科研費(文科省・学振)獲得実績 - 山崎 晃司
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個体群動態とブナ科堅果の結実豊凶を考慮したツキノワグマ管理手法の提案
2023年04月 - 現在
科学研究費補助金 基盤研究B
小池伸介
担当区分:研究分担者
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オスグマの行動を決めるもの-個体レベルの行動・生理研究-
2022年04月 - 現在
科学研究費補助金 基盤研究B
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
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長期データを用いたツキノワグマの繁殖パラメータの算出とそれに影響する要因の検討
2019年04月 - 2022年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
小池伸介
担当区分:研究分担者
本研究は、人里への出没や人身事故の増加が社会問題化しているツキノワグマ(以下、クマ)の繁殖パラメータ値を算出し、環境条件(ブナ科堅果の結実豊凶や大量出没等)が繁殖パラメータ値の変化を通じて、個体群動態に及ぼす影響を評価することを目的とする。具体的には、長期に蓄積された学術捕獲個体、駆除個体の歯や生殖器、直接観察記録や、行動情報から、繁殖パラメータ各値を算出するとともに、それらの経年的変化に影響する各環境条件の有無やその程度を検討する。さらに、繁殖パラメータ値の経年変化が個体群構造に及ぼす影響を遺伝学的手法で検証することで、各環境条件がクマの個体群構造に及ぼす影響を国際共同研究体制のもとで解明する。本結果により、科学的根拠にもとづくクマ個体群の適正な管理体制の構築が期待できる。
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それぞれのクマの春と夏の過ごし方-個体レベルの生態学的・生理学的研究-
2019年04月 - 2022年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
申請者のこれまでの研究で,ツキノワグマ(以下,クマ)は秋期の飽食期に蓄えた体脂肪を,冬眠期間中のみならず,冬眠明け後の春から夏にかけても継続して利用することが明らかになってきた。春から夏は,高栄養で採食効率の良い食物の獲得が難しいことがその理由である。そのためクマは,春期から活動を徐々に上昇させるものの,動き回るとエネルギー収支がマイナスになってしまう夏期後半には,活動を停滞させる傾向を突き止めた。しかし,春から夏は,成獣メスにとっては重要な育児時期であり,また成獣オスや単独のメスにとっては発情期という種の存続をかけた時期にもあたる。そこで本研究では,新しい研究技術を用い,齢,性,個体の社会的ステータスに着目しながら,春から夏のクマの個体レベルでの行動と生理に関する相違を明らかにする。研究は国内の研究分担者に加え,クマ類の生理研究で目覚しい成果をあげているノルウェー・インランド大学と協働で行う。結果は,秋期以前の人里へのクマの出没機構の解明にも役立つものである。
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気候変動が森林性大型動物(ツキノワグマとヒグマ)の土地利用に与える影響の評価
2018年10月 - 現在
科学研究費補助金 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
ロシア沿海地方は,大型森林性哺乳類であるツキノワグマとヒグマが同所的に生活する世界でも極めて希な地域として特徴付けられる。植物食により適応したツキノワグマと,強い雑食性を示すヒグマがどのような生息環境選択と種間関係を保つかは極めて興味深い研究課題ながら,その実態はまだほとんど明らかにされていない。
このような生態的特徴を持つ沿海州であるが,近年の気候変動(温暖化)により,これまで同地に接近することのなかった台風が,この10年ほどの間に度々上陸して,森林被害を与えている。2016年夏には,北海道を通過した大型台風が上陸して,風倒木の発生,地形の侵食や崩壊が森林の極めて広い範囲で認められた。すでに構築されている日露の国際ネットワークを用いて,森林被害(生息環境の広範な改変)がクマ類などに与える影響を評価すると共に,北方原生林での大型野生動物の生態のモニタ
リング体制の確立を長期的目標とする。 -
空間情報技術を活用した自然資源管理のための生態系及び社会性レジリエンス指標の算出
