論文 - 吉野 馨子
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森林の多面的機能からみた共有林の価値の再考─大分県日田市を事例として 査読あり
佐藤梨帆・吉野馨子
農村研究139 号 p. 31-45頁 ( 139 ) 31 - 45 2024年09月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
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山村地域における空き家の分布および空き家所有者と地域社会とのかかわり—長野県長和町集落区へのアンケート調査より— 査読あり
浅川 初音, 吉野 馨子
農村生活研究 68 ( 1 ) 1 - 8 2024年03月
担当区分:最終著者 記述言語:日本語 出版者・発行元:日本農村生活学会
DOI: 10.34585/rlsj.68.1_1
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Keiko YOSHINO
Lecture Notes in Civil Engineering: Proceedings of The 9th International Conference on Water Resource and Environment 417 - 433 2024年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス) 出版者・発行元:Springer
This paper discussed various collaborative responses to natural resource col-lection in fishing villages in the Sanriku region, Japan, which the Great East Japan Earthquake severely damaged. Coastal fisheries resources in Japan have been managed under a system of fishing rights, known as Territorial Use Rights of Fisheries (TURF), one kind of Common-Pool Resource. Tak-ing abalone, an important resource, as a case study, the paper reconsidered the actual situation of CPR in fishing villages and the role played by CPR as seen from the emergency responses. Focusing on the distribution method of proceeds from abalone, I took six fishing villages that showed three types of cooperation as case studies and clarified the background that made commu-nal efforts possible and the local context in which different responses were chosen for each. The results showed that, based on the practice and norm of using marine resources for the benefit of the community, different responses were chosen depending on the complex factors such as post-disaster changes in the community (population decline and aging), the positioning of the local fishing industry, and the status of recovery, such as evacuation and securing boats. Some FMOs, while operating jointly, limited the number of beneficiar-ies more than before the disaster to protect the livelihoods of remote island communities and full-time fishers.
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漁村における移住の状況—石巻市雄勝半島を事例に— 招待あり
吉野 馨子
農村生活研究 66 ( 1 ) 15 - 23 2023年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 出版者・発行元:日本農村生活学会
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Disaster Vulnerability of Rural Areas after the 2015 Earthquake in Nepal 査読あり
DHAKAL Dipendra, YOSHINO Keiko
農村研究 2022 ( 134 ) 42 - 59 2022年03月
担当区分:最終著者 記述言語:日本語 出版者・発行元:食料・農業・農村経済学会
<p>脆弱性は,人々の危害への感受性,能力の欠如,物理的・社会的システムにおける周縁性を説明するものであり,発展途上国は,対処戦略の弱さと制度的枠組みの不十分さのために自然災害に対して脆弱とされている。本研究は,2015年に生じたネパール地震における個人,世帯,コミュニティ(ガウン)の脆弱性を評価した。ネパール地震で最も大きな影響を受けた地域の一つであるベティニ農村開発委員会の7,8,9地区を事例地とし,188世帯に質問紙調査を行うとともに,同上地区内の13の全コミュニティに対し,被害の状況と震災時の相互扶助的行動についてグループディスカッションを行った。個人及び世帯レベルでは,女性や高齢者,世帯のエスニシティ,世帯主の性別,世帯の経済状況に注目し脆弱性を分析した。</p><p>その結果,民族としては社会的に低いカーストとされているダリットが脆弱であることが明らかとなった。またコミュニティの構造と被害については,小さな集落,急な斜面に位置する集落はより脆弱であった。被害を軽減するための集落内の住民間の相互協力がみられたが,経済的要因も彼らの脆弱性に影響を与えていた。</p>
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The bargaining reality and safety issues of goat marketing at the marketplace in Bangladesh 査読あり 国際共著
Kurshed Alam, Keiko Yoshino
Small Ruminant Research 210 2022年03月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:Elsevier
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COVID-19から考える野生動物と人の関係性—野生動物を食べることに注目して— 招待あり
吉野 馨子
農村生活研究 64 ( 2 ) 22 - 32 2021年08月
記述言語:日本語 出版者・発行元:日本農村生活学会
