科研費(文科省・学振)獲得実績 - 亀山 慶晃
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都市化による花粉流動の質的変化が植物の繁殖成功に及ぼす生態遺伝学的影響
2024年04月 - 2028年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
本課題の目的は、都市に生育する植物の集団維持や適応進化の過程について、送粉を介した生物間相互作用という視点から解明することである。この目的を達成するため、花粉流動の質的低下に着目し、有効集団サイズの縮小による遺伝的劣化と近親交配の増加、送粉者の種類や行動の変化による隣家受粉の増加、それらを反映した近交弱勢による繁殖成功度の低下、について検証をおこなっている。
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水田に生育する在来植物の消失要因-繁殖干渉という視点から-
2020年04月 - 2024年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
近年、水田に生育する在来植物が全国的に減少し、近縁な外来植物に置き換わっている可能性が示唆されている。本研究では、畦畔をはじめとする周辺域への外来植物の侵入が、田面に生育している在来植物への繁殖干渉を引き起こし、受粉から発芽、生育に至るあらゆる過程で繁殖成功度を低下させている可能性について、生態遺伝学的な視点から検証をおこなった。
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ハナバチ送粉系の生態系機能の解明:植物群集の開花構造と形質進化
2015年04月 - 2019年03月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究分担者
自然生態系におけるハナバチ送粉系の生態系機能を明らかにするため、日本の山岳生態系をリファレンスとして、マルハナバチへの送粉依存度が高いモンゴル高原と、ハエ類への依存度が高い台湾高山帯を比較することにより、(1) 社会性ハナバチの生態学的重要性、(2) ハエ類送粉系との送粉効率の違い、(3) 植物の送粉成功や繁殖システム、形質進化への淘汰圧、に関する研究をおこなった。
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都市に多く植栽されてきたサクラ雑種の親種鑑定
2013年04月 - 2016年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
サクラには非常に多くの品種が存在しており、地域の重要な観光資源となっている。しかし、それらの品種がどのように作出(発見)され、維持されてきたのかは、ほとんど明らかになっていない。本研究では、多様な品種の系統関係を解明し、分類学的な整理を試みた。
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有用樹木の利用・分散プロセスが、在来集団に及ぼす生態遺伝学的影響
2012年04月 - 2016年03月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
外来生物が在来生物に及ぼす影響については、様々な方面から研究が進められている。本研究では、他の「地域」から持ち込まれる同一種に着目し、(1)樹木集団の遺伝的組成が変化していく過程、(2)その系統地理学、生態遺伝学、社会学的な背景、(3)遺伝的攪乱が樹木集団にもたらす影響、について調査・研究をおこなった。
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外来樹木の逸出による在来種への生態遺伝学的影響
2009年04月 - 2012年03月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
外来生物の逸出は様々な過程を通じて在来生物に多大な影響を及ぼしている。例えば、外来種と在来種の間で種間交雑が生じた場合、形成された種間雑種が多様な環境に侵入、定着することによって、更に多くの影響を引き起こすと予測される。本研究では、外来樹木の逸出による生態系への影響を分子生態学的視点から評価することを目的として、複数の樹木を対象に、遺伝マーカーの開発、交配親和性の評価、雑種の推定、系統関係の解明をおこなった。
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ポリネーション競争を反映した花粉流動と植物の繁殖様式の進化
2007年04月 - 2009年03月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
高山生態系では雪解け時期を反映した連続的な開花現象が認められ、傾度に沿って花粉媒介者や近縁他種との関係が変化する。北海道大雪山系におけるツガザクラ属植物では、雪解け傾度に沿って雑種第一代が優占する広大な交雑帯が形成されており、雑種と親種の間で花粉媒介者を巡る競争が生じていた。親種の受粉成功は開花時期や年によって大きく変動し、繁殖成功に影響を及ぼしていることが明らかになった。
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長期モニタリングと個体群統計遺伝学による植物個体群の存続可能性の評価と保全
2004年04月 - 2007年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
植物個体群の存続可能性分析をおこなうため、長期モニタリングデータの集約(個体群統計学的側面)と、AFLP等による遺伝分析(遺伝学的側面)をおこなった。2つの側面を統合した新たな数理モデルを構築することにより、正確な将来予測と保全対策が可能となった。
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水生植物タヌキモ類の繁殖様式と進化
2002年04月 - 2005年03月
科学研究費補助金 特別研究員推奨費
担当区分:研究代表者
水生植物は水域での生活に対して適応、進化を遂げたグループであり、最大の特徴は栄養繁殖への著しい依存性である。本研究では水生植物タヌキモ類における不稔現象に着目し、不稔集団の形成と栄養繁殖による集団維持、潜在的な有性繁殖能力と遺伝的多様性について調査した。