論文 - 坂田 洋一
-
ABSCISIC ACID INSENSITIVE3 regulates abscisic acid-responsive gene expression with the nuclear factor Y complex through the ACTT-core element in Physcomitrella patens 査読あり
I. Yotsui, M. Saruhashi, T. Kawato, T. Taji, T. Hayashi, R.S. Quatrano, Y. Sakata
New Phytologist 199 101 - 109 2013年04月
担当区分：責任著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
植物固有の転写因子であるABI3は植物細胞の脱水耐性に重要な働きを持つ。本論文では、ヒメツリガネゴケABI3の転写活性化機構について分子生物学的解析を行った。その結果、ABI3はプロモーター上のACTTコア配列を標的配列としていることを明らかにした。その上で、ABI3と相互作用する因子としてCCAAT結合タンパク質NF-YCを同定し、NF-YC/NF/YB/ABI3が協調的にABA応答性遺伝子の転写活性化を行っていることを明らかにした。
DOI： 10.1111/nph.12251
-
HsfA1d, a Protein Identified via FOX Hunting Using Thellungiella salsuginea cDNAs Improves Heat Tolerance by Regulating Heat-Stress- Responsive Gene Expression 招待あり 査読あり
Y. Higashi, N. Ohamab, T. Ishikawaa, T. Katori, A. Shimura,K. Kusakabe, K. Yamaguchi-Shinozaki, J. Ishida, M. Tanaka, M. Seki, K. Shinozaki, Y. Sakata, T. Hayashi, T. Taji
Molecular Plant 6 411 - 422 2013年02月
記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
塩性植物Thellungiella salsugineaは耐塩性のみならず、低温、高温、酸化ストレス等の非生物的ストレスに対して高い耐性を有する。Thellungiella salsugineaから調製した完全長cDNAライブラリーを用いて、個々の遺伝子を過剰発現した形質転換体を作出するFOXハンティングを行い、新規の耐熱性付与遺伝子として熱ショックタンパク質の一種であるHsfA1dを同定した。
DOI： 10.1093/mp/sst024
-
A novel abi5 allele reveals the importance of the conserved Ala in the C3 domain for regulation of downstream genes and salt tolerance during germination in Arabidopsis. 査読あり
Kenji Tezuka, Teruaki Taji, Takahisa Hayashi, and Yoichi Sakata
Plant Signal Behav 8 ( 3 ) e23455 2013年01月
担当区分：責任著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
シロイヌナズナを用いた耐塩性変異株のスクリーニングにより、ABAシグナル伝達系において働く転写因子ABI5の新規アリルを単離した。このabi5-9アリルでは、GroupA bZIPに広く保存されるC3領域において214番目のAlaがGlyに置換が起こっていた。abi5-9タンパク質はABI3との物理的相互作用が減少していたことから、214番目のAlaがABI3との相互作用に重要な役割を持つことが示唆された。
DOI： 10.4161/psb.23455
その他リンク： http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3607608/
-
Analyses of leaves from open field-grown transgenic poplars overexpressing xyloglucanase 査読あり
8. T. Kaku, K. Baba, T. Taniguchi, M. Kurita,K. Konagaya, K. Ishii, T. Kondo, S. Serada,H. Iizuka, R. Kaida, T. Taji, Y. Sakata, T. Hayashi
J Wood Sci 58 281 - 289 2012年02月
記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
Aspergillusのキシログルカナーゼ、AaXEG2を過剰発現させたポプラを野外試験にて評価した。キシログルカン量は肥料を与えない土壌で15-16%の低下、肥料を与えた土壌では21-22%の低下を示した。トランスジェニックポプラの葉は、野生型の葉と比較して、小さく、濃い緑色を示した。小さくなった原因としては複数種類のタンパク質量が減少していることと考えられた。
-
Cold acclimation in the moss Physcomitrella patens involves abscisic acid-dependent signaling. 査読あり
Salma Begum Bhyan, Anzu Minami, Yasuko Kaneko, Shingo Suzuki, Keita Arakawa, Yoichi Sakata, and Daisuke Takezawa