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浜で生きる、地域に生きるー宮城県雄勝町A浜における生業、暮らしとローカリティ 招待あり
吉野馨子
社会学研究 105 1 - 31 2021年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:東北社会学研究会
浜/地域で生きることについて、宮城県雄勝町A浜での暮らしのなりたちとその変化から考えた。漁場は豊かながら港に恵まれなかったA浜では、磯での小漁からの漁獲物の加工・行商と、船員になることが主要な現金稼得手段となった。その傍ら食料確保のための農業生産も活発で、塩害に強い作物の模索から特産品もうまれた。山からは薪、建材、船材が利用され生業は複合的であった。浜での暮らしの生命線である磯の管理と船出し、飲料水と薪の確保は地域で協同されたが、それ以外は近い親戚内での個人的な協力に依っており、またそれは地域での発言権を高めるためにも利用されてきた。協同の必要性は徐々に薄れ地域の主な機能は磯の管理と祭礼に縮小しているが、磯資源は地域福祉の源泉でもあり続け、協同性と個人主義のせめぎ合いの積み重ねから震災時には目を見張る協働が実現された。進行する漁業離れは目前の豊かな磯の恵みを享受する機会を減じており、地区離れは地区での生活の存続に危機感を与えているが、その感じ方は個々に異なり、個人主義的態度が優先されがちである。こんにち生活の存立にとっての地域社会の不可欠性は疑問視され、農山漁村でもゆっくりとその考え方が受け入れられつつある。しかし私たちの生きる「場」は地べたからは離れられない。共感と歓待の視点から改めて地域社会を再構築できないか。そしてそこには浜/地域で培われてきた資源が大きな役割を果たすだろう。
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Coping Strategies With Mutual Cooperation And Use of Local ResourcesCES ON DISASTER BY NEPALESE RURAL PEOPLE: A CASE FROM NUWAKOT DISTRICT, NEPAL 査読あり
Dipendra Dhakal, Keiko Yoshino
Journal of Asian Rural Studies 4 ( 2 ) 178 - 187 2020年07月
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
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Present Working Conditions in Slaughterhouses and Meat Selling Centres and Food Safety of Workers in Two Districts of Bangladesh 査読あり
Alam Mohammad Khurshed,Keiko Yoshino, HossainMm Hossain
Pertanika Journal of Social Science and Humanities 28 ( 2 ) 867 - 881 2020年06月
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
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Farming in Fishing Communities in Japan: Case Study in the Sanriku Region 査読あり
Keiko Yoshino, Tatsuya Kawaguchi
International Journal of Agriculture System 7 ( 1 ) 1 - 8 2019年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
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村のくらしと地域資源―所有と非所有から考える自然との関わり方と生活の存立― 査読あり
吉野馨子
アフラシア 13 ( 13 ) 28 - 37 2017年
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:アフラシア文化社
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TURFs in the post-quake recovery: Case studies in Sanriku fishing communities, Japan 査読あり
Keiko YOSHINO
Marine Policy 86 ( 86 ) 47 - 55 2017年
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:Elsevier
This study explored how Territorial Use Rights for Fisheries (TURFs) functioned during the recovery from the devastating tsunami disaster which struck the Sanriku region in 2011, with a focus on abalone harvest, which is the most profitable resource managed by TURFs. During the winter of 2011–2012, only 36 of 51 managing bodies could harvest abalones because of a great shortage of boats. Recourse degradation was also feared, and the harbors were badly damaged. Of 27 managing bodies whose harvesting methods were known, 22 harvested collectively. Abalones are traded at high price and harvesting them requires skill; hence, it has always been done individually and competitively; collective harvesting conducted during this season was therefore quite exceptional. Eighteen managing bodies also handled distribution of the harvest, adopting flexible measures according to each community's circumstances. The collective action ended immediately after the urgent shortage of boats was alleviated. The diversity of natural resources managed by TURFs, autonomy of the fishing communities fostered by their remoteness and the nested structure of TURFs' resource management enhanced the resilience of the fishing communities.
