Papers - KADOKURA Toshimori
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花から分離した酵母の性質と清酒醸造における特長 Reviewed
木下(小室)友香理、門倉利守、数岡孝幸、穂坂賢、中田久保
東京農業大学農学集報 53 ( 2 ) 100 - 106 2008.09
Language:Japanese Publishing type:Research paper (bulletin of university, research institution)
花から分離した酵母の分類学的性質として生理学的ならびに染色体DNAについて検討した。花から分離した酵母は、メレジトースおよび硝酸塩資化性、ビタミン要求性、イーストサイジン耐性、TTCおよびアルシアンブルー染色、高泡形成、IV番染色体長より泡なしの清酒酵母タイプで吟醸香成分を多く生成する優良清酒酵母であった。pp.100-106
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醸造酵母のMAL遺伝子 Reviewed
小倉健太郎、仲村佐知子、門倉利守、中里厚実
日本醸造協会誌 103 ( 8 ) 629 - 637 2008.08
Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
醸造酵母におけるmelezitose資化能の相違について、α-グルコシダーゼの遺伝子であるMALについて分子生物学的なアプローチにより解析した。清酒酵母のMAL遺伝子は、transporter、activatorが他の醸造酵母とは異なることが示唆された。pp.629-637
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Rhizopusの培養環境がRhizopus培養液中の酵母アルコール耐性に及ぼす影響 Reviewed
門倉利守、畠井悟、本多宏明、中里厚実、金子太吉、竹田正久
生物工学会誌 85 ( 3 ) 115 - 119 2007.03
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
清酒醸造、バイオマス再利用を考慮してRhizopus培養液を調製し、Rh.の培養環境、生育状態がRh.培養液の酵母アルコール耐性に及ぼす影響を検討した。培養環境によってRh.の菌糸形態、増殖量が変化し、生理機能が異なり、酵母の増殖を促進する物質に影響を及ぼすものと推察され、培養液には各種酵素も生産されるため条件によって有効活用が期待された。pp.115-119
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口かみ「もろみ」に添加した清酒酵母の消長 Reviewed
仲村佐知子、門倉利守、中里厚実、竹田正久
日本醸造協会誌 102 ( 1 ) 63 - 70 2007.01
Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
口かみ酒はアルコールの生成が少ないため、各種糖の発酵能を有する清酒酵母を添加して添加酵母の消長とアルコール生産への影響を検討した。添加した清酒酵母は初め増殖するがすぐに消失し、野生酵母が増殖した。そのため添加した清酒酵母によるアルコール量の増加はなく、特徴的な微生物生態系であった。pp.63-70
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野生酵母の形質から見える清酒酵母の分類学的位置の再検討 Reviewed
門倉利守
生物工学会誌 81 ( 6 ) 233 - 233 2003.06
Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
日本各地の土壌や草花から野生酵母を分離し、The yeasts 4thと独自の分類指標により清酒酵母の同定を行い、分類指標に照らし合わせて解析した結果、分類学的に清酒酵母がS. cerevisiaeとS. paradoxusの中間的な位置に存在していることが示唆され、系統学的な分類の必要性が考えられた。pp.233
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実用酵母Saccharomyces及びSaccharomyces sensu strictoにおける2マイクロDNAの分布 Reviewed
中里厚実、安光得、門倉利守、竹田正久
東京農業大学農学集報 47 ( 3 ) 226 - 230 2002.12
Language:Japanese Publishing type:Research paper (bulletin of university, research institution)
実用酵母である清酒酵母、焼酎酵母、泡盛酵母、ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母及びSaccaromyces sensu strictoの2マイクロDNAについて検討し、清酒、焼酎、泡盛酵母及びS.paradoxus、樹液酵母は2マクロDNAを保持していない、もしくは低保持率でその他の酵母は高率で保持していた。pp.226-230
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Divergence of Glyceraldehyde-3-Phosphate Dhydrogenase Isozymes in Saccharomyces cerevisiae Complex Reviewed
門倉利守、伊藤貴紀、高野慎也、中里厚実、原ひとみ、渡邉誠喜、工藤俊章、竹田正久、金子太吉