J Plant Physiol 169 137 - 145 2012年
記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
越冬する陸上植物は、一定期間の低温に曝されることにより凍結耐性を獲得する。この低温馴化における植物ホルモンアブシジン酸(ABA)の役割を明らかにするために、低温馴化能を示す基部陸上植物ヒメツリガネゴケのABA非感受性株を用いて解析した。その結果、ABA非感受性株の低温馴化能は著しく低下していることが示された。ABA非感受性株では、可溶性糖の蓄積は野生型株と同レベルであったが、親水性タンパク質(LEA)の蓄積が減少していた。このことから、ABAは低温馴化プロセスにおいてLEA遺伝子の発現に重要であることが示唆された。
-
ABA in bryophytes: how a universal growth regulator in life became a plant hormone? 招待あり 査読あり
Daisuke Takezawa, Kenji Komatsu, and Yoichi Sakata
J Plant Res 124 ( 4 ) 437 - 453 2011年
担当区分：責任著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
近年のゲノム解読技術の進展を受けて、様々な植物種のゲノム情報が明らかになりつつある。植物の陸上化とABAシグナル伝達系の進化プロセスの関連性を明らかにするため、最新のゲノムデータを用いてABA合成・およびシグナル伝達に関連する遺伝子群を調査・比較した。その結果、ABA合成とシグナル伝達系の鍵遺伝子は陸上植物に特異的であることを示し、植物の陸上化にABA遺伝子群の進化が重要な役割を果たしたことを示唆した。
-
Evolutionarily conserved regulatory mechanisms of abscisic acid signaling in land plants: Characterization of ABSCISIC ACID INSENSITIVE1-like type 2C protein phosphatase in the liverwort Marchantia polymorpha
K. Tougane, K. Komatsu, S. B. Bhyan, Y. Sakata, K. Ishizaki, K. T. Yamato, T. Kohchi, D. Takezawa
Plant Physiology 152 1529 - 1543 2010年03月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
ゼニゴケ (Marchantia polymorpha)の無性芽は葉状体と異なり、ABAに鋭敏に応答することを明らかにし、ゼニゴケからABI1型PP2C遺伝子を単離した。世界で初めてゼニゴケにおける一過的発現系を構築し、このPP2C遺伝子がABA応答の負の制御因子として機能することを明らかにし、今まで懐疑的に見られていた苔類におけるABA応答系を分子レベルで初めて示した。
-
Dissecting the genetic control of natural variation in salt tolerance of Arabidopsis thaliana accessions 査読あり
T. Katori, A. Ikeda, S. Iuchi, M. Kobayashi, K. Shinozaki, K. Maehashi, Y. Sakata et al
Journal of Experimental Botany 61 1125 - 1138 2010年02月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
モデル植物であるシロイヌナズナは世界各地に自生し、それぞれの環境に適応したエコタイプ（accession）が収集、解析されている。自然界における塩ストレス耐性の分子機構を明らかにするため、シロイヌナズナのaccession344種の耐塩性を評価したところ、塩馴化能に優れたaccessionを発見した。遺伝学的解析から、この塩馴化能は優性1因子の支配であることが明らかになり、詳細なマッピングにより、その因子は第5染色体下腕部18.5Mbpの領域に位置することを明らかにした。
-
Role of ABA and ABI3 in desiccation tolerance 査読あり
A. Khandelwal, S. H. Cho, H. Marella, Y. Sakata, P.-F. Perroud, A. Pan, R. S. Quatrano
Science 327 546 2010年01月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
種子の脱水耐性獲得に必須である植物ホルモンアブシジン酸（ABA）と転写因子ABI3のコケ植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)における役割を、遺伝子ターゲティング技術によりABI3欠損株を作出し、解析を行った。その結果、ABI3欠損株はABA誘導性の脱水耐性を完全に欠損することが明らかとなり、ABI3がコケ植物の乾燥耐性にも必須であることを示した。以上のことから、脱水耐性機構が陸上植物の進化を超えて保存されていることを示唆した。
-
Regulation of the ABA-responsive Em promoter by ABI3 in the moss Physcomitrella patens: role of the ABA response element and the RY element 査読あり
