論文 - 上地 由朗
-
The Use of a Small-Scale Hydroponic Method for the Evaluation of Taro Leaf Blight (<i>Phytophthora colocasiae</i>) 査読あり 国際誌
KAMATA Atsushi, KAMIJI Yoshiaki
Tropical Agriculture and Development 68 ( 3 ) 55 - 61 2024年09月
担当区分:最終著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:Japanese Society for Tropical Agriculture
We present a small-scale hydroponic method for demonstrating the spread of <i>Phytophthora colocasiae</i>, the causal agent of taro leaf blight disease. By recreating the nutritional content of the soil used for commercial taro production in the hydroponic unit, our protocol was used to effectively evaluate the leaf browning caused by <i>P. colocasiae</i>. Leaf lesions in Mg/K-treated taro plants subsequently decreased the lotus effect of the leaves. In addition, the contact angle of water droplets was decreased from 130° to 80° between the control and Mg/K-treated plants. We found that the Mg/ K ratio-treated plants tended to spread water-soaked lesions and a greater lodging index than the control treatment. <br>This hydroponic system can operate in a limited space, only a few facilities needed, low labor requirements, a low concomitant infection risk, and generates reproducible results for lesions caused by <i>P. colocasiae</i>. This system, therefore, offers a new approach to research on disease resistance and nutrients.
DOI: 10.11248/jsta.68.55
-
コンバイン収穫と協調したロボットトラクタによる早期稲わら鋤き込み技術:労働時間削減効果と翌年産水稲の収量向上効果 査読あり
四宮 一隆, 上地 由朗, 石井 毅史, 冨永 伸介, 飯田 俊彰
農作業研究 59 ( 2 ) 61 - 77 2024年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:日本農作業学会
<p>収穫直後に稲わらを水田土壌へ鋤き込むことにより,稲わらの分解に当てられる時間が長くなり,翌春の土壌中の無機態窒素含量が高まると期待される.しかし実際には,収穫直後の労力不足のため,稲わらは冬期の農閑期に鋤き込まれることが多い.そこで本研究では,省力化を図りながらできるだけ早く稲わらを鋤き込むために,コンバインによる収穫作業を行いながら近接ほ場で無人ロボットトラクタを協調稼働し,収穫と同時に稲わらを鋤き込む新技術を検討した.この技術を実際の試験ほ場に適用した結果,従来法に比べて13%の延べ作業時間が削減可能であると試算された.また,試験ほ場での観察に基づいて,障害物センサーの不要な作動によるロボットトラクタの不要な停止によって作業効率が低下することが判明した.水稲3品種の収量を調べたところ,本技術を適用した区の収量は地域慣行区より6~11%高かったが,この差は統計的に有意ではなかった.水田土壌中の無機態窒素含量は,本技術を適用した区の方が地域慣行区よりも高かったが,この差は統計的に有意ではなかった.これらの結果より,無人ロボットトラクタを協調稼働して収穫と同時に稲わらを鋤き込むことは,労力削減と収量向上の両方に寄与する可能性があることが示された.</p>
DOI: 10.4035/jsfwr.59.61
-
Development of a Thickness Fractionation Method to Optimize the Physicochemical Properties and Cooking Qualities of Rice 査読あり
Atsushi Kamata, Yoshiaki Kamiji
Eco-Engineering 35 ( 3 ) 67 - 72 2023年07月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:The Society of Eco-Engineering
-
ソーラーシェアリング水田におけるイネの生産性の評価 査読あり
鈴木 悠斗, 石川 往洋, 岩崎 敬介, 上地 由朗
日本作物学会紀事 91 ( 3 ) 253 - 254 2022年07月
記述言語:日本語 出版者・発行元:日本作物学会
<p>ソーラーシェアリング水田におけるイネの生産性低下が課題となっていることから,生育時期別日射制限が乾物生産に及ぼす影響を明らかにし,ソーラーシェアリング水田におけるイネを乾物生産,収量および玄米品質の面から検討した.生育時期別の日射制限が乾物生産に及ぼす影響は強く,それにともなって収量および品質面でも影響が表れた.ソーラーパネル下では散乱光は有効利用されているが,パネル角度の可動化や設置間隔の調整などの日射環境の改善により,早期に導入費用の回収が可能であることが示唆された.</p>
DOI: 10.1626/jcs.91.253
-
Nitrogen stock and farmer behaviour under rice policy change in Japan 査読あり 国際誌
Hiroki Kiriyama, HirotakaMatsuda, YoshiakiKamiji, ShigenoriMorita
Journal of Environmental Management 299 1 - 9 2021年12月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
-
イネの体験型栽培実習が幼児の食意識の向上に及ぼす影響 査読あり
上地由朗,垣内仁
日本農業教育学会誌 46 ( 2 ) 29 - 42 2015年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
親子栽培実習を体験することによって,食の有り難みや尊さの理解,生命・大地・生産者への感謝,食への関心が高まる傾向にあり,食意識の向上に有効であることが分かった.