Systematic and Applied Microbiology 23 ( 2 ) 198 - 205 2000.07
Authorship:Lead author Language:English Publishing type:Research paper (scientific journal)
Saccharomyces cerevisiae Complexの菌体内タンパク質をSDS-PAGEにより解析し、Glyceraldehyde-3-Phosphate Dhydrogenaseのアイソザイム群が種によって異なり、清酒酵母とS. paradoxusが同じパターンであるものの清酒酵母をその他の種と区別することが可能であった。pp.198-205
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口かみ「もろみ」の発酵と微生物 Reviewed
竹田正久、門倉利守、中里厚実
日本醸造協会誌 94 ( 11 ) 933 - 942 1999.11
Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
唾液を含んだ口かみ「もろみ」は自然界には存在しない環境特性であり、微生物生態系への影響について検討した。蒸米で口かみ「もろみ」を造り成分分析と菌数を測定し、もろみの主要な糖は、マルトース、マルトトリオースでグルコースは少なく、酸度が高く、アルコールが 2~6%と低かった。微生物相は、Sacch. sp.および乳酸菌が普遍的に存在した。 pp.933-942。
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清酒酵母におけるVI番染色体左腕の末端 Reviewed
門倉利守、天野誠、原山格、大熊盛也、中里厚実、 竹田正久、工藤俊章、金子太吉
生物工学会誌 77 ( 7 ) 263 - 269 1999.07
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
同種の酵母間で清酒酵母のみに存在するVI番染色体左腕のNotI断片の構造と性質について検討した。VI番染色体左腕から切り出される9Kb、16Kbの断片は基本的に同じ配列からなり、この9Kb断片は同種酵母の全染色体に程度の差はあるもののハイブリダイズした。またこの断片を制限酵素で二分しサザンを行い、構造的にテロメア配列と特異的な配列からなるものと考えられた。pp.263-269
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Comparison of the Structural Characteristics of Chromosome VI in Saccharomyces Sensu Stricto: The Divergence,Species-Dependent Features and Uniqueness of Sake Yeasts Reviewed
中里厚実、門倉利守、天野誠、原山格、村上康文、 竹田正久、大熊盛也、工藤俊章、金子太吉
YEAST John Wiley & Sons Ltd 14 723 - 731 1998.08
Authorship:Lead author Language:English Publishing type:Research paper (scientific journal)
VI番染色体の構造によって清酒酵母と他の同種酵母を比較検討した。DNAライブラリーから適当な部分配列を選びサザンハイブリダイゼーションを行い、VI番染色体の左腕30Kbに菌株間で大幅な変動が見られた。また、左腕から切断されるNotI断片と右腕からのSfiI断片が清酒酵母と他の同種酵母では相違していることがわかった。 pp.723-731
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各種醸造酵母の核型と清酒酵母の特徴 Reviewed
中里厚実、門倉利守、山本京子、原山格、大熊盛也、 竹田正久、工藤俊章、金子太吉
日本醸造協会誌 93 ( 1 ) 67 - 75 1998.01
Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
醸造酵母はS.cerevisiaeに属し、用途に応じた特性を持っており、電気泳動でみた染色体核型と用途を比較検討した。6番染色体は清酒酵母で最大でワイン酵母で小さ く有意な差があり、焼酎酵母は清酒に、ビール、パン酵母はワインに近く、泡盛、アルコール酵母は中間であった。9番は清酒酵母で特に長く、1番はワイン、ビール、パン酵母とその他に分かれ、3番は大差なかった。
共同研究部分はpp.67-75。 -
糸状菌培養液の酵母アルコール耐性に及ぼす影響 Reviewed
門倉利守、中里厚実、竹田正久、竹生新治郎、谷村和八郎
生物工学会誌 74 ( 3 ) 167 - 170 1996.05
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
Rhizopus属、およびAspergillus属の糸状菌を用いて白米を基質とした培地、あるいは合成培地にて調製した糸状菌培養液の酵母アルコール耐性に及ぼす影響について検討した。アルコールを含むの培地に糸状菌培養液を添加することにより、無添加では増殖しない清酒酵母が増殖し、明らかに増殖能のアルコール耐性が向上した。これは、糸状菌の生産物が影響しているものと推察した。pp167-170
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黒米および赤米を原料とした赤ライスワインの試醸 Reviewed
門倉利守、丸山智香、中里厚実、竹田正久、金子太吉、 名越時秀、大森俊一