2018年04月 - 2021年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
下嶋聖
担当区分:研究分担者
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生態学・遺伝学的手法を用いたツキノワグマの個体群構造と分散行動の影響の解明
2016年04月 - 2019年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
小池伸介
担当区分:研究分担者
本研究は、ツキノワグマ(以下、クマ)の分散行動を解明し、さらに個体条件の違い(体サイズや年齢)や環境条件(エサ条件等)が分散行動に及ぼす影響を評価することを目的とする。
本研究は、長期にわたり学術捕獲されてきた個体と周辺で駆除されてきた個体の遺伝情報とを比較解析することで、分散行動の規模を把握するとともに、亜成獣個体にGPS受信機を装着し、行動追跡を行うことで、分散行動の過程を把握することで、クマの個体群構造、特にソース・シンク構造に分散行動が及ぼす影響を解明し、実際の管理計画への応用を目指す。 -
ツキノワグマはいつ脂肪を蓄えどのように利用しているのか?-その行動生態学的研究-
2016年04月 - 2019年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
ツキノワグマの人間生活空間への大量出没はこの10年間ほど頻発しており,出没メカニズムの研究が進められている。その結果,冬眠前の秋期の食欲亢進期(飽食期)の堅果の結実多寡が出没のひとつのトリガーとなることが確認された。しかし、実際には出没は堅果結実前の夏期からはじまり,その機序は十分に説明できていない。本研究では,申請者がこれまで進めている長期的研究の発展として,秋期の体脂肪蓄積期を起点としてその翌年に渡る推移を,衛星通信型の活動量センサー付GPS首輪,首輪とのデータ通信可能な体温計,皮下心拍計を用いて生理状態の把握をより精査に行うと共に,クマの摂食量と速さについて小型軽量ビデオカムを装着して定量化を試みる。さらに,野生グマの経時的体重変化の計測を野外で併せて試みることにより,これまでスナップショットであった春~夏の行動生態をより深く解明すると共に,今後の管理に供する。
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ロシア極東部に同所的に生息するツキノワグマとヒグマの種間関係と保全に関する研究
2013年04月 - 2018年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
クマ類の種間関係(inter-specific competition)に関する研究は限られており,特にアジア地域ではこれまでにまったくなされていない。ロシア沿海地方には,ツキノワグマとヒグマが同所的に生息しており,種間関係の調査地として希有であるが,政情や自然環境の過酷さにより研究実現は難しかった。今回申請者らは,ロシア科学院およびシホテ・アリン自然保護区管理事務所の研究者などの全面的な協力と,技術革新によって運用可能となった衛星GPS機材や遺伝などの分析・解析技術,これまでに培ったフィールド研究技術を駆使して,シホテ・アリン保護区において,はじめての研究を行う。当研究は,同地で今後危機的な状況に陥ることも懸念されるツキノワグマとヒグマの保全のための基礎情報の収集も併せて行うものである
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ツキノワグマは春から夏をどうしのいでいるのか?-その行動生態学的研究-
2012年04月 - 2015年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山﨑晃司
担当区分:研究代表者
ツキノワグマの行動生態研究の多くは,秋の食欲亢進期(飽食期)に行われており,本種の春から夏の行動生態はほとんど解明されていない。先行研究および応募者らの研究でのスナップショットでは,秋の蓄積脂肪を翌年の冬眠明け後から晩夏まで利用している可能性が示唆される。
本研究では,衛星通信型の活動量センサー付GPS首輪,体内埋め込み型心拍データレコーダーなどの機材を駆使し,春から夏の冬眠明け時期に着目して,野生グマの栄養・生理状態の把握によりその行動生態の解明を,性,齢級,社会的ステータスごとに試みるものである。また春から夏のツキノワグマの行動を評価することは,これまで秋の堅果結実の多寡だけでは説明できていない,本種の晩夏の人里への出没機構の解明にも光を当てることが期待できる。