論文 - 伊藤 晋作
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Antifungal activity of alkyl gallates against plant pathogenic fungi. 査読あり
Ito S, Nakagawa Y, Yazawa S, Sasaki Y, Yajima S.
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 24 ( 7 ) 1812 - 1814 2014年04月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
没食子酸エステル誘導体の植物病原菌に対する効果を検討した。他の病原菌への効果を同様に、没食子酸エステル誘導体は炭素鎖が長くなる程活性が上昇していた。また、植物病原菌の1つであるFusarium solaniのミトコンドリア呼吸鎖複合体の活性を測定したところ没食子酸エステルは呼吸鎖複合体IIを阻害していることが明らかとなった。さらにその阻害活性は抗真菌活性と同様に炭素鎖が長くなる程強くなっていた。
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Brassinosteroids control root epidermal cell fate via direct regulation of a MYB-bHLH-WD40 complex by GSK3-like kinases. 査読あり
Cheng Y, Zhu W, Chen Y, Ito S, Asami T, Wang X.
Elife 3 02525 2014年04月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
シロイヌナズナにおいて根毛細胞と非根毛細胞への分化はMYB-bHLH-WD40転写因子複合体によって決定される。ブラシノステロイドは根毛の分化を制御することが知られているが、そのメカニズムは明らかとなっていない。そこでブラシノステロイド関連変異体を用いて根毛の形質を観察することで、ブラシノステロイドはGSK3様キナーゼを介して根毛への分化の決定を行っていることを明らかにした。
DOI: 10.7554/eLife.02525
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D14-SCFD3-dependent degradation of D53 regulates strigolactone signalin. 査読あり
Zhou F, Lin Q, Zhu L, Ren Y, Zhou K, Shabek N, Wu F, Mao H, Dong W, Gan L, Ma W, Gao H, Chen J, Yang C, Wang D, Tan J, Zhang X, Guo X, Wang J, Jiang L, Liu X, Chen W, Chu J, Yan C, Ueno K, Ito S, Asami T, Cheng Z, Wang J, Lei C, Zhai, H Wu C, Wang H, Zheng N, Wan J.
Nature 504 ( 7480 ) 406 - 410 2013年12月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトンは近年見いだされたカロテノイド由来植物ホルモンであり植物形態の制御に重要な役割を担っている。しかし、これまでにストリゴラクトンの受容及びシグナル伝達機構に関しては明らかとなっていなかった。今回、枝分かれ過剰変異体であるd53変異体の原因遺伝子を解析することで、D53タンパク質がストリゴラクトン受容体と考えられているD14タンパク質とストリゴラクトン依存的に結合し、その後分解されるというストリゴラクトン受容後のシグナル伝達機構が明らかとなった。
DOI: 10.1038/nature12878
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Molecular mechanism of strigolactone perception by DWARF14. 査読あり
Nakamura H, Xue YL, Miyakawa T, Hou F, Qin HM, Fukui K, Shi X, Ito E, Ito S, Park SH, Miyauchi Y, Asano A, Totsuka N, Ueda T, Tanokura M, Asami T
Nature Communications 4 2613 2013年10月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトンは枝分かれを制御する植物ホルモンである。ストリゴラクトンの情報伝達にはD14と呼ばれるα/β-hydrolaseに分類されるタンパク質が重要であることが知られている。今回、D14がジベレリンシグナルの抑制因子であるSLR1タンパク質とストリゴラクトン依存的に結合していること、D14タンパク質がストリゴラクトン分解酵素として機能していることを示し、D14タンパク質とストリゴラクトン分解物である5-hydroxy-3-methylbutenolideとの共結晶を取得し、ストリゴラクトンの受容機構の一端を明らかにした。
DOI: 10.1038/ncomms3613
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Tebuconazole derivatives are potent inhibitors of strigolactone biosynthesis 査読あり
Ito S, Umehara M, Hanada A, Yamaguchi S, Asami T.
Journal of Pesticide Science 38 ( 3 ) 147 - 151 2013年08月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトン生合成阻害剤のリード化合物を既知のP450阻害剤からスクリーニングした。その結果テブコナゾールをリード化合物として見いだすことが出来た。またテブコナゾールを構造展開した結果、よりストリゴラクトン生合成阻害活性が強く、副作用の弱い化合物を取得することが出来た。
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Effects of strigolactone-biosynthesis inhibitor TIS108 on Arabidopsis 査読あり
Ito S, Umehara M, Hanada A, Yamaguchi S, Asami T.
