職名 |
教授 |
研究室住所 |
156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1 |
研究室電話 |
03-5477-2435 |
外部リンク |
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斎藤 馨 (サイトウ カオル) SAITO Kaoru 教授 |
論文 【 表示 / 非表示 】
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ライブ音配信の聞き取りに基づく北海道と本州中部4地点の森林性鳥類の13年間の変動
植田 睦之, 黒沢 令子, 斎藤 馨
20 ( 0 ) A55 - A62 2024年
記述言語:日本語 出版者・発行元:特定非営利活動法人バードリサーチ
<p>2012年から2024年にかけての4-6月の3か月間,北海道富良野,埼玉県秩父,山梨県山中湖,長野県志賀高原から配信されるライブ音を聞き取ることで,鳥類の発声行動の記録を行なった.このデータを公開するとともに,13年間の変動を取りまとめた.対象とした主要生息種のべ81種のうち,65種には有意な増減傾向はなく,ヤマガラやセンダイムシクイなどのべ11種が有意に増加し,シジュウカラなど5種が有意に減少していた.秩父では群集気温指数(community temperature index)が経年的に上昇しており,温暖な鳥類群集への変化が認められたが,その他の地域では有意な変化は認められなかった.ほかの研究でも,本州中部の秩父と同程度の標高の調査地で,ヤマガラやメジロなどのおもに照葉樹林に生息する種が増加していることが示されており,現在,本州中部の1,000m程度の標高帯で鳥類相の大きな変化が生じている可能性が考えられた.</p>
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Kazuhiko W. Nakamura, Kirie Miyajima, Akio Fujiwara, Kaoru Saito
Cogent Education 10 ( 2 ) 2023年11月
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Alleviating Surgeons' Stress through Listening to Natural Sounds in a Half-Encapsulated Rest Space after an Operation: A Pilot, Longitudinal Field Study. 国際誌
Yasushi Suko, Tomoharu Shindo, Kaoru Saito, Norimasa Takayama, Shin'ichi Warisawa, Tetsuya Sakuma, Masaaki Ito, Pasi Kytölä, Tapio Nummi, Kalevi Korpela
International journal of environmental research and public health 19 ( 19 ) 2022年10月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
BACKGROUND: Natural sounds are reportedly restorative, but most research has used one-off experiments conducted in artificial conditions. Research based on field experiments is still in its infancy. This study aimed to generate hypotheses on the restorative effects of listening to natural sounds on surgeons, representing professionals working in stressful conditions. METHODS: Each of four surgeons (two experts and two residents) participated six times in an experiment where they took a 10-min break listening to natural sounds (four times) or without natural sounds (twice) after a surgical operation. We measured their skin conductance level, an indicator of sympathetic arousal, continuously during the break (measurement occasions N = 2520) and assessed their mood using two questionnaires before and after the break (N = 69 and N = 42). We also interviewed them after the break. RESULTS: Based on statistical Linear Mixed-Effects modeling, we developed two hypotheses for further, more detailed studies: (H1) Listening to natural sounds after an operation improves surgeons' mood. (H2) Inexperienced surgeons' tension persists so long that the effect of natural sounds on their sympathetic arousal is negligible. CONCLUSIONS: This risk-free, easy-to-use means of stress alleviation through natural sounds could benefit highly-stressed people working indoors.