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「都市近郊農村世帯における自給農産加工品の実態と継承の可能性に関する研究」 査読あり
吉野馨子
農林業問題研究 51 ( 3 ) 155 - 166 2015年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
本研究は都市近郊農村に位置する神奈川県足柄地域における食品加工の現状と継承の可能性について理解するためにおこなわれた。農協女性部の213人へのアンケートからは、農産加工を担う女性たちは多様な価値を認めていた。時制代の女性たちは手作り品の質の良さは認めており、継承の意義も認めていたが、女性が継承者であるとみなされることは積極的には認めていなかった。
農産加工を活発に行っている女性たちへの聞き取り調査からは、農産加工は必ずしも親世代から引き継がれてはおらず、社会的なネットワークの助けを得ながら、彼女たちが自分たちで行うことを選択していた。農産加工は趣味のように捉えられていた。情報、原材料やできあがり品は地域で交換されていた。農産加工は単に質の良い食を提供するだけでなく、地域資源を生かし、地域の社会ネットワークを活性化していた。ジェンダーを超え、農産加工を再評価し、日常生活に埋め戻すような、食農教育も含めた、巾広い視野の取り組みが求められている。その他リンク: https://www.jstage.jst.go.jp/article/arfe/51/3/51_155/_pdf
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”Varieties and the acquisition of food and fuel sources by rural households in Bangladesh” 査読あり
Yoshino K.
Asian Rural Sociology 5 ( 2 ) 82 - 90 2014年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)
バングラデシュにおける水文環境の異なる2村において、食材と燃料確保について記録調査を行った。その結果、多くの食材が自給されており、その中には沼沢などからのオープンアクセスなコモンズの利用が見られ。それはとくに雨季に湛水する調査村で顕著であった。親戚や隣近所からの贈答も、自家資源に乏しい世帯にとって一定の役割を果たしていた。
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”Function and changes of the open access resources in rural Bangladesh” 査読あり
Yoshino K.
農村研究 ( 119 ) 45 - 61 2014年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
稠密な人口を誇るバングラデシュ農村において「共的」に利用される資源に注目した。バングラデシュ農村では共有地はごくわずかであるが、多様なオープンアクセスな資源が、自家資源に乏しい世帯の生活の存立に役立ってきた。しかし、農業の近代化はそのようなオープンアクセスな資源に負の影響を与えており、地域資源を増やし相互扶助を力づけていくようなコミュニティーベースの農村開発のアプローチが求めらている。
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「農村における食の自給の変容とその現状、今日的な意味の検討」 査読あり
吉野磬子
『サステイナビリティ研究』 ( 4 ) 61 - 75 2014年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:法政大学
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「地域を支える暮らしの共同、女性と生活の持続性」 査読あり
吉野馨子,諸藤享子
サステイナビリティ研究 ( 4 ) 55 - 59 2014年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
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「福島第一原発事故が有機農業『提携』活動に与えた影響」
久保田裕子・吉野馨子・今井優子
國學院大學経済学研究 ( 44 ) 73 - 114 2013年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
「3.11」の原発事故について、一般消費者、有機農家と「提携」の被害と対応を明らかにした。一般消費者の放射能汚染への感受性は多様であったが有機野菜を頻繁に購入する消費者ほど許容度が低かった。出荷停止を経験した県に居住する有機農業生産者は売り上げ減少が顕著であった。放射能汚染や人間関係の分断は金銭的には償えない損害が大きい。有機農業や「提携」活動の特性に照らした損害に対する補償の必要性が浮かび上がった。
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”Resource Utilization Regarding Acquisition of Food Material in Rural Bangladesh”
Keiko Yoshino K., Nessa J., and Rahman R.