Plant Signaling & Behavior 8 ( 5 ) e24193 2013年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトン生合成阻害剤であるTIS108のシロイヌナズナに対する効果を検討した。TIS108は枝分かれの促進、根毛伸長の抑制等ストリゴラクトン生合成変異体と同様の形態を誘導することが明らかとなった。加えてその形態は合成ストリゴラクトンであるGR24処理によって回復した。また、TIS108処理によってストリゴラクトン生合成酵素遺伝子であるMAX3及びMAX4の発現量が上昇していた。以上の結果からTIS108はシロイヌナズナにおいてもストリゴラクトン生合成阻害剤として作用することが明らかとなった。
DOI: 10.4161/psb.24193
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Selective mimics of strigolactone actions and their potential use for controlling damage caused by root parasitic weeds 査読あり
Fukui K, Ito S, Asami T.
Molecular Plant 6 ( 1 ) 88 - 99 2013年01月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
新規ストリゴラクトンミミックの活性評価を行った。4-Br debranoneはストリゴラクトン生合成変異体イネおよびシロイヌナズナの枝分かれを抑制するものの、ストリゴラクトン情報伝達変異体の枝分かれを抑制しないこと、枝分かれだけでなく、根毛伸長の促進や根寄生雑草の発芽促進、ストリゴラクトン応答遺伝子の発現を制御することから、4-Br debranoneはストリゴラクトンミミックとして機能することが明らかとなった。
DOI: 10.1093/mp/sss138
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New branching inhibitors and their potential as strigolactone mimics in rice. 査読あり
Fukui K, Ito S, Ueno K, Yamaguchi S, Kyozuka J, Asami T.
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 21 ( 16 ) 4905 - 4908 2011年08月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトン生合成変異体d10変異体の第二分けつ伸長を抑制する化合物をスクリーニングした結果、CPMFを得た。CPMFを構造展開した結果、4-bromo-debranoneが最も強い活性を示し、ストリゴラクトン生合成変異体であるd10変異体の第二分げつ伸長は抑制するが、ストリゴラクトン情報伝達変異体であるd3及びd14変異体の第二分げつ伸長は抑制しないことから、4-bromo-debranoneはストリゴラクトンミミックとして作用する可能性が明らかとなった。
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Effects of triazole derivatives on strigolactone levels and growth retardation in rice. 査読あり
Ito S, Umehara M, Hanada A, Kitahata N, Hayase H, Yamaguchi S, Asami T.
PLoS One 6 ( 7 ) e21723 2011年07月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトン生合成阻害剤であるTIS13の構造展開とその活性評価を行った。TIS13はイネのストリゴラクトン内生量を減少させるが、ストリゴラクトン生合成変異体では観察されない矮化作用も有していた。そこでTIS13をリード化合物として構造展開を行い、その活性評価結果から特異的阻害剤TIS108をデザインした。TIS108はイネにおいてストリゴラクトン内生量をTIS13よりも100倍低濃度でも減少させた。一方矮化はほとんど示さず、TIS108が新規ストリゴラクトン生合成阻害剤であることが明らかとなった。
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Abamine as a basis for new designs of regulators if strigolactone production. 査読あり
Kitahata N*, Ito S*, Kato A, Ueno K, Nakano T, Yoneyama K, Yoneyama K, Asami T.
Journal of Pesticide Science 36 ( 1 ) 53 - 57 2011年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
アブシジン酸生合成阻害剤であるアバミンがストリゴラクトン生合成を阻害することを明らかとした。アバミンはアブシジン酸生合成経路における酵素NCEDの阻害剤である。ストリゴラクトン生合成酵素にはNCEDとよく似た酵素であるCCD7及びCCD8があることが知られているため、アバミンのストリゴラクトン生合成に対する影響を評価した。アバミン処理した植物はストリゴラクトン内生量を減少させ、根寄生植物の発芽を抑制したことから、アバミンはストリゴラクトン生合成阻害剤として作用している可能性が明らかとなった。
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A new lead chemical for strigolactone biosynthesis inhibitors. 査読あり
Ito S, Kitahata N, Umehara M, Hanada A, Kato A, Ueno K, Mashiguchi K, Kyozuka J, Yoneyama K, Yamaguchi S, Asami T.