Y. Sakata, I. Nakamura, T. Taji, S. Tanaka, R. S. Quatrano.
Plant Signaling & Behavior 5 1061 - 1066 2010年
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
モデル植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)において、シロイヌナズナABI3とヒメツリガネゴケABI3によるABA応答性プロモーターの活性化機構を比較し、両ABI3はRY配列を介した転写活性化能を有するが、シロイヌナズナABI3はABRE依存的にプロモーターを転写活性化し、ヒメツリガネゴケABI3にはない機能を有することが明らかとなった。以上の結果から、ABI3によるABA 応答性遺伝子の発現制御機構に関して進化的な知見を得た。
-
Role of PP2C-mediated ABA signaling in the moss Physcomitrella patens 査読あり
Y. Sakata, K. Komatsu, T. Taji, S. Tanaka
Plant Signaling & Behavior 4 887 - 889 2009年09月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
モデル植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)において、シロイヌナズナABI1の変異型(abi1-1)を過剰発現させABA非感受性となったヒメツリガネゴケにおいて茎様体や造卵器の発達に異常が起こることを見出し、ABAシグナル伝達がコケ植物のストレス応答のみならず、通常環境下における発達制御に関与することを示した。
-
Functional analyses of the ABI1-related protein phosphatase type 2C reveal evolutionarily conserved regulation of abscisic acid signaling between Arabidopsis and the moss Physcomitrella patens 査読あり
K. Komatsu, Y. Nishikawa, T. Ohtsuka, T. Taji, R. S. Quatrano, S. Tanaka, Y. Sakata
Plant Molecular Biology 70 327 - 340 2009年06月
担当区分：責任著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
モデル植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)において、シロイヌナズナABI1の変異型(abi1-1)を過剰発現させたところABA非感受性となり、種子植物のABA制御因子がコケ植物においても機能することを示した。さらに、ヒメツリガネゴケのABI1相同遺伝子であるPpABI1Aを遺伝子ターゲティングにより破壊したところ、ABA感受性が向上し、凍結耐性が向上していた。以上の結果から、ABAシグナル制御系が種子植物とコケ植物で保存されていることを初めて示した。
-
Large-scale collection and annotation of full-length enriched cDNAs from a model halophyte, Thellungiella halophila. 査読あり
Taji T, Sakurai T, Mochida K, Ishiwata A, Kurotani A, Totoki Y, Toyoda A, Sakaki Y, Seki M, Ono H, Yoichi Sakata, Shigeo Tanaka, Kazuo Shinozaki
BMC Plant Biology 8 115 2008年11月
記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
モデル植物であるシロイヌナズナと近縁種である塩生植物Thellungiella halophilaを耐塩性研究のモデル植物として利用するための基盤整備を目的として、様々なストレスに曝したT. halophilaから抽出したRNAを用いて完全長cDNAライブラリーを作製した。二万クローンについて端読み塩基配列決定を行い、このライブラリーが9569の独立したクローンを含むことを明らかにした。さらにこれらの配列はシロイヌナズナの遺伝子との比較を行い、相同遺伝子のカタログ化を行った。研究者が利用できるリソースとして、これらのクローンとその情報は理研BRCを通じて公開予定である。
-
Unique ethylene-regulated touch responses of Arabidopsis thaliana roots to physical hardness. 査読あり
Yamamoto C, Sakata Y, Taji T, Baba T, Tanaka S.
Journal of Plant Research 121 509 - 519 2008年09月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
植物根の接触屈性の分子機構を明らかにするために、寒天二層法と名付けた生物検定法を開発し、シロイヌナズナ根の接触屈性に関与する因子の探索を行った。接触屈性には植物ホルモンであるエチレンが関与することを、エチレンの合成変異株および感受性変異株を用いた解析から明らかにした。エチレン定量実験から、根が下層の寒天に接触して屈曲する時にはエチレン合成量が減少し、下層の寒天を突き抜ける時にはエチレン合成量が増加するという、負の相関性を見出した。
-
Foliar trichome- and aquaporin-aided water uptake in a drought-resistant epiphyte Tillandsia ionantha Planchon. 査読あり