Journal of Agroforestry and Environment Vol.5.17-26 . 2011年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
バングラデシュ農村での具体的な食材入手について食材調査を行った。多くの食材が自給されており、魚や野草など、オープンアクセスなコモンズから入手するものも少なくなかった。自己資源や現金収入が少ない世帯にとって、オープンアクセスなコモンズである沼沢は重要なタンパク源入手の場であった。親戚や近隣からの贈与も、上記のような世帯にとって重要であった。地域の沼沢は私有化され、縮小し続けている。個人の資源を増やすだけでなく、オープンアクセスな資源を豊かにする取り組みも重要である。
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”Social meaning of subsistence production: Case study in contemporary Japan” 査読あり
吉野馨子
Proceedings of 11th international congress of Asian Planning Schools Association. 2011年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
自給がもつ社会的な価値について中山間地、都市的地域で検討した。自給の存続には地域社会が必要である一方、自給は地域社会を結び付け地域資源の有効利用に寄与していた。自給の持つ社会的な役割を評価するとともに、アトム化された都市的住民を地域社会や資源と結びつけるコーディネート機能が必要である。また参加者の主体性と責任が明らかとなる関わり方が求められるとともに、それを可能にする身近な場の提供が必要である。
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「グローバリゼーション下における生存基盤としての農村:ローカルな生活者・資源・コミュニティ・制度からサステイナビリティを考える」
吉野馨子
サステイナビリティ研究Vol.2,75-91. 2011年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
地域資源の循環的な利用をベースにした農村の暮らしは、経済のグローバリゼーション及び“近代化”政策により大きく変容した。在地の知はうち捨てられ、人口流出や資源の偏った利用による環境破壊の一方で、地域社会の緩みによる生き方の多様化や孤立しがちな各地の活動のネットワーク化が進んだ。このように正負両面で圧倒的な影響力をもつグローバリゼーションに対し、地域社会はどのようにして対抗力を持てるか、農村地域で生活が成り立つとは一体どのようなことを指し、求められる要件は何かを検討した。
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「食育としての自給自足―都市住民と食農理解」 招待あり
吉野馨子
農業と経済 77 ( 12 ) 38 - 44 2011年03月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
自給活動に共同性や地域社会への視点を加えていくことが重要である。自分の食べ物を作ることが個々人の活動にとどまらず地域社会に広がり、人々の関係性を豊かにしていくこと、近代以降の資本主義社会が切り捨ててきたものを取り戻すことが食農教育の本質だろう。“都会の農地は無駄遣いだ”という経済効率優先の声を跳ね返すだけの哲学をもって、行政が都市計画の中に組み込んでいくことが求められよう。
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「バングラデシュにおける有機農業の展開と現状」 招待あり
吉野馨子
農業 ( 1540 ) 60 - 64 2010年12月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
バングラデシュでは、有機農業運動は環境問題を出発点とし、農産物に付加価値をつけ有利に販売していこうとする動きと、ウビニッグのように、今日の資源浪費的で農村社会の衰退を招いた暮らしのあり方自体を再考しようとする動きの二つの方向に引き裂かれつつ、展開しているといえよう。これは、日本をはじめとした他の国々も同様な状況であり、今後の動きが注目されるところである。
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”Historical Development, Present Situation and Possibilities Prospects of Organic Farming: Examples from Japan and Bangladesh” 査読あり
吉野馨子
Asian Rural Sociology.No.4.Vol.2.263-276. 2010年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
日本では、農薬害から再評価された有機農業を生消間の提携が支えてきた。市場の拡大に伴い提携は衰退する一方、市民農の取組もみられる。バングラデシュでは伝統農法は急速に衰退したが、飲料水への砒素混入問題に対し農家の自立の術として有機農業を推進する取組もある。有機農業は暮らしの見直しを目指すものと付加価値化を目指すものに分化し、当面は後者が主流ではあろうが、根本的な暮らしのあり方の再考が重要だろう。
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”Influence of Fishing Gears on the Excessive Fishing in Batan Estuary, Central Philippines” 査読あり
Kamiyama,R., Altamirano J.P., Yoshino K. Kurokura H.