-
Relationship between Phosphorus Accumulation and Dry Matter Production in Soybean 査読あり
Jin Kakiuchi, Yoshiaki Kamiji
Plant Production Science 18 ( 3 ) 344 - 355 2015年07月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
リン施肥レベルが異なるダイズのポット試験および圃場試験を行た結果,リン欠乏条件下で安定的な生産を上げるには,高いP蓄積能力をもつか,十分な乾物生産量が必要であることが必要であることを明らかにした.
DOI: 10.1626/pps.18.344
-
イネ栽培学習が幼児教育にもたらす影響と役割に関する検証 査読あり
新堀左智,日高文子,上地由朗
東京農業大学農学集報 60 ( 1 ) 18 - 27 2015年06月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
子どもが興味を持ってイネと関わることにより植物を育てる面白さを感じ,自分のおコメを得るという目的意識の中で,責任感や連帯感,思いやりを育むといった多岐にわたる効果が得られた.
-
鮫川村における新規造成水田への堆肥施用が土壌窒素無機化特性および水稲の生産性に及ぼす影響 査読あり
石井洋平,大谷穂菜美,関口幸世,上地由朗
東京農業大学農学集報 60 ( 1 ) 44 - 49 2015年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
福島県鮫川村にある「豊かな土づくりセンター」で作られた堆肥を利用した循環型農業を推進させるための基礎資料を得るため,新たに造成された水田Ⅰ(750m²)と水田Ⅱ(900m²)において,2011年から2013年の3年間に水稲コシヒカリの栽培試験を行ない,成熟期における地上部乾物重,体内窒素,玄米収量を調査するとともに,土壌の窒素無機化特性を評価した.
-
リン吸収量がコムギの乾物生産および子実成分に及ぼす影響 査読あり
垣内仁,上地由朗
農業生産技術管理学会誌 22 ( 1 ) 2015年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
コムギを用いたポット試験と圃場試験を行い,リン吸収量と乾物生産量との間の関係には品種間差がないがリンの施用効果には品種間差があること,子実の窒素含有率はリン吸収量と共に減少する傾向があることを明らかにした.
-
Shoot biomass in wheat is the driver for nitrogen uptake under low nitrogen supply, but not under high nitrogen supply 査読あり 国際誌
Yoshiaki Kamiji, Jiayin Pang, Stephen P. Milroy, Jairo A. Palta
Field Crops Research 165 92 - 98 2014年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
コムギにおいて窒素吸収量が多い品種では地上部バイオマスが支配因子になっているのか,あるいは窒素吸収量が多いことが地上部バイオマスの増大を支配しているのかを明らかにするために2種類のポット実験を行った結果,低窒素条件下では地上部バイオマスが窒素吸収を支配し,多窒素条件下ではそうではないことがわかった.
