論文 - 内山 智裕
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飲食店との連携による農産物直売所の発展可能性―三重県における飲食店アンケート調査から― 査読あり
清水歩美・内山智裕著
『農業・食料経済研究』(中部農業経済学会) 58 ( 2 ) 12 - 19 2012年08月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,三重県四日市市を対象として,地元飲食店アンケートを実施し,飲食店による地場農産物の活用,直売所の利用実態と今後の可能性を検証した.その結果、①対象地域では,多くの飲食店で地場農産物が使用され,調達先として直売所の果たす役割も大きいこと,②地場農産物を使用したメニューの提供が飲食店の営業上のメリットにつながるかは,意見が分かれることなどを示した。
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米国における農業経営継承支援事業の実態分析-米国アイオワ州の事例からの含意析出- 査読あり
甲斐理紗・内山智裕著
『農業経営研究』(日本農業経営学会) 49 ( 3 ) 133 - 138 2011年12月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
農林水産省が実施している「農業経営継承事業」の先行事例である米国アイオワ州のプログラムの今日的実態を明らかにした。①アイオワでのマッチング事例のうち,継承の完了に至る事例が少ない実態への評価の問題,②マッチングを支援する人材の問題,③継承方式・継承計画策定の支援をいかに行うかという問題、の3点を解決することが、第三者継承の進展に不可欠であることを示した。
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北米における穀物集荷業者の動向と展望―米国アイオワ州における穀物エレベーター調査から― 査読あり
内山智裕・西嶋亜矢子著
『農業経営研究』(日本農業経営学会) 49 ( 3 ) 1 - 11 2011年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本論では,米国アイオワ州における穀物流通業者30社に対する聞き取り調査から、以下を明らかにした。①同州における事業シェアは,農協系の比率が極めて高い。②穀物の販売先には系列別の特徴が強く出ているが,具体的な消費国や最終用途までは認識されていない。③多くの業者では集荷段階でIPハンドリングを行っていない。④日本企業はアイオワの集荷業者の間で存在感を持たない。
DOI: 10.11300/fmsj.49.3_1
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米国における外国企業の農地取得規制の現状と含意 査読あり
内山 智裕
『農林業問題研究』(地域農林経済学会) 47 ( 1 ) 72 - 77 2011年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
米国において,外国人・外国企業による農地・林地の取得は連邦レベルで報告義務が課され,州レベルでさらに厳格な取得制限が課されている所がある。本論では各州の州法を分析し,面積制限,企業の取得制限,国籍制限といった形で制限されていること,また公有地では取得そのものを制限する法律が存在することを明らかにした。我が国の農地を適切に管理する際に、米国の制度は参考にすべきであることを導いた。
DOI: 10.7310/arfe.47.72
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企業の農業参入の論理と課題 招待あり
内山 智裕
『農業・食料経済研究』(中部農業経済学会) 57 ( 1 ) 1 - 9 2011年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
企業の農業参入の動向整理および調査結果等を踏まえて,企業の農業参入の論理として以下の5点を指摘した。①当該品目の希少性,②調達できないときの損失,③調達先分散のメリット,④全社的な収益向上,⑤自社資源の有効活用、である。これらの要因が複合的に作用することによって,企業が農業生産に進出する論理が発生するとした。
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農業における「企業経営」と「家族経営」の特質と役割 招待あり
内山 智裕
『農業経営研究』(日本農業経営学会) 48 ( 4 ) 36 - 45 2011年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本論では,企業経営と家族経営には厳格な境界線は存在しないこと,米国では,家族経営の定義が議論されており,定義を変更すれば網羅する範囲が大きく異なること,一般的にみられる経営形態としてファミリーにより何らかの形で所有されている企業に着目し,その抱えるガバナンスや経営継承といった問題の克服を探求するファミリービジネス論を農業経営に適用することが農業経営学としても重要であることを明らかにした。
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Tomohiro UCHIYAMA, Pittaya SRUAMSIRI and Chantaree JARUPANTHU著