Asian Rural Sociology.No.4.Vol.1.254-262. 2010年09月
担当区分:責任著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
過剰な漁具の設置が資源の減少をもたらしている東南アジアにおける実態について、フィリピンバタン湾を事例に調査した。同地域では、1970年代後半より同地域に導入された小型の定置網が、比較的安価で入手しやすく、かつ人手もかからないために広く普及し、それが過剰漁獲に結びついていた。また、エビ養殖の普及による地域の市場の発達が、他の漁具による漁獲を増加させることにも結びついていた。
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Status and Challenges in Building the Capacities of Young Women Farmers in Japan. 査読あり
諸藤享子・吉野馨子
Asian Rural Sociology.No.4.Vol.1.444-453. 2010年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
戦後の農村生活改善運動の手法と、その意義について、長野県を事例に分析をおこなった。”考える農民”を育てようとした農村生活改善運動は、それまでの、リスト化された課題の解決を目指した手法と異なり、農村女性を自立した存在としてエンパワーさせるものであった。このようなエンパワメントの取り組みは、戦後の課題というだけでなく、今日の農家の若嫁たちにも求められるものである。
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バングラデシュ農村における屋敷地の研究-屋敷地の植物に注目して-
吉野馨子
2009年07月
記述言語:日本語 掲載種別:学位論文(その他)
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「住民による農産物の入手と利用からみた地域内自給の実態把握-長野県飯田市の事例調査から-」 査読あり
吉野馨子,片山千栄,諸藤享子
農林業問題研究 44 ( 3 ) 45 - 56 2008年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
地域住民の実際の地域産品の利用および住民の意識の視点から、長野県飯田市を調査地に、農産物の地域内自給の実態把握の事例研究をおこなった。
地域内自給は、単に消費者が地域産品を手に取れることだけではなく、自給やおすそ分けなど、日々の自然への働きかけや社会ネットワークも重要な要素であることが明らかになった。それは経済指標だけでは測れない農村の豊かさを示すものでもあるといえよう。 -
「全国市区町村における地域内自給の取り組みの現状と今後の展望」 査読あり
吉野馨子,片山千栄
農村生活研究 47 ( 3/4 ) 40 - 50 2004年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
全国3234の市区町村への配票調査から地域内自給(地産地消)の進展状況、自治体の取組について分析した。回答自治体(1704)のうち、65%が自治体の長期計画に地産地消を位置づけており、大半が農業振興を目的としていた。
顔の見える関係が維持できる範囲と、需給バランスから自治体が考える適当な範囲の間での違いがみられ、何を目的とした地域内自給(地産地消)であるか明らかにする必要があると提言した。 -
「地域内自給=地産地消の進展と担い手は? 」 招待あり
吉野馨子
農林統計調査 53 ( 2 ) 16 - 22 2004年02月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
地域内自給/地産地消の状況につき、1702自治体を行政主導タイプ、住民主導タイプ、どちらも積極的なタイプに分け特徴をみたところ、行政主導なタイプでは主に農林水産業新興が、どちらも積極的なタイプでは多様な目的が目指され、住民主導タイプでは行政による位置づけがない自治体が多かった。
地域内自給の重要な担い手のひとつである消費者がどのような役割を果たし得、自治体はどのように動くべきか、検討が必要である。 -
「“参加”から地産地消を考える」
吉野馨子
環境社会学研究 ( 9 ) 55 - 61 2003年03月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
近年注目されている地産地消は、どうしてもモノの動きに注目しがちであり、それを誰がどのように担っているか、とくに消費者側の参加については、十分な検討がされていない。そこで、本稿では、二つの対照的な事例を取り上げ、地産地消に参加するということの本質的な意味
を問いかけるとともに、その可能性について検討した。 -
「消費者にとって直売所の魅力とは」 招待あり
吉野馨子
農林統計調査 52 ( 10 ) 14 - 19 2002年10月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
直売所利用客へのアンケートからは、消費者は新鮮さ、安さに注目し、とくに大規模直売所では安さへの評価が高かった。直売所は消費者にとって農産物の購
入先の一つの選択肢として定着しつつあるが、“安さ”がその選択基準である限り、利用客は移ろっていくだろう。