-
リン酸の葉面施肥がダイズの生育・収量および子実成分に及ぼす影響 査読あり
垣内仁,上地由朗
農業生産技術管理学会 20 ( 2 ) 35 - 43 2013年09月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
ダイズに対するリン酸葉面施肥の影響を明らかにするため,圃場およびポットで実験を行った.リン酸の葉面施肥は根粒による窒素固定を介してだけではなく,直接乾物生産や収量に影響を及ぼすこと,そのため窒素供給量が不足する条件下では子実の窒素含有率つまりはタンパク含有率が低下すると結論付けられた.
-
幼児教育におけるイネ栽培学習の実践活動とその効果 査読あり
大村真理,後藤由美子,上地由朗
日本農業教育学会 44 ( 1 ) 1 - 13 2013年05月
担当区分:責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
東京都世田谷区立松丘幼稚園(2年保育)の5歳児を対象としたイネ栽培学習と同園の有志親子を対象とした体験実習を実施し,幼児の成長段階に見合ったイネ栽培学習の効果的なプログラムを提案した.
-
水稲主稈葉数の標準型および減葉型における形態的特性 査読あり
上地由朗,鈴木悠太,桜谷哲夫
東京農業大学農学集報 57 ( 1 ) 1 - 8 2012年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
1/5000aワグネルポットに円形20株密植栽培した日本晴,コシヒカリおよびタカナリについて,総葉数の異なる主稈の出穂日および器官長を調査した結果,下位節間に着目した水稲の形態的制御を行う場合には主稈葉数の違いによる生育型を厳密に分ける必要性がないことが示唆された.
-
異なる日射環境とポット土壌容積が水稲の生育に及ぼす影響 査読あり
上地由朗,桜谷哲夫
東京農業大学農学集報 56 ( 3 ) 212 - 219 2011年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
制限された日射環境の屋上緑化スペースにポットイネを導入するのに必要な基礎資料を得るため,東京農業大学世田谷キャンパス構内の建物屋上と作物実験用網室において,日本晴,中生新千本およびタカナリの水稲3品種をそれぞれ1/2000 aと1/5000 aのワグネルポットで栽培し,それらの生育と関連気象条件を調べた.根の生育にとっての制限因子は土壌容積であった.
-
中津川水系の灌漑水を利用した棚沢水田における窒素の天然供給量 査読あり
上地由朗
東京農業大学農学集報 56 ( 2 ) 183 - 189 2011年09月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
今後予想される環境変化に対応できる低投入で高品質安定生産技術の構築に利用するための基礎資料を得るため,神奈川県厚木市の棚沢地区の広域水田において2003年から2005年の3年間にわたり,窒素の天然供給量を調査した.土壌窒素の無機化量,灌漑および降雨による供給量の年次変動は小さく,施肥以外のいわゆる窒素の天然供給量は,出穂期までに6~7 g/㎡,成熟期までに9~10 g/㎡と見積もられた.また,棚沢地区の広域水田に利用されている中津川水系の灌漑水中の無機態窒素濃度は比較的低いことが示され,水稲の生育や品質には大きな影響を及ぼさないと考えられた.
-
Analysis of optimum spikelet number and plant N in rice at Tanazawa paddy field 査読あり
Yoshiaki Kamiji
東京農大農学集報 56 ( 1 ) 1 - 10 2011年06月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
棚沢水田における土壌窒素の無機化量,灌漑および降雨による供給量の年次変動は小さく,施肥以外のいわゆる窒素の天然供給量は,出穂期までに6~7 g/㎡,成熟期までに9~10 g/㎡と見積もられた.また,この地区の広域水田に利用されている中津川水系の灌漑水による窒素供給量は少なく,水稲の生育や品質には大きな影響を及ぼさないと考えられた.
