論文 - 鈴木 貢次郎
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ユリ科ホトトギス属2種とツルボの種子発芽における光反応性の差異
鈴木 貢次郎
東京農業大学集報 45 ( 3 ) 210 - 216 2000年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
日本産ユリ科植物のうち、シュロソウ亜科のホトトギス2種は風散布型、ツルボ亜科のツルボは主に重力散布型である。風散布型と重力散布型との違いは特に種子発芽に及ぼす光要因の影響の違いがあると考えられる。そこで、ホトトギス及びタイワンホトトギスと、ツルボとで、発芽に及ぼす光要因の影響の違い(明・暗発芽)について実験した。この結果,風散布型のホトトギスとタイワンホトトギスの種子は,明条件での発芽率が暗条件の値よりも著しく高くなり、明発芽であり、重力散布型のツルボ種子は、暗発芽の傾向を示した。 pp.210-216
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日本産ユリ科植物の繁殖習性に関する研究(1)種子発芽習性
鈴木 貢次郎
植物地理・分類研究 ( 47 ) 1999年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
日本産ユリ科植物の代表種を,種子発芽習性(発芽所要期間と発芽特性)の要素によって分類した。発芽所要期間とは、結実から発芽までの期間によって決められる発芽型(2ヶ月型、6ヶ月型、12ヶ月型)である。発芽特性とは自発休眠(後熟性、発芽阻害物質の有無、種皮・果皮の不透過性)と、上胚軸休眠性、及び地下子葉・地上子葉の別のことである。これらの種子発芽習性の要素を用い、クラスター分析によって分類した結果、日本産ユリ科植物21種を大きくⅠ.2ヶ月型、Ⅱ.地上子葉・6ヶ月型、Ⅲ.地下子葉・6ヶ月・自発休眠の発芽阻害物質型、Ⅳ.地下子葉・6ヶ月型、Ⅴ.地下子葉・6ヶ月・自発休眠の後熟型、Ⅵ.地下子葉・上胚軸休眠・6ヶ月型,Ⅶ.地下子葉・上胚軸休眠・12ヶ月・自発休眠の後熟型,Ⅷ.地上子葉・12ヶ月型に分類した。pp.111-120
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ヤブランとジャノヒゲ(ユリ科ヤブラン亜科)の種子発芽特性
近藤三雄
ランドスケープ研究 62 ( 3 ) 1999年01月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ユリ科ヤブラン亜科のうちジャノヒゲ属ジャノヒゲとヤブラン属ヤブランの種子発芽特性について諸実験を行った。ジャノヒゲの種子の発芽は、種皮の色の違いによって異なった。種子の発芽力は乾燥によって失われ、低温湿潤貯蔵によって維持された。ヤブランの種子は、種皮を除いた方が高い発芽率を示した。また、採取直後であると暗条件下よりも明条件下の方が若干高い発芽率を示 す傾向を示した。乾燥貯蔵によって種子の発芽力が失われたが、低温湿潤条件下に貯蔵した場合でも時間の経過とともに発芽率が低下する傾向を示した。発芽適温はジャノヒゲで20~30℃の間、ヤブランで15~25℃の間にあった。
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給水停止後のドウダンツツジの水ストレス反応
飯島健太郎,吉濱恵子,鈴木貢次郎,高橋新平,近藤三雄
ランドスケープ研究 62 ( 3 ) 1998年11月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ドウダンツツジの給水停止後の水ストレス反応について探った。その結果、給水停止後、ちょうど土壌が永久しおれ点に達する頃に、枯葉・変色葉が現れ始めた。土壌 が葉の水ポテンシャルを下回る頃に、葉の水ポテンシャ ルは-2.5Mpa前後を維持し、その間に緑葉の割合は半数 以下に減少し、色調もうすくなり始めた。ドウダンツツジを水ストレス状態から回復させるためにはこの時期ま でに灌水を行うことが望ましい。その後、葉の水ポテンシャルは段階的に低下し、全ての葉が枯れる頃には枝の含水比が30%になり、この時期に再灌水しても回復は困難と考えられた。
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3種の草花植物の種子発芽特性
鈴木 貢次郎
日本緑化工学会誌 23 ( 3 ) 1998年01月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
緑化用植物の生産技術向上のため、また、緑化工採否の可能性を探る目的で、ミソハギ(Lythrum anceps)、ハナ トラノオ(Physostegia virginiana)、キキョウ(Platyco don grandiflorus)3種の種子の発芽と温度および明暗条件との関係について数種の実験を行った。ミソハギの種子は、10℃から15℃よりも20℃から30℃の間で高い発芽率が得られた。また、強い明発芽性を示した。明条件でもまた全般に発芽率の非常に低かった暗条件下においても、冷温、GA3 と冷温の併用ならびに変温の各処理に発芽促進効果があった。水中でも90%内外の発芽率が得られた。ハナトラノオの種子はどの温度区でも明暗条件ともに発芽率が低く、ばらつきも大きかった。発芽促進処理のうち、変温処理とGA3処理とに効果があった。キキ ョウの種子は概ね明発芽性を示し、15℃以上の温度条件であれば安定して高い発芽率を示した。 pp.1-11
