論文 - 進藤 斉
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清酒醪の発酵温度と酵母菌体への含硫物蓄積(清酒醪の発酵温度と酒質の関係)(第2報) 査読あり
進藤 斉、土井弥市、麻布暁史、坂野和章、角田潔和、 吉沢淑、小泉武夫
日本醸造学会誌(1998) 93 ( 5 ) 389 - 395 1998年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
前報まで清酒低温醪では含硫アミノ酸が特徴的動向を示すことを明らかにした。本報では清酒低温醪中の酵母菌体内には、含硫化合物であるSーアデノシルメチオニン(SAM)が、高蓄積されていることを確認し、これら一連の含硫物の動向は、液体培地における1行発酵では認められず、醪などの並行複発酵でのみみられることを明らかにした。これらから低温醪の管理には含硫物動向が重要で酒質への影響も大きいものと示唆された。
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3地点(0℃、山中、室温)における清酒・焼酎の貯蔵熟成試験 査読あり
角田潔和、岡田俊樹*、小林一三、金内誠、進藤 斉、 吉沢淑、小泉武夫
日本食品保蔵科学会誌(1998) 24 ( 4 ) 227 - 236 1998年04月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
3地点(0℃、山中、室温)にて、清酒、焼酎の貯酒試 験を行い酒質の変化を検討した。清酒では直糖、酸度、アミノ酸度は減少し、3DGの増加が認められた。焼酎では、エステル類の減少が見られた。官能評価の結果、山中試験区は清酒、焼酎とも良好な結果であった。
*は日本発酵機構余呉研究所 -
琵琶湖産ブラックバス(Micropterus salmoides)およびブルーギル(Lepomis macrochirus)を原料とした魚醤油風調味料の短期製造 査読あり
進藤 斉、高橋恵美子、角田潔和、吉沢淑、小泉武夫
東京農業大学農学集報 42 ( 4 ) 365 - 374 1998年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ブラックバス、ブルーギルを原料魚とし、澱粉原料として清酒醸造副産物の白糠を用い、低食塩かつアルコール含有魚醤油風発酵調味料の短期製造を行った。50℃で麹、酵素剤を併用した分解工程、15℃でアルコール発酵を主とする2工程からなる製法を設定し、最終生成調味料は食塩10%、アルコール5%、アミノ酸度が17ml、グルタミン酸も5500mg/l含有し、魚臭は官能的に感じられ ず、淡水魚臭物質であるピペリジンは発酵によりマスクされており、色も淡く、保存性も問題なかった。
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中国ハム(金華火腿)より分離したAspergillus ochraceus A70の生産する中性プロテアーゼの精製とその性質 査読あり
角田潔和、和久豊*、岡田俊樹*、進藤 斉、吉沢淑、小泉武夫
東京農業大学農学集報 42 ( 4 ) 266 - 273 1998年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
火腿より分離したAspergillus ochraceus A70の生産する中性プロテアーゼの精製を行い酵素化学的性質を調べた。小麦フスマで培養し、0.5%NaCl溶液で抽出し、イオン交換クロマトグラフィーで分画したところ、2つのピークが認められ、これをそれぞれプロテアーゼⅠ,Ⅱとした。両酵素は等電点、至適pH、温度、温度安定性はやや異なったが、いずれもSH酵素である一方、システインプロテアーゼであることが明らかとなった。
*は(株)ビオック -
Biodegradation of Azo-Dyea Yeast Candida curvata AN723
Toshitaka Kakuta, Fukashi Aoki, Toshiki Okada, Hitoshi Shindo,Kiyoshi Yoshizawa, Takeo Koizumi and Kikuo Nojiro
繊維学会誌(1998) 54 ( 1 ) 54 - 57 1998年01月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
野生酵母Candida curvata AN723を用いて染料合成工場及び染色工場からの排水を微生物分解により処理する方法を検討した。0.02%クリソイジンを用い脱色を試みたところ3日間で90%以上脱色された。また分解物であるアニリンと1,2,4ートリアミノベンゼンが生成されていることをHPLCで確認した。
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Purification and Properties of Two Different Azoreductase from a Yeast Candida curvata AN723 査読あり
Toshitaka Kakuta, Fukashi Aoki, Toshiki Okada, Hitoshi Shindo,Kiyoshi Yoshizawa, Takeo Koizumi and Kikuo Nojiro
繊維学会誌(1998) 54 ( 1 ) 18 - 25 1998年01月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
野生酵母Candida curvata AN723から2つの異なるアゾリダクターゼの分離精製を行い、これらを1、2とし酵素化学的性質を検討した。至適pHは5.5-6.0と同様であったが、分子量はアゾリダクターゼ1が47000Da、2は56000Da、また至適温度、等電点、安定性などはやや異なったが、いずれも既報のアゾリダクターゼとは異なり、 新規酵素であることが明らかとなった。
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清酒香気成分添加の香味への影響