『三重大学大学院生物資源学研究科紀要』(三重大学大学院生物資源学研究科) 37 19 - 30 2011年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本論では,タイ産生鮮パイナップルの対日輸出拡大の可能性を探るべく,消費者に対するアンケート調査、パイナップル市場に関する統計、専門誌レビューによる整理分析を行った。①消費者はタイ産「ベビーパイナップル」の食味を概ね評価している,②生鮮パイナップル流通では一部企業による寡占構造にあり,シェア拡大にはこれらの企業と提携が重要となることを明らかにした。
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農業法人の経営成長の影響要因―全国農業法人アンケートの分析から― 査読あり
木下幸雄・木村伸男・金岡正樹・李哉泫・内山智裕著
『農業経済研究』(日本農業経済学会), 2010年度別冊 46 - 53 2010年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,全国の農業法人を対象としたアンケート調査をもとに、経営成長に影響を与える要因について検討した。法人が設立された後,比較的順調な経営成長がみられるものの、一定期間後に経営の停滞・低迷、いわば「息切れ」局面があり、この局面をいかに乗り切るかが経営成長の達成に不可欠であることを示した。
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イギリスにおける農業経営請負会社の現状分析―イングランド南西部V社の事例― 査読あり
内山 智裕
『農業経済研究』(日本農業経済学会), 2010年度別冊 344 - 349 2010年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
非家族型の土地利用型農業の経営実態,特にファーム・マネジャーの実態解明をすべく、イギリスにて農業経営の請負を行う大規模経営の事例分析を行った。その結果,地権者も一定程度の経営参画を行いながら,経営の主要部分を請け負う農業経営サービスに対する需要は今後とも高まると予想され、イギリスのファーム・マネジャーのような人材を我が国でも確保・育成することで,我が国の農業経営にも変革をもたらす可能性を指摘した。
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東海地域における公共牧場の運営実態と今後の課題―市町村合併の影響を中心に― 査読あり
近藤健司・内山智裕著
『農業・食料経済研究』(中部農業経済学会) 56 ( 2 ) 27 - 37 2010年08月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,東海地域を代表する岐阜県の2つの公共牧場の事例分析から,以下を析出した。運営実態として,牧場利用率の点では有効利用が達成されているが,市町村合併や地方財政問題などの状況変化が影響を与えている。特に市町村合併は公共牧場の広域利用の点ではプラスの効果があるが,公共牧場向けの予算削減など合併後の畜産振興施策が負の影響をもたらす可能性を明らかにした。
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イギリスにおける外国人季節農業雇用の制度変化と課題 査読あり
内山 智裕
『農林業問題研究』(地域農林経済学会) 46 ( 1 ) 104 - 109 2010年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
イギリスの外国人季節農業労働者計画(SAWS)は,海外からの労働者を短期の農業労働に従事させる割当制度である。SAWSは2006年に応募資格を変更し,以前は学生であることが必要であったが、ブルガリア人またはルーマニア人であることが新たな要件となった。本研究では,SAWS運営団体2つにインタビュー調査を行い,2006年以降は,年齢や知識の面で労働の質の低下が起こっていることを明らかにした。
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『リサイクルループ野菜』に対する消費者の認識―愛知県・三重県におけるアンケート調査から― 査読あり
勝谷亜希子・内山智裕著
『農業経済研究』(日本農業経済学会), 2009年度別冊 461 - 466 2009年12月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
食品リサイクル法が推進する食品資源の再生利用(リサイクルループの構築)の成否を握るのは消費者であるとの問題意識から,小売店舗で販売されている『リサイクルループ野菜』に対する消費者の認識を,アンケート調査に基づき分析した.その結果、消費者は概ね好意的に捉えている一方、その栽培方法などは必ずしも正確に理解していないことが明らかになった。
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企業的家族経営における戦略的提携による経営発展の可能性―畜産分野を対象として― 査読あり
谷口昌史・内山智裕著
『農業経済研究』(日本農業経済学会), 2009年度別冊 144 - 149 2009年12月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
肉用牛肥育経営における企業的家族経営に焦点を当て、従来の内部発展・内部開発の議論とは異なる展開方向として他経営との「戦略的提携」の有効性を検証した。「戦略的提携」により家族労働力を中心とした形での規模拡大・事業多角化を実現する戦略は,決して大規模とはいえない畜産経営の経営者が,そのリスク選好に応じた経営発展を図るオプションの1つとして評価できることを明らかにした.