Plant & Cell Physiology 51 ( 7 ) 1143 - 1150 2010年07月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ストリゴラクトン生合成阻害剤のスクリーニング及びその活性評価を行った。ストリゴラクトン生合成経路中にはP450が関わっていることが知られていることから、P450を阻害しうるトリアゾールを有する化合物ライブラリーよりスクリーニングを行った。その結果、ストリゴラクトン欠損変異体様の形態を示す化合物としてTIS13を得ることができた。TIS13はストリゴラクトン内生量を阻害し、寄生植物の発芽を抑制することからTIS13はストリゴラクトン生合成阻害剤であることが明らかとなった。
DOI: 10.1093/pcp/pcq077
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Structural factors contributing to the Abl/Lyn dual inhibitory activity of 3-substituted benzamide derivatives. 査読あり
Horio T, Hamasaki T, Inoue T, Wakayama T, Itou S, Naito H, Asaki T, Hayase H, Niwa T.
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17 ( 10 ) 2712 - 2717 2007年05月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
3-substituted benzamide誘導体がAblやLynのリン酸化活性を阻害する作用機序を明らかにするためにAbl, Lynのリン酸化活性のこれらの化合物による阻害効果を確認した。加えてAblとINNO-406との結晶構造を参考にして分子モデリングを行った結果、これら一連化合物はAbl, Lynとよく似た様式で結合し、効率的に阻害していることを明らかとした。以上の結果からINNO-406及びその誘導体はAblやLynを原因としたガンの治療に有効である可能性が示唆された。
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In vivo antiproliferative effect of NS-187, a dual Bcr-Abl/Lyn tyrosine kinase inhibitor, on leukemic cells harbouring Abl kinase domain mutations. 査読あり
Naito H, Kimura S, Nakaya Y, Naruoka H, Kimura S, Ito S, Wakayama T, Maekawa T, Hirabayashi K.
Leukemia Research 30 ( 11 ) 1443 - 1446 2006年11月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
イマチニブ非感受性慢性骨髄性白血病患者の多くはAblタンパク質のキナーゼ領域に変異を有している。変異Bcr-Ablに対しても効果のある阻害剤NS-187のin vitro及びin vivoでの活性評価を行った。NS-187はin vitroにおいて多くの変異Bcr-Ablの活性を阻害した。加えて変異Bcr-Ablを発現する白血病細胞を注入したマウスにNS-187を投与すると、in vitroの結果と同様の効果が得られた。以上の結果よりNS-187はイマチニブ非感受性慢性骨髄性白血病の治療薬となりうることが明らかとなった。
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AtFLA11, a fasciclin-like arabinogalactan-protein, specifically localized in sclerenchyma cells. 査読あり
Ito S, Suzuki Y, Miyamoto K, Ueda J, Yamaguchi I.
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 69 ( 10 ) 1963 - 1969 2005年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
シロイヌナズナに存在する48のアラビノガラクタンタンパク質の発現解析をおこなった。その結果、花茎においてAtFLA11遺伝子が主要に発現していることが明らかとなった。より詳細に発現部位を検討したところ、AtFLA11は花茎の他に長角果でも強く発現しており、二次細胞壁を形成する細胞で発現していた。発現時期も二次細胞壁形成に先立って発現していることから、AtFLA11は二次細胞壁形成に重要な役割を果たす可能性が考えられた。
DOI: 10.1271/bbb.69.1963
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Preparation of functional single-chain antibodies against bioactive gibberellins by utilizing randomly mutagenized phage-display libraries. 査読あり
Suzuki Y, Ito S, Otsuka K, Iwasawa E, Nakajima M, Yamaguchi I.
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 69 ( 3 ) 610 - 619 2005年03月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
活性型ジベレリンに対する一本鎖抗体のスクリーニングを行った。活性型ジベレリンに反応するモノクローナル抗体である8/E9及び21/D13のscFvはGA4を認識しなかったことから、これらの領域にランダムに変異を加えた。GA4をBSAに固定し、それを用いて変異scFvの結合活性を評価した結果、活性型GAに対する一本鎖抗体を取得することができた。
DOI: 10.1271/bbb.69.610