吉沢淑、鈴木大介、進藤 斉、角田潔和、小泉武夫
日本醸造学会誌(1997) 92 ( 3 ) 217 - 223 1997年03月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
清酒の主要な香気成分をモデル清酒に添加し、その酒質への影響をプロファイル法を用いた官能評価法により調べた結果、エステルや高級アルコール、ソトロンなどの添加ではモデル清酒の上立ち香や含み香を増強させたがパルミチン酸エチルは上立ち香を低下させた。また香気成分添加は、呈味にも影響し、酢酸イソアミルは甘みを酢酸フェネチルは酸味を顕著にした。また2種物質混合 の場合は香味は複雑となった。
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中国の発酵ハム「金華火腿」から分離した糸状菌の同定及び酵素活性 査読あり
和久豊、角田潔和*、進藤 斉*、小泉武夫*
日本食品科学工学会誌(1996) 43 ( 7 ) 796 - 805 1996年10月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
中国浙江省金華産の発酵ハムである金華火腿より糸状菌を分離同定し、酵素活性を測定した。分離菌はPenicillum属とAspergillus属で構成されており、それぞれ9種、8種の計17種で構成されていた。火腿は水分活性が低いため、これらの属が選択的に生育し、主として蛋白質分解はAspergillus属が、脂質の分解はPenicillium属が主体と思われた。
㈱ビオック、*は東京農大醸造 -
アルギナーゼ活性を有する乳酸菌とアルギナーゼの性質 査読あり
吉沢淑、服部一成、進藤 斉、角田潔和、小泉武夫
日本醸造学会誌 (1995) 90 ( 12 ) 953 - 958 1995年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
育成中の生酒母から乳酸菌を分離し、その性質を調べたところ、酸性アルギナーゼを有する株を分離し、Lactobacillus sakeと同定し、KA-2と付番した。KA-2は酒母中のアルギニンを分解し、尿素を生成した。本株は、30℃培養ではアルギナーゼ活性はなく、10℃培養の時には酸性アルギナーゼ活性を有することを明らかにした。
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中国の発酵ハム”金華火腿”の一般成分・アミノ酸・5'-ヌクレオチド及び微生物相 査読あり
和久豊、角田潔和*、進藤 斉*、小泉武夫*
日本食品工業学会誌(1995) 41 ( 12 ) 921 - 926 1995年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
中国の発酵ハムである金華火腿の成分分析及び微生物の分離を行った。水分は23.9%と低く、蛋白質23.7%、脂質44.3%であった。遊離のグルタミン酸が464mg/100gと多く、またイノシン酸も対照の4倍と多かった。表面より分離した微生物は糸状菌が最も多く、次いで細菌、バクテリアの順であった。またマイコトキシン類は検出されなかった。
㈱ビオック、*は東京農大醸造 -
低精米歩合の白米溶解に及ぼすカルシウムイオンの役割 査読あり
堀江修二、土佐典照、進藤 斉*、角田潔和*、小泉武夫*
日本醸造学会誌(1995) 90 ( 1 ) 51 - 56 1995年01月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
精米歩合35%の低精米の白米の洗米浸漬水中のカルシウム吸着について検討した。洗米浸漬水にα-amylaseを含む蒸留水、Ca加工水、Ca量の異なる井水を用い、乳酸緩衝液中での白米Ca量吸着とその蒸米溶解性から検討した。蒸留水浸漬では米中のCaは流出したが、Ca加工水では、米中のCa量が増加した。洗米水中にCaを多く含む場合、その蒸米の溶解性が良く電顕観察でも多孔質が確認できた。
島根県工技センター、*東京農大醸造 -
琵琶湖産ブラックバス(Micropterus salmoides)およびブルーギル(Lepomis macrochirus)の魚肉蛋白分解有効な麹菌のスクリーニングとその分解成分について 査読あり
進藤 斉、角田潔和、吉沢淑、小泉武夫
東京農業大学農学集報 39 ( 1 ) 21 - 26 1994年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
琵琶湖に棲息する外来魚であるブラックバス、ブルーギルは、在来魚種の稚魚を補食するため害魚として嫌われ、また食用にはほとんどされておらず、湖の生態系を破壊し問題となっている。そこでこれらの魚の有効利用を目的に魚肉蛋白質分解に有効な麹菌のスクリーニングを32株を用いて行い、最終的にAspergillus oryzae AOK 87を選抜した。米糠1%を添加し、魚肉を50%濃度で用 いた分解液は、魚臭もなく、アミノ酸に富む、旨味を有するものであった。
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清酒醪の発酵温度とアミノ酸の動向(清酒醪の発酵温度と酒質の関係)(第1報) 査読あり
進藤 斉、角田潔和、吉沢淑、小泉武夫
日本醸造学会誌,(1994) 89 ( 1 ) 65 - 71 1994年01月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
清酒醪の発酵温度とアミノ酸について協会7号酵母で温度以外は同条件の仕込を行い検討した。低温醪の製成酒では、高温に比べ、酵母が取り込み易いアミノ酸であるLys,Metが構成比として少なく、醪の発酵温度はアミノ酸組成に影響しないという従来説と異なった。また低温醪ではMetは醪期間中、含量がほぼ一定であった。そこで醪中の酵母の菌体内アミノ酸組成を検討したところ低温では含硫アミノ酸であるCysが構成として多く、低温醪における硫化臭の発生との関与が示唆された。