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米国の穀作農業における生産契約の現状分析―アイオワ州のトウモロコシ種子生産契約を事例として―, 査読あり
内山 智裕
『農業経済研究』(日本農業経済学会) 583 - 590 2009年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
企業と農業の関係は,農地取得のみならず,多様な参入方式を踏まえて把握されるべきものであることから,本論では米国の穀作農業における生産契約をめぐる法規制や契約実態を分析した.①穀作における生産契約は,それほど普及していないこと,②穀作の中で生産契約が進展している種子生産では,生産者と種子会社間で何らかの問題が生じた場合に生産者に不利な結果をもたらす可能性は否定できないこと,などを明らかにした。
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Contribution of Homestead Vegetable Farming to the Social Wellbeing of Rural Bangladeshis 査読あり
Islam, N. and Uchiyama, T.著
『農林業問題研究』(地域農林経済学会) 45 ( 2 ) 243 - 247 2009年09月
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,バングラデッシュの貧困層が生活を改善するために小面積の土地を活用して家庭菜園を確立する方法について考察を行った。調査結果によれば,家庭菜園は農村部の人々に食料の供給・現金所得の確保や雇用の創出などを通じて貧困を削減する重要な役割を果たすことが明らかになった。
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食品小売業を核とした連携型リサイクルループ構築の現状と課題―愛知県を事例として― 査読あり
内山 智裕
『農林業問題研究』(地域農林経済学会) 45 ( 1 ) 149 - 154 2009年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,大手食品小売業による食品リサイクルループ構築の課題を明らかにした。食品残渣を堆肥化し,農業生産に利用し,排出元の小売店舗で生産物を販売する取組み事例では、①農協が堆肥の質を保つこと,②小売店が高価格で買い取り販売することなどが成功要因として挙げられた一方,リサイクル発展のためには,より多様な残渣由来の堆肥を適切に利用する技術や農産物の販売方法の変更が必要であることを明らかにした。
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LLP・LLCの活用による人材育成と農業経営の発展
内山 智裕
『日本の農業-あすへの歩み-』 242 1 - 70 2009年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
LLP, LLCの農業経営への適用事例から、以下の諸点を明らかにした。①組織の運営ルールをそれぞれの経営の状況に応じてカスタマイズできるという点で,より農業経営に合致した組織形態であること,②LLPの組合契約やLLCの定款は,主体的なルール作りが必要であり、農業従事者に対してより主体的な農業経営へのかかわりを促すものであること,③「家族経営協定」との有機的連携の可能性が高いことを明らかにした。
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資源循環視点からの企業の農業参入の現状と課題―食品リサイクル法改正による参入促進の可能性― 査読あり
内山智裕・長屋祐一著
『農林業問題研究』(地域農林経済学会) 44 ( 1 ) 204 - 209 2008年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
食品資源循環の観点からいえば,企業の農業参入は,食品企業のような「動脈」だけでなく,リサイクル業などの「静脈」にも注目する必要があるとの問題意識から、三重県内の廃棄物処理業による農業参入事例の分析を行った。生ゴミから堆肥を生成する廃棄物処理業者が農業生産に進出する論理として、たい肥の利用先確保だけでなく、本業にもメリットがあることを明らかにした。
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家族農業経営におけるLLC適用の意義-家族経営協定に注目して- 査読あり
内山 智裕
『農業経営研究』(日本農業経営学会) 46 ( 1 ) 107 - 112 2008年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究では,新たな事業形態LLC・LLPの持つ共同事業性などに鑑みて,家族経営におけるLLC・LLPの適用の意義を考察した。福井県における事例分析より,①LLCは,組織の運営ルールを経営の状況に合わせて設計できるという点で,株式会社や旧来の有限会社より家族農業経営に合致した組織形態であること,②「家族経営協定」との連携可能性を持つことを明らかにした。
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Dimensions of Intergenerational Farm Business Transfers in Canada, England, USA and Japan 査読あり
Uchiyama,T., Lobley, M., Errington, A. and Yanagimura, S.著
Japanese Journal of Rural Economics (日本農業経済学会英文誌) 79 ( 5 ) 33 - 46 2008年04月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
農業経営継承の国際比較調査に基づき,後継者確保後の経営継承プロセスに注目し,農業経営者の引退行動,権限移譲の進行に、後継者の行動がいかなる影響を与えるかを中心に分析を行った。その結果、経営継承には普遍性と国別の固有性があることが確認され、日本の後継者確保率は他国と同様の傾向を示す一方、経営管理領域別の権限移譲の序列には固有性を有することを明らかにした。