論文 - 伊藤 博武
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Effect of sowing time on the fertilization rate and grain yield of summer buckwheat 査読あり
Kasajima S., Itoh H. Yoshida H. and Inoue N.
Advances in Bukwheat Research 628 - 630 2010年07月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)
普通ソバの受精率は約 20~30%と低く,安定多収を妨げる大きな要因の 1 つとなっている.これまでに普通ソバの受精率は約 60%の遺伝率をもつことが示されている.しかしながら,受精率の遺伝子型×環境交互作用に関する情報は必ずしも得られていない.そこで,本研究では播種期の違いが普通ソバの受精率および収量に及ぼす影響について夏ソバ 3 品種を用いて解析した.
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Effects of Soil Type, Vertical Root Distribution and Precipitation on Grain Yield of Winter Wheat
H. Itoh, S. Hayashi, T. Nakajima, T. Hayashi, H. Yoshida, K. Yamazaki and T. Komatsu
Plant Production Science 12(4):503-513 2009年09月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
網走市の秋播きコムギ作では,生産性の高い淡色黒ボク土の東部地区と低い多腐植質黒ボク土や褐色森林土の西部地区との間の収量格差は年次間で大きく伸び縮みする.そして,この格差は出穂期から成熟期までの降水量が少ない年次ほど大きくなる.少雨年の子実収量に着目してみると,深根となる淡色黒ボク土は浅根となる他の土壌タイプよりも高くなった.多雨年でも淡色黒ボク土は他の土壌タイプよりも深い根系となったが,根系分布と子実収量の間には少雨年でのような関係は認められなかった.それぞれの土壌タイプにおける子実収量と各気象要素との関係をみると,深根となる淡色黒ボク土のみ,出穂期から成熟期までの日照時間や日射量が多くなる年次ほど子実収量は高くなった.本研究では,土壌タイプ間での根張りの深さの違いによって,より深い層からの水分供給程度の違いに起因した登熟期間の光合成能力の差が,東西地区間(土壌タイプ間)の収量格差を生む要因であると考
えられた. -
根系分布の品種間差異からみたテンサイの萎れ現象
伊藤博武・横田和哉・吉田穂積・小松輝行
根の研究17(3) 2008年09月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
テンサイの高温乾燥条件への耐性と根系分布について調査した.葉の萎れ程度には大きな品種間差が存在し,より深い根張りの品種ほど高温・乾燥時に深い層から多くの水分を吸収し,萎れずに高温乾燥条件に耐えたと考えられた.本研究を実施した北海道網走市では土壌条件が不利な地区ほどテンサイの根張りが浅く,単位面積当たりの収量も低くなっており,深い根張りという特性は収量の安定性向上への利用が期待される.
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「網走地域の淡色黒ボク土地帯におけるリン酸・カリウム減肥がテンサイの生育と収量に及ぼす影響」
吉田穂積・伊藤博武・小松輝行
日本作物学会紀事 74(4):450-455 2005年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
網走地域の淡色黒ボク土においてリン酸・カリウム肥料を現行施肥量より大幅に低下させてもテンサイの生育および収量の低下は認められず、減肥栽培が可能であることを報告した。
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「1998年6月3日に北海道斜網地域で発生したジャガイモの霜害から地形を読む」
伊藤博武・宮武勝美・小松輝行
日本作物学会紀事 74(3):346-368 2005年09月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
斜網地域の地形は、三方が山地と台地にかこまれた斜里平野、四方が低地の小清水台地と網走台地、藻琴山からオホーツク海にかけてひろがる台地に侵食されて出来た波状地形、の3つに大きく分けられる。ジャガイモ霜害の被害程度を広域調査したところ、斜里平野は被害が重く、小清水と網走台地であ被害が軽く、そして波状地形では異なる被害程度がふくざつに現れた。高地の地表面付近の冷気は低地に移動し、冷気の収束した斜里平野では最低気温が低いだけでなく氷点下経過時間も長くなり被害が重く、低地へ冷気が発散した小清水・網走台地では気温が氷点下にならなかったために被害がなかった。
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「土壌タイプによるテンサイ根系分布の違いが収量の年次変動性に及ぼす影響」
林茂樹・伊藤博武・松山英里子・小松輝行
日本土壌肥料学雑誌 76(3):299-311 2005年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
網走におけるテンサイ収量性の高い淡色黒ボク土の東部地区と低い褐色森林土の西部地区との間の収量格差は、年次間で大きく伸び縮みするが、この伸縮は気象要因のなかで気温、とくに8月の気温との間に最も高い正の相関が認められた。すなわち高温年に格差が広がり、冷温年ほど縮小する。これを収量形質との関連で検討したところ、HI(収穫指数)は土壌タイプに関係なく高温年ほど増加した。一方全重は高温年ほど減少傾向が強く、その低下割合は根張りの浅い土壌タイプほど大きいことが初めて明らかになった。HIと全重との関係から、全重低下の小さい黒ボク土で高温年に根収が増加するの対し、全重低下速度の著しい褐色森林土では根収が減少傾向になった。これら地域格差の直接的原因を検討したところ、土壌タイプ間での根張り深さの違いと心土層からの水分供給程度の違いに起因した盛夏における光合成能力(気孔開度)の差が、異なる全重の応答を生むため、特に8月の気温の高い年ほど東西地区間(土壌タイプ間)の収量格差が大きくなると結論付けた。