-
半日陰の屋外人工空間における水稲の生育 査読あり
上地由朗,五十嵐大造,桜谷哲夫
生物と気象 11 1 - 11 2011年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
-
N applications that increase plant N during panicle development are highly effective in increasing spikelet number in rice 査読あり 国際誌
Yoshiaki Kamiji, Hiroe Yoshiada, Jairo A. Palta, Tetsuo Sakuratani, Tatsuhiko Shiraiwa
Field Crops Research 122 ( 3 ) 242 - 247 2011年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
京都,茨城,神奈川の水田において窒素施肥法および施肥量を異にした試験区を設定して10年間の圃場試験を行った結果,穎花数の同一品種の年次変動は穎花分化終期における体内窒素量に強い影響を受けること,穎花数の品種間差は穎花分化終期後2週間のCGRに左右される面が強いことを明らかにした.
-
水稲栽培における合理的窒素施肥に関する研究 ―群落の光環境と生産機能からみた「V字稲作」型施肥の再評価―(博士論文)
上地 由朗
京都大学 2010年01月
記述言語:日本語 掲載種別:学位論文(その他)
水稲栽培における合理的窒素施肥方法の基礎として,幼穂発育期窒素施肥を中心に取り上げ,施肥時期,施肥量あるいは時期別施肥配分が,土壌‐作物系の窒素収支,群落の生産機能および穎花生産に及ぼす影響を調査し,V字稲作型窒素施肥の再評価を行った結果,次のことが明らかとなった.従来重視されてきた幼穂発育期前半の窒素吸収制限は,群落の光環境を明らかに改善するものの,乾物生産および耐倒伏性および穎花生産の諸機能に対する効果は小さいかむしろマイナスであり,現在の水稲栽培においてこれを必須とする合理性は低いものと結論された.
-
PVAフラットヤーンを使用したべたがけ資材の冬季における微気象性 査読あり
五十嵐大造,木下茉実,鈴木将之,吉田綾子,上地由朗
日本農業気象学会 65 ( 1 ) 61 - 67 2009年04月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
べたがけ資材としてPVA割繊維不織布に対してPVAフラットヤーンの保温性について検討した結果,VAフラットヤーン織物の空隙率がPVA割繊維不織布の空隙率よりも高くても,同党の保温性が得られることが明となり,PVAフラットヤーンを使用することにより,空隙率が高く,保温性の高い資材を開発できる可能性があることが示された.
-
窒素施肥管理の違いが水稲の節間伸長に及ぼす影響 査読あり
上地 由朗
日本農業教育学会誌 38 ( 1 ) 1 - 9 2007年05月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
水稲の窒素施肥管理の違いが節間伸長に及ぼす影響を明らかにするため,器官長の測定を行い,節間長と窒素施肥との関係を品種間差を含めて検討した結果,日本晴,コシヒカリともに追肥窒素は伸長開始前1週間の施用が穂や葉身を長くさせるが,節間についてはその伸長開始前2~3週間前の窒素追肥が長くさせることがを明らかにした.
-
水稲のポット栽培における地下浸透および表面流出による窒素流出量の測定 査読あり
上地由朗
日本作物学会紀事 75 ( 2 ) 210 - 216 2006年06月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
生産性が高く低環境負荷的な窒素施肥管理技術に資する窒素動態の簡易モデルを構築する基礎資料を得るため,窒素施肥管理法が異なるイネをポット栽培し,窒素収支の中身を検討した.その結果,移植時の窒素流出のほとんどは地力窒素であり,施肥窒素の流出量は少なく施肥量の5%程度であることがわかった.