T. Ohrui, H. Nobira, Y. Sakata, T. Taji, C. Yamamoto, K. Nishida, T. Yamakawa et. al.
Planta 227 47 - 56 2007年12月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
エアープラントであるT. ionanthaが多量の水分を葉面から吸収することが可能であり、この吸収には葉面のトライコームを用いた短時間で多量の水分を吸収する段階と、それに続く、細胞内に水を取り込む緩やかな吸収段階の２段階が存在することを示した。さらに、第２段階の水分吸収には水輸送チャネルであるアクアポリンが関与していることを示した。T. ionanthaから水分に応答して発現が上昇するアクアポリン遺伝子 TiPIP2aをクローニングし、アフリカツメガエルの卵母細胞を用いた解析から、TiPIP2aの水輸送活性はリン酸化により制御されることを示した。
-
Possible involvement of a bZIP protein in the repression of ABI3/VP1-mediated chymotrypsin inhibitor gene expression at the late-seed maturation in winged bean 査読あり
Y. Sakata, T. Kuwano, S. Takaoka, N. Takashima, T. Taji, H. Takenaga and S. Tanaka
Jour. Agri. Sci., Tokyo Univ. of Agric. 51 113 - 121 2006年12月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（大学，研究機関等紀要）
シカクマメからABI3/VP1様のタンパク質 (WbABI3)とbZIP型転写因子をクローニングし、その機能解析を行った。推定されるアミノ酸配列の解析から、このbZIP型転写因子 (WbZIP1)は、インゲンマメにおけるABI3/VP1を介した種子タンパク質遺伝子の転写活性化を抑制する転写因子ROM2と高い相同性を示すことが明らかにし、WbABI3とWbZIP1はそれぞれ正の制御因子および負の制御因子として、WCI遺伝子の種子成熟中期から後期にかけての一過的な発現を制御していることが示唆された。
-
Characterization and functional analysis of ABSCISIC ACID INSENSITIVE3-like genes from Physcomitrella patens. 査読あり
H. H. Marella*, Y. Sakata*（*co-first authors）, R. S. Quatrano
The Plant Journal 46 1032 - 1044 2006年06月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
高等植物のアブシジン酸 (ABA)シグナル伝達経路において重要な役割を果たしているABI3の相同遺伝子 (PpABI3)をコケ植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)よりクローニングし、コケ植物においても高等植物と同様のABAシグナル伝達経路を保有していることを分子レベルで明らかにした。また、PpABI3が高等植物のABI3と同様の機能を持つことを、昨日相補実験により明らかにした。
-
Arabinogalactan proteins are required for apical cell extension in the moss Physcomitrella patens. 査読あり
K. Lee, Y. Sakata, S-L. Mau, F. Pettolino, A. Bacic, R. S. Quatrano, C. D. Knight, J. P. Knox
The Plant Cell 17 3051 - 3065 2005年11月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
高等植物の細胞壁に含まれ、成長・分化への関与が示唆されているアラビノガラクタンタンパク質 (AGP)がコケ植物ヒメツリガネゴケ (Physcomitrella patens)にも存在することを初めて明らかにし、遺伝子ターゲティングによりPpAGP1遺伝子が原子体頂端細胞の先端成長に重要な働きをしていることを示した。
-
Potential immunosuppressive and antiinflammatory activities of Malaysian medicinal plants characterized by reduced cell surface expression of cell adhesion molecules. 査読あり
S. Tanaka, Y. Sakata, L. Ao, M. Matumoto, K. Morimoto, N. Akimoto, G. Honda, M. Tabata et al
Phytotherapy Research 15 681 - 686 2001年12月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
細胞接着分子であるICAM-1とVCAM-1は、免疫細胞の細胞表面に特異的に発現し、免疫反応や炎症の形成に深く関与している。本分子の発現を抑制する物質は、現代病であるアレルギー性炎症やその慢性化に対する有効性が期待されることから、アルカロイド、テルペノイド、フェノール性化合物を含む種々の天然並びに合成化合物の作用を調査し、その構造活性相関を論じた。
-
Influence of natural and synthetic compounds on cell surface expression of cell adhesion molecules, ICAM-1 and VCAM-1. 査読あり
S. Tanaka, Y. Sakata, K. Morimoto, Y. Tambe, Y. Watanabe, G. Honda, M. Tabata et al
Planta Medica 66 108 - 113 2001年03月
担当区分：筆頭著者 記述言語：英語 掲載種別：研究論文（学術雑誌）
細胞接着分子であるICAM-1とVCAM-1は、免疫細胞の細胞表面に特異的に発現し、免疫反応や炎症の形成に深く関与している。本分子の発現を抑制する物質は、現代病であるアレルギー性炎症やその慢性化に対する有効性が期待されることから、アルカロイド、テルペノイド、フェノール性化合物を含む種々の天然並びに合成化合物の作用を調査し、その構造活性相関を論じた。