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Studies on the germinability of Iris ensata seeds stored under different moistuer content and temperature conditions (A pre liminary report)
Kojiro Suzuki and Mitsuo Kondo
Landscape Science and Architecture,Research for the Landscape of Waterfront 1997年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
水辺地での利用頻度が多いIris属のうち、Iris ensataの種子発芽について、特に湿度と温度の貯蔵条件を違えた時の発芽能の変化について実験的に究明した。Iris ensataの種子は、乾燥によって発芽能力を失い、低温湿潤条件で最も発芽力を維持できることがわかった。また、乾燥で発芽力を失うときの限界含水率は5%内外であり、他の乾燥によって生命力を失う種子に比べて、かなり耐乾性はある種類の種子であることがわかた。
(鈴木貢次郎、近藤三雄) -
数種の低潅木類の種子発芽
鈴木 貢次郎
日本造園学会誌 58 ( 5 ) 1995年05月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
広く緑化空間で扱われている低潅木類数種の種子の発芽特性について究明した。その結果、ユキヤナギは、採種直後では発芽適温が15~20℃の間であったが、採種後約1年で発芽能力を失った。また、強い好光性を示し、暗条件におけるGA3と低温処理の併用による発芽促進効果が認められた。ビョウヤナギの発芽適温は採種後7ヶ月内外までは15~25℃の間で、特に25℃で好光性を示した。また、月日を経ると次第に発芽率が高くなる傾向を示した。アセビは、採種直後の休眠が認められ、好光性種子であった。ヒイラギナンテンは、採種直後に15~30 ℃の間で高い発芽率が得られたが、1ヶ月後には、どの温度、光条件でも発芽能力を失った。pp.73-76
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草花の混播による緑化に関する実験的研究-特に雑草防除を効果的 に行うための基盤整備と維持管理のあり方について-
鈴木 貢次郎
日本緑化工学会誌 18 ( 2 ) 1992年10月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
複数種の草花を混播する緑化手法について、特に雑草防 除手法に主眼をおき、草花を混播する際に最低限必要な植栽基盤整備や維持管理手法を明らかにするための実験 を行った。その結果、草花を導入する基盤土壌には雑草の埋土種子量が少ない土壌(関東火山灰心土等)を用いると効果的であること、また、心土における元肥および追肥の施用、ならびに表土における年1回以上の除草が 必要不可欠となることが判明した。pp.112-123
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数種の草花に対する成長抑制剤の効果
山室陽子、近藤三雄
日本緑化工学会誌 17 ( 4 ) 1992年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
成長抑制剤の草丈抑制や雑草制御,開花促進等の特性に着目し,コスモス“センセーション”、キバナコスモス、ルドベキア、ハルシャギクの4 種の草種に対して成長抑制剤を散布し、草丈抑制による美観の向上、倒伏防止、雑草制御、開花促進、花の終了後の刈込み労力・量の軽減化を図った。その結果、キバナコスモス、ルドベキア、ハルシャギクについてFlurpr imidol(グリーンフィールド)、Paclobutrazol(バウンティ)の散布効果が確認された。
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ワイルドフラワーによる緑化に用いる草種ならびに施工、管理実態について
近藤三雄
日本緑化工学会誌 16 ( 3 ) 1991年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
近年、様々な空間で行われている草花による緑化手法について、「ワイルドフラワー」として扱われている主たる草種や、基盤整備、管理内容の違いによる生育開花状態の差を探るため施工事例についての追跡調査を行った。その結果、播種方法には、単播で行う場合と混播で行う場合があり、さらに播種する際には土壌改良や施肥がある程度必要となること、雑草防除に注意を要することなどが明らかになった。
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緑化に用いる「ワイルドフラワー」の適性草種、ならびに造成管理手法について
萩原信弘、近藤三雄
造園雑誌 54 ( 4 ) 1991年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
近年、各方面から注目を集めている「ワイルドフラワー」による緑化について、のり面、平坦地の緑化を想定し、適性草種、混播方法ならびに観賞に耐える状態を作り出すために最低限必要な植栽基盤の整備・維持管理のあり方について実験的に究明した。その結果、コスモス、オオキンケイギク、オオテンニンギク等10数種類の利用の可能性が認められ、混播方法、播種量、基盤の整備手法(施肥、耕耘・土壌改良、潅水)の目安が得られた。