-
水稲の下位節間長に及ぼす窒素と稈基部光環境の影響 査読あり
上地由朗,林茂一,堀江武
日本作物学会記事 62 ( 2 ) 164 - 171 1993年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
水稲日本晴を用いて圃場試験における上位葉身長と下位節間長を調査した結果、従来認められていた同時伸長性がなかったので、その変異の要因を解析した。下位3節間長は下位節間伸長期における葉面積指数との間には正の相関関係が認められ、群落内日射量との間には負の相関関係が認められた。また、ポット試験においても、稈基部を遮光することにより下位節間は伸長した。したがって、下位節間伸長は下位節間伸長期における群落内光環境に影響を受けることがわかった。
-
水稲における土壌―作物系の窒素の動態と収量形成過程の関係 (2)施肥法の違いが個体群の幾何学的構造に及ぼす影響 査読あり
上地由朗,林茂一
東京農業大学農学集 37 ( 3 ) 231 - 238 1993年01月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
水稲日本晴を供試し、後期重点追肥型施肥法とV字型施肥法を試験区として、個体群の幾何学的構造が日射量の捕捉や乾物生産過程にどのような影響を及ぼすかを調査した。葉面積の空間分布は施肥法により異なり、V字型 試験区における出穂期以降の葉身平均傾斜角は後期重点追肥型試験区のそれよりも大きくなること、出穂期以降 の吸光係数がV字型試験区で小さく、日射エネルギーの捕捉に有利であることがわかった。しかしながら、登熟前期でのCGRは後期重点追肥型試験区で高く、乾物生産過程には種々の要因が関与していることが示された。
-
水稲における土壌―作物系の窒素の動態と収量形成過程の関係 (3)施肥法の異なる水稲における一穂穎花数と登熟歩合の穂間変異 査読あり
上地由朗,林茂一
東京農業大学農学集報 37 ( 3 ) 239 - 245 1993年01月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
水稲日本晴を供試し、施肥法(基肥型、後期重点追肥型およびV字型)や施肥量が一穂穎花数、登熟歩合の穂間変異や収量に及ぼす影響を調べた。基肥型およびV字型試験区では、収量に最も関係しているのは単位面積あたりの穎花数であったが、後期重点追肥型試験区では登熟歩合も大きく関わっていた。また、基肥型試験区では、施肥量が増えると一穂穎花数の分布が変動して単位面積あたりの穎花数が高まったが、V字型試験区では単位面積あたりの穎花数に影響を及ぼしたのは穂数であり、一穂穎花数および登熟歩合の分布の変動が少なかった。
-
登熟期の水稲葉からのアンモニア態窒素揮散速度の測定 査読あり
上地由朗,堀江武
日本作物学会記事 58 ( 1 ) 140 - 142 1989年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
圃場における窒素の収支・動態の実態を解明するために水稲日本晴を用いて、登熟期間における葉面からのアン モニア揮散速度をチェンバー法により測定し、それと環境条件との関係を調べた。その結果、アンモニア揮散速 度は出穂後日数がすすむにつれて増大し、日射および気温への依存性が高く、蒸散速度との間には密接な関係が認められた。その関係を用いて圃場条件下における登熟期の水稲葉からのアンモニア揮散量の推算を行ったところ、約160g/10aと見積もられた。
-
水稲における土壌-作物系の窒素の動態と収量形成過程の関係 ―施肥法の違いに基づく窒素吸収パターンの差異が生育・収量に及ぼす影響― 査読あり
上地由朗,堀江武
東京農業大学農学集報 33 ( 2 ) 171 - 180 1988年12月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
水稲日本晴を供試し、典型的に施肥法が異なる試験区を設けて窒素吸収パターンの差異が生育・収量に及ぼす影響を調べた結果、単位面積あたりの穎花数は穂首分化期以降の葉身窒素保有量との間には正の相関関係が、登熟歩合との間には負の相関関係が認められた。収量は登熟歩合よりも穎花数に影響されやすく、茎葉から子実へ再転流する窒素が多く、登熟期間を通じて葉身窒素濃度と水ポテンシアルが高く推移する場合が多収となることが明らかになった。
-
水稲地上部からの窒素損失に関する基礎的研究(修士論文)
上地 由朗
京都大学 1986年03月
記述言語:日本語 掲載種別:学位論文(その他)
水稲における窒素の収支・動態を解明するため、水稲地上部から葉面揮散によって損失する窒素量を測定し、それと環境条件との関係も検討した。水耕栽培による窒素収支法、チェンバー法ともに、相当量の窒素損失が認められた。また、エイジがすすむと窒素損失も多くなること、光と温度の影響を受けやすいことが認められ、光呼吸や光合成に関連している可能性が高いと推察できた。