
1980年代にソビエト連邦において行われた自律訓練法の研究についての報告。特徴的なのは、自律訓練法を疾患に合わせて自由に修正したり、あるいは新しい手法を開発していることである。これはわが国においても自律訓練法を発展させる上での一つの方向であろう。
共同研究部分はpp.1-67。 -
ダブルによる共感的理解の訓練の試み
鈴木 聡志
豊田短期大学研究紀要2 1992年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
心理劇のダブルの技法を用いて、共感的理解に焦点を当てたカウンセラーの訓練を試みた。学校カウンセリングを学んでいる教員を対象に行った結果、良好な成果を得ることができた。この方法を用いる際の注意点や、限界などについて考察した。
pp.41-47 -
半記述的チェックリスト法および多変量解析法による思春期登校拒否事例に関する研究(2)-類型化の試み
小林正幸、鈴木 聡志
カウンセリング研究24 1991年10月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
思春期に発症した登校拒否事例の臨床像の評価のために半記述的チェックリストが作成された。39事例は性格要因のクラスター分析により4つの類型に分類された。各種の要因が比較された結果、A群は性格・行動の偏りが少ないこと、B群は耐性に乏しいこと、C群は病理性が高いこと、D群は真面目であることがそれぞれの特徴であるとされた。従来の類型化との比較、それぞれの治療法などが考察された。
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受験によるストレスに自律訓練法を適用した事例
鈴木 聡志
自律訓練研究11 1990年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
娘の高校受験時の「あがり」を心配して来談した母親の事例報告である。母親を通して娘に自律訓練法を指導する一方で母親には情緒的混乱が見られたためカウンセリングと自律訓練法と併用した結果、母娘双方のストレスは軽減し、また傾聴により母親の不安も解消した。
pp.16-21 -
半記述的チェックリスト法および多変量解析法による思春期登校拒否事例に関する研究(1)-改善の程度に影響を及ぼす要因の検討
小林正幸、鈴木 聡志
カウンセリング研究23 1990年10月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
思春期に発症した登校拒否事例の臨床像の評価のために半記述的チェックリストが作成された。39事例を、改善群・半改群・未改善群の3群に分け、多変量解析法を用いて改善の程度に影響を及ぼすいくつかの要因を明らかにした。
共同研究部分はpp.119-132。 -
子どもの社会的スキルの内容について
庄司一子、鈴木 聡志
教育相談研究28 1990年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
社会的スキルには、他者に肯定的な効果を与える「正のスキル」と、他者に否定的な効果を与える「負のスキル」の2種があると考えられる。小学校3~6年を対象に、自由記述により2種の社会的スキルの内容を収集し、場面との関係、発達差、性差につ いて検討した。共同研究部分はpp.24-32。
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いじめによる登校拒否の1例
鈴木 聡志
教育相談研究27 1989年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
男子小学生の症例報告。クライエントは入学直後からいじめに会ってしばしば不登校を訴えた。いじめがある程度収まった後も登校拒否を続け、不登校が長引いた理由として性格や社会性の問題が未解決なことが考られた。pp.53-57
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子どもの社会的スキルに関する展望(2)-査定について
鈴木 聡志、小林正幸、庄司一子
教育相談研究27 pp.71-84 1989年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
前論文に続く子どもの社会的スキルに関る展望で、その査定法についてまとめた。現在までに用いられている8つの査定法についてその概要と問題点を述べた。
担当部分:共同研究につき、担当部分抽出不可能。 -
子どもの社会的スキルに関する展望(1)-概念的検討
庄司一子、小林正幸、鈴木 聡志
教育相談研究27 1989年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
社会的スキルは子どもの学業成績や社会適応と関連が深く、近年関心が高まっている。本論文ではその概念に焦点を当て、研究の流れ、社会的コンピテンスとの関係、定義と概念化、社会的スキルの問題の概念化の4点について、現在までの研究を展望した。
共同研究部分はpp.57-70。 -
登校拒否と学校相対化主義
鈴木 聡志
教育相談研究26 1988年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
登校拒否についての考え方の多くがそれを個人病理としてとらえて学校を不問にするのに対し、登校拒否を病気とは見ず、病んでいるのは学校であるとする立場がある。これを仮に「学校相対化主義」と名づけて論評した。この主張をふまえて登校拒否に関する論議を深めるため、学校をどれだけ相対化できるのかということと、生活の場として学校をとらえることのふたつの論点を提起した。
pp.69-73 -
緘黙の心理と治療に関する一考察 -1男子緘黙児の症例より-
西山薫、鈴木 聡志
筑波大学臨床心理学論集3 1987年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
1男子場面緘黙児の症例報告である。治療室での遊戯療法によりクライエントの発語と自由な動きが可能になり、その後治療場面を学校に移して学校場面へ般化させた。学校での治療は不定期的に行われたが、徐々に緊張度の高い場面に触れさせた結果、担任との会話が可能になり行動面も改善された。最後に場面緘黙の心理機制について考察した。
共同研究部分はpp.61-69。 -
登校拒否治療における継時近接法とトークン・エコノミー法の併用法の役割について 査読あり
鈴木聡志、小林正幸、佐々木雄二
行動療法研究11 11 ( 1 ) 42 - 50 1985年09月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
男子中学生1名の登校拒否症に対して継時近接法とトークン・エコノミー法の併用法を適用した。登校行動の獲得に継時近接法が適用され、その分化強化をトークン・エコノミー法で与え、トークン・エコノミー法の下位目標項目を順次変更することで継時近接法の役割を果たさ せた。この結果、クライエントは5カ月で登校行動を獲得し、一時的に不安定な登校が続いたがその後再び登校行動が回復した。
共同研究部分はpp.42-50。