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「浅根性土壌におけるテンサイ(Beta vulgaris L.)増収の可能性」
林茂樹・松山英里子・伊藤博武・小松輝行
日本てん菜研究会報47号:1-8 2005年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
低収の褐色森林土や灰色台地土のような浅根性土壌地帯においても、土壌条件や根張り分布を変えなくとも本土壌タイプに適応したテンサイ品種を栽培すれば、深根性土壌並みの多収が確保される可能性を示した。その品種的特性は、地上部の初期成育が旺盛で7月下旬には茎葉生産が頭打ちとなり、同化産物のシンクの重点が茎葉から貯蔵根に移行しうるタイプである。
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「土壌タイプによるテンサイ根系分布の違いが葉の萎れと収量性に及ぼす影響」
林茂樹・伊藤博武・吉田穂積・山崎耕宇・小松輝行
日本土壌肥料学雑誌 75(6):659-666 2004年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
網走における畑作生産性に関する東西地域間格差形成要因の解明の手始めとしてテンサイを取り扱った。この生産性格差は主に土壌タイプ間差に根ざしているため、土壌タイプ別の様々な農家圃場における根系深さの尺度としてRDI(根の深さ指数)を用い、RDIのテンサイ葉の萎れ程度、収量性に及ぼす影響に焦点を当てた。その結果、テンサイの萎れは根張りの深い土壌タイプでは発生しないのに対し、根系の浅い土壌タイプ程激しい萎れが発生し、結局生産性の高低はひげ根の根系がどれだけ深く分布するかに依存していることが明らかになった。
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Winter wheat productivity under different soil types based on the relationship between vertical distribution of root system and precipitation
S. Hayashi, T. Nakajima, H. Yoshida, K. Yamazaki, T. Komatsu、伊藤 博武
Proceedings of the 6th symposium of the international society of root research 2001年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)
根系の形態が異なる網走市の東部地域と西部地域の収量格差について、平均気温と降水量の気象要因との関係をみたところ、秋播きコムギは6月と7月の降水量が、生産性の年次変動に最も影響を与える気象要因であることが分かった。
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Sugar beet productivity under different soil types based on the relationship between vertical distribution of root system and leaf wilting
S. Hyashi, T. Nakajima, H. Yoshida, K. Yamazaki, T. Komatsu、伊藤 博武
Proceedings of the 6th symposium of the international society of root research 2001年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)
根系の形態が異なる網走市の東部地域と西部地域の収量格差について、平均気温と降水量の気象要因との関係をみたところ、テンサイでは8月の気温が、生産性の年次変動に最も影響を与える気象要因であることが分かった。
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Analysis of spike development of three spring wheat genotype under various cultural condition
伊藤 博武
Plant Production Science 1(4):258-263 1998年12月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
春播きコムギの1 穂当たりの小穂数の決定において最も重要な意義をもつ過程が品種・系統により異なり、また、穂長においては穂の伸長速度が重要な役割を果たすことを明らかにした。(企画、実験、とりまとめ)
H.Itoh, K.Ueno and K.Yamazaki -
Effect of the interaction between cultural condition and genotype on spike morphogenesis in spring wheat
伊藤 博武
Plant Production Science 1(1):56-61 1998年03月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
栽培条件の変化に対し、1穂当たりの小穂数の変動が小さい型、穂長の変動が小さい型、1穂当たりの小穂数と穂長の両方が変動する型、1穂当たりの小穂数と穂長の両方の変動が小さい型、の4型を見いだした。(企画、実験、とりまとめ)
H.Itoh, K.Ueno and K.Yamazaki -
Cleistogamy in wheat:genetic control and the effect of environmental conditions
伊藤 博武
Cereal Research Communications 25(2):185-189 1997年01月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
閉花受精が3遺伝子に支配され、穂の短い系統に閉花受精の傾向があることを明らかにした。(実験)
K.Ueno and H.Itoh