直売所は、生産者であるかつ消費者でもあるという複眼的な視点からの基準を持ち、それを利用客にアピールできる力をもつことが求められていると考えた。
片倉和人・吉野馨子.共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。 -
「在来技術とジェンダー」 招待あり
吉野馨子
国際農林業協力 24 ( 7 ) 22 - 30 2001年11月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)
「生活者の原理」を最も強く体現してきた(時にはそのような役割を与えられてきた)女性の生産技術は、生活技術と不可分である。自給をベースとした生産体系は、多様性と自然との一体感にあふれている。単品のマキシマム(最大)ではなく、全体としてのオプティマル(最適)な収穫を重視し、持続性も重要な要素である。女性たちが培ってきた技術、その背景となる生活者の原理に注目することは、今後さらに重要となろう。
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「バングラデシュ氾濫原農村の屋敷地(バリ・ビティ)における村人の植物の利用について」 査読あり
吉野馨子,安藤和雄
熱帯農業 43 ( 4 ) 306 - 318 1999年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
雨季には屋敷地を除いて湛水してしまう氾濫原農村における屋敷地での植物利用について、植生の悉皆調査から分析した。屋敷地での植物の選択は、経済作物の栽培とは大きく異なる考え方に基づいており、暮らしからの要請に合わせる形で選択されてきたものである。また、これらの技術は、各植物に対する村人の深い理解に裏付けられているものであることが明らかとなった。
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「生活資源カタログ調査手法(第2報)-その適用と有効性の検証:インドネシアとネパールでの試用の結果から」 査読あり
吉野馨子,富田祥之亮,畑中初音
農村生活研究 ( 8 ) 1 - 17 1998年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
農村での生活の成り立ちを見るには、非換金的な部分を捉える必要がある。そこで、人々が利用している資源を全て視覚的にリストアップする筆者たちが考案した「生活資源カタログ」手法をインドネシアとネパールの農村で試用した。「カタログ」は目に見えにくい女性の自給的活動、民族や階層によって価値を置く資源やアクセスできる資源の違い、資源利用の変化が生活の質の変化、等を明らかに出来ることがわかった。
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”Plant Resource Utilization in ‘Bari-bhita” (Homestead) in Bangladesh: A Case Study in a Village in the Old Brahmaputra Floodplain”
Yoshino K.
Tropics 6 ( 1/2 ) 117 - 127 1996年10月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
バングラデシュ旧ブラマプトラ川の自然堤防上にある屋敷地の植生について調査を行った。屋敷地の構造、屋敷地内でどのように植物が栽植されているか、また利用されているか等の分析をおこなった。屋敷地の利用は、園地を開き、少数の換金性の高い作物を作ろうとする動きもある一方で、藪地の重要性も示唆され、屋敷地が暮らしの成り立ちにとって果たしている役割の多様さが明らかになった。
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「バングラデシュのバリ・ビティ(屋敷地)を通してみた農村開発」 査読あり
吉野馨子,ムハマッド・セリム
東南アジア研究 33 ( 1 ) 82 - 97 1995年11月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
バングラデシュでの「農村開発実験プロジェクト」において、地域の農業や社会についての研究および地域開発のあり方について、屋敷地での生産活動と暮らしに注目し考察した。植物に関する村人の知恵をまとめたプラントブック作り、野菜栽培プログラム、地域に賦存する果樹資源を利用した果樹の挿し木プログラム
からは、屋敷地が人々にもつ意味を理解し、地域の知恵や資源を生かし、人々を力づける開発の重要性が明らかとなった。 -
「バングラデシュ農村に見る屋敷地と暮らし-ドッキン・チャムリア村における事例研究から-」
吉野馨子
農村生活総合研究 ( 8 ) 151 - 164 1995年03月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
バングラデシュの女性にとって屋敷地は、重要な活動拠点である。他の耕作地と比べ、屋敷地の植物は多様性が高く、各植物の特徴が理解され、女性たちにより食材等として利用される。女性たちは多様なルートを通し植物資源を確保する。暮らしに必要なものを自分で作り利用する、生活の論理をベースとした屋敷地の生産体系は、生産の増大を重視する“専門家”からは見落とされがちであり、 農村開発における正当な評価が必要である。