東京農業大学農学集報 40 ( 1 ) 1 - 7 1995.06
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (bulletin of university, research institution)
黒米および赤米の成分分析とそれを用いた仕込み試験を行い、赤ライスワインの製造に適した原料米の選択を行った。それぞれの米に成分的差異はほとんどなかったが、黒米の色素はアントシアニン系、赤米の色素はタンニン系の色素であり、特に黒米の黒糯米から造ったライスワインは鮮紅色で赤ライスワイン製造に適しているものであった。pp.1-7
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酵母入り発泡清酒の開発 Reviewed
門倉利守、田中浩二、高橋勝治、中里厚実、竹田正久
日本醸造協会誌 87 ( 5 ) 394 - 396 1992.05
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
細胞が粒状の小さな塊で凝集、増殖し、沈殿しても器底に強く付着せず軽く振ると浮遊し、長期培養しても成分変化の少ないS.cerevisiaeを育種、選択し、Rhizopus培養液を加え造った多酸清酒をベースにビン内発酵で発 ガスを含んだ酵母入りの発泡清酒を開発した。製品は清酒らしさを失わず、清涼で爽やかで白い粒状の酵母が浮遊し視覚を楽しませる新しいタイプのものであった。pp.394-396
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ライスワイン(玄米酒)をベースにした発泡性の低アルコール飲料の開発 Reviewed
門倉利守、今村浩美、中里厚実
日本醸造協会誌 87 ( 4 ) 315 - 317 1992.04
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
ビン発酵を行わせ酵母を除去しないため、白濁しないようにビン器底への付着性の強い酵母を88株の中から選択し、ライスワインをベースにして、ビン内に酵母を接種、発酵させ、発酵終了後熱殺菌して低アルコールで果実酒様の発泡性ライスワインを開発した。ビン内で増殖した酵母は器底に強く付着し剥がれないため酒を注いでも白濁することはなかった。pp.315-317
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酒造場(床土)の清酒酵母について Reviewed
門倉利守、中里厚実
日本醸造協会誌 87 ( 3 ) 235 - 237 1992.03
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
酒造場(床土)の試料から集殖培養法で分離されたS.cerevisiaeを清酒酵母、焼酎・泡盛酵母、その他の醸造酵母の3グループに分類し、分離されたS.cerevisiaeが生態学的に本来の野生清酒酵母であることを明らかにし、これら清酒酵母が酒造場のいたるところに存在しているものと推察した。pp.235-237
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純米甘味清酒の製造 Reviewed
門倉利守、小泉浩平、斎藤寿代、中里厚実、竹田正久
日本醸造協会誌 86 ( 10 ) 789 - 793 1991.10
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
白米を原料としてRhizopus属糸状菌を培養し製造したRhizopus培養液を加えて造った清酒もろみにα化米を添加し、糖とアルコール濃度が本みりんと同様である調味用、飲用に適した新しいタイプの純米甘味清酒を開発した。製品は旨味成分、香気成分を多く含みpHの低下により煮切混濁を防止することができた。pp.789-793
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乳酸の代わりにRhizopus培養液を用いたアンプル仕込 Reviewed
門倉利守、中里厚実、竹田正久
日本醸造協会誌 86 ( 9 ) 679 - 683 1991.09
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (scientific journal)
各種有機酸を多量に生産するRhizopus属糸状菌を選択し白米を原料とした培地を用いてRhizopus培養液を製造して、清酒醸造のアンプル仕込みにおける乳酸の代わりに応用することで水麹での腐造乳酸菌の増殖を抑制した。通常の仕込み同様に上槽後の清酒の一般成分は乳酸水を用いたものと差異はなく、有機酸組成に若干違いがみられたが風味には影響はなかった。pp.679-683
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網走流氷(解流氷)の水質とそれを用いた清酒仕込試験 Reviewed
門倉利守、澤登芳恵、穂坂賢、中里厚実、竹田正久
東京農業大学農学集報 36 ( 1 ) 71 - 75 1991.08
Authorship:Lead author Language:Japanese Publishing type:Research paper (bulletin of university, research institution)
網走のオホーツク海流氷(解流氷)の水質分析を行い、当時の水質基準に照らし合わせて酒造用水、飲料水として支障のないものと判断した。また、流氷を用いて清酒醸造を行い通常の清酒と比較した結果、成分分析値、風味ともに差異はなく、流氷を用いたロマンのある清酒として網走の土産物となる「村おこし」に貢献できる清酒を製造、開発した。pp.71-75