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森と人とを紡ぎ直す方法論としての感性的アプローチの可能性
中村 和彦, 藤原 章雄, 小林 博樹, 斎藤 馨
日本森林学会大会発表データベース 132 265 2021年05月
記述言語:日本語 出版者・発行元:日本森林学会
森と人との関係が複雑化しながらも、その重要性が高まる昨今、望ましい関係のあり方を科学的根拠のみに立脚して提示することは困難になっている。この状況においては、森と人とを“繋ぐ”というには単純すぎるきらいがあり、一歩一歩確かめるように“紡ぎ直す”ような取り組みが必要と考えられる。教育的観点からは、科学的知見のみでは解決できない事項の学習に際して、感性的アプローチの可能性がよりひろく検討されるべきと考えられる。ここでの感性とは、人間の五感に着目した直接的体験によるものに限らず、物事を心に深く感じ取るという精神的な認識をも含むものである。これはしばしばWonderという表現によって議論されるが、例えばSchinkel(2017)は“Deep Wonder”の教育的重要性について「知ることができないことを認識する」といった観点から論じており、このことは特に気候変動緩和や生物多様性保全といった事項の学習において考慮すべき観点と考えられる。本発表では、これまで発表者らが取り組んできた森林映像アーカイブの活用を軸とする一連の森林環境教育実践について、感性的アプローチの視座から再整理を試みる。
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中村 和彦, 斎藤 馨, 藤原 章雄, 大塚 啓太, 奥山 賢一
日本森林学会誌 102 ( 1 ) 77 - 82 2020年02月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林学会
<p>学校教育における森林教育の推進を図るために,小学校における森林学習単元を事例として,森林体験活動を教室内学習へ持続的に反映させる方法論を検討した。2015 年度と2016 年度の計2 回にわたって,森林体験活動を含む第5学年の単元「森からみえる」を対象とした調査を行った。この単元は,①東京大学富士癒しの森研究所における森林体験活動,②森林体験活動の振り返りのための映像教材授業,③調べ学習に関する大学院生からのアドバイス,④調べ学習の中間発表,⑤調べ学習の最終発表で構成された。②と⑤の授業後に児童が記述した感想文から形態素解析により抽出された単語を対象に共起ネットワーク分析およびクラスター分析を行った結果,嗅覚や聴覚をはじめとする五感を意識して森林体験活動を振り返る映像教材を提示する方法の有効性が示唆された。</p>
DOI: 10.4005/jjfs.102.77
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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中心点採餌を繰り返す海鳥の最適採餌行動に及ぼす同種他個体の影響
研究課題/領域番号:22H00422 2022年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
佐藤 克文, 坂本 健太郎, 新妻 靖章, 高橋 英俊, 齋藤 馨, 中村 和彦, 礒川 悌次郎
配分額:41990000円 ( 直接経費:32300000円 、 間接経費:9690000円 )
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次世代の自然風景地の保護と利用
研究課題/領域番号:20H03013 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
齋藤 馨, 鎌田 直人, 藤稿 亜矢子, 後藤 晋, 中山 雅哉, 藤原 章雄, 鈴木 智之, 中村 和彦
配分額:13910000円 ( 直接経費:10700000円 、 間接経費:3210000円 )
サイバーフォレスト(以下CF)の自然風景地音声映像モニタリングシステムを2021年4月より翌年3月の通年にわたり運用し、ライブ映像音を提供しつつそのアーカイブ公開を継続した。この自然地のデジタルアーカイブ情報とライブ映像音の提供、つまりインターネット上のデジタルな自然情報に、自然地から離れている都市住民が触れることが、自然への意識をどう変化させ、現地に行かずとも自然風景地を保護し利用していると感じられるのか、といった意識変容に関する考察に向けて以下の研究を実施した。
1.研究協力者随筆家青木奈緒氏は昨年度に続き「森へ」と題した随筆3編を執筆した。文学作品の読者は現地に行かずとも遠隔の自然地に触れることができる。3編を研究分担者と共有し、青木氏との意見交換から自然地の芸術表現に関する定性的な知見を得た。
2. 2021年5月にオンラインワークショップを開催した。遠隔地の音のみを聴いてその場所の環境を想像し文章で表現させ参加者間で共有した後に現地画像を提示し、想像との共通点相違点の自由記述後に参加者間での議論を行った。これら文字データから定性的な知見を得た。
3.2021年11月研究協力者サウンドエンジニア岡田晴夫氏が、東京大学北海道演習林前山保存林モニタリング地点および湧水池での自然音体験と録音を実施し、オンライン配信音との比較用データを収集した。
4.2022年3月学生・院生・若手社会人を対象にオンラインワークショップを開催した。CF概要を説明し、CFのアーカイブ映像を用いたクイズと開花観察等を体験後、グループディスカッションを通してCFの活用アイディア検討を行った。5.同月オンラインシンポジウムを開催し、芸術表現による自然風景地の捉え方とその特徴や意義、効果などについて、芸術家と研究者の双方から話題提供および両者交